「知っている」と「出来ている」の違い
「知っていると出来ている」の違いは何だろうと考えるに、蓄積された「澱」の差ではないだろうかと思うようになりました。
「知っている」は理解ですよね。新しい思考法や方法論のインストールと言ってもいい。言語や認知の領域だと思います。でも、インストールして出来るようになるかといったら別の話で。
出来るようになるためには修練が必要になる。では修練とは何かと考えるに、非言語の領域に突入するのだと思っています。個人的な感覚ですが。
新しい思考法や方法論をインストールしてもすぐには使いこなせない。新しいソフトやサービスを使うのと一緒です。慣れる必要がある。そうですよね?
慣れるとは何か
では、慣れるとは何か。もちろんそれは体験を伴う行為なのですが、ここが非言語領域になるから難しい。自転車に乗れる人が多くても、「なぜ自転車は転ばずに前に進むのか?」を言語化して説明できる人はかなり少ないはずです。でも、ぼくたちは乗れる。しかも一度習得すると「乗れない自分」には戻れない。それくらい「習得」は大きな力を持っている。
自転車が分かりやすいように「体験に伴う経験 →何度も重ねる失敗 →徐々に慣れてくる →習得する」だいたいこれがインストール後に必要なメソッドだと思います。何であれ。でも、たぶん多くの人から「それはメソッドではない!」と怒られる。いや仰る通りなんです。これはメソッドとは呼べない。
慣れて習得する
ただ、個人的に言いたいのは「慣れることで習得する。習得するから熟練できる」というぼくたちが本来もっている能力が意外とスルーされているな…ということです。
前述したように「慣れる」とは非言語の領域だと思いますが、経験を重ねることでまだ言葉にできない「何か」が澱のように溜まっていくと感じています。それはいつか言語化され、アウトプットされることで共有知やメソッドになると思いますが、時間軸としては後の話です。
共有地やメソッドを活用するには(2)を通らなければならない。
なぜなら、言語化された共有知やメソッドはインストールされるものだからです。新しい思考法をインストールしてもすぐには使いこなせない。(2)の「慣れて習得」が必要です。
施策やメソッドが社内に定着しない原因
多くの企業は(1)のインストールと、(3)のメソッド化のみに注力して、(2)が不在なために施策やメソッドが上手く社内に定着しないのかもしれません。
「知っていると出来ている」の違いはそこじゃないかなと思うようになりました。 色々メソッド化に取り組んでいるけれど上手くいかない…とお悩みの企業様は、「2を実行するための仕組みと社内整備」が必要かもしれません。時間も労力もかかる領域ですが、ここを飛ばしちゃうと解決できない。という仮説。
Web活用が上手くいかない地方のBtoB企業
何でこんなことを考えたかというとBtoB企業のWeb活用支援をしているからです。 ぼくの主目的は「顧客事業の成果に貢献する」ですが、そのためには社員様がこれまで触れたことのない「Web活用」という新しい思考法や方法論をインストールして習得してもらう必要があります。だいたい1年以上かかります。
「お金をかけてWebサイトを作って、毎月の支援費用も払って、1年もかかるのか!」と思われるかも知れませんが、かかります。必要な時間と労力です。胸を張っていえます。1年かけてやっとそこそこです。でも、1年前はゼロだった能力を顧客は習得しています。それは財産であり、今後の重要な武器です。習得できれば次は熟練に進められますから。
新しい思考法やメソッドはとても重要だと思っています。それは活かされないけばならない。特に地方中小企業は。だからこそ習得するために時間と労力を割く。会社は環境を整える。成果を急かさない。ここの違いで2年後3年後の差が大きく開くと思っています。
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