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「本当に存在しているのか。どんな会社か不安。Webで確かめたい」というユーザーが少なからずいる。

長野県製造業の海外営業のWeb活用支援するとなるとLinkedInが無視できない。今ままで放置していたけれど、勉強のために投稿もして、つながり申請も受けるようにしました。

申請はほぼ毎日くるのですが、やっぱり知らない会社の人だとちょっと腰がひけますよね。ただ、「勉強のために申請は受ける」というマイルールにしたので基本は受けるんです。でも、やっぱりその前に企業サイトは見る。だって怖い。そこで実感が掴めなかったらSNSで検索する。

自分事として企業サイトを見る体験

自分事としてユーザー目線で行動するのでめっちゃ勉強になります。不安解消や企業の正体を知りたかったら「Webサイト→SNS」の流れで動くんだなあ…と実感しました。

LinkedInのつながり申請で得た知見

  • 知らない会社から連絡が来たら不安

  • 不安解消にWebサイトとSNSを見る

  • Webサイトのトップページのキャッチコピーがカッコつけていて不安。何かよく分からない英語だったり、空虚で中身が何もないとより不安(騙されるのでは?)

  • Webサイトのデザインがそれっぽくても、やたらと素材画像だらけだったら不安(存在していない会社なのでは?)

  • Webサイトのデザインが多少古くても、画像が素人っぽくても、キャッチコピーがダサくても、「本当さ」「実在感」がある方が100倍安心する

  • 「それっぽさ」より「ダサくても実在感」が安心材料(特に無名の会社はそう)

  • SNSアカウントがないと不安。SNSで検索して企業の投稿やUGCがないとより不安(存在していない会社なのでは?)

  • お知らせやブログを更新していないと不安(実在しないのでは)

  • 知りたいことがちゃんと書いていない。特に事業紹介についてのコンテンツが浅いと不安(騙されるのでは)

  • 実績コンテンツが浅いと不安(騙されるのでは)

  • スタッフや社長の写真が載っていると少し安心する


総括:ユーザー目線で気づいたこと

「本当に存在しているのか。どんな会社か不安。Webで確かめたい」というユーザーが少なからずいるはず。

上記の発見は特に無名の会社に該当すると思います。そして、多くの会社は無名です。ぼくが所属する会社も含めて。日本の会社の99.7%が中小企業なんだから。Webサイトに訪れてくれた人にまずやるべきことは売り込みなんかじゃありません。10年早い。「怪しくないですよ。実在してますよ」と懸命に伝えることです。あなたの会社が最初にやるべきことは「不安の払拭」なので。

だから、「SNSぅ?そんなので売上あがるのー?」なんて部長が嫌味をいうのは10年早い。売上とか言う前に、あなたの会社の実在が不安視されてるんです。訪問者の不安を解消しましょう。

とにかく不安

LinkedInのつながり申請をきっかけに「ユーザーはこんなに不安になるのか」と知れたことは大いに収穫でした。つながり申請が来るたびに会社名で検索してWebサイトを見に行って。SNSで検索して。

制作側の視点で見ていたときは気づかなかった所謂それっぽい企業サイト。それっぽいデザイン。それっぽいコピーライティング。

制作側の視点だと「あまり予算なかったのかな。Webにあまりやる気がない会社なのかな」くらいでスルーしていたのですが、LinkedInのつながり申請を受けた当事者として見ると胡散臭くて仕方がない。不安が全然解消されません。

この視点の獲得はめちゃくちゃ有意義でした。ユーザー目線とか、ユーザーファーストとか何百回も言っているのに、自分は全然できていなかった。ショックでした。

企業のSNS活用も「社内にやりたい人がいれば試してもいいと思います」くらいに言っていたのですが、全然ちがう。口コミであるUGCがないのは仕方がないですが、企業のアカウントがない、企業の投稿がないことがこんなに不安になるとは思いもしませんでした。実在してないんじゃないか…ペーパー企業で活動してないんじゃないか…騙されるんじゃないか…と思ってしまう。この心の動きは我ながらびっくりしました。そんな風に思うんだと。

あるべき姿とは

そういった「不安なユーザー」を体験して、じゃあ、企業サイトのあるべき姿はどう考えればいいんだろう…と改めて考えました。だって、制作側のスタンスに戻ったら「まあ、いいんじゃない」の視点になってしまう。

業界的な「それっぽさ」より、「実在感」をユーザーは求めている。でも、応えられていないWebサイトが多い。ユーザーは全然不安を解消されないのに、制作側は良しとしている。ユーザーは素人で見る目がない。クリエイティブが分かってないと思っているとしたら、そんな世界観は絶対嫌です。そんな世界に仲間入りしたくない。この罠に落ちないためにも自分にとって考えるヒント/羅針盤がいる。

デザインスタジオ・エルの「らしさをつくる/ふやす」

そんな時にハッと思い出したのがデザインスタジオ・エルさんがずーっと大切にしている「らしさをつくる/ふやす」という考え方でした。

この考え方を10年以上目にしていて、素敵な考え方だし、エルさんらしいなあ…と思っていたのですが、LinkedInをきっかけに初めて「そういうことか!」と腹落ちしました。この視点をもっていつも自問自答していれば何とかやっていけそうです。エルさん、ありがとう。

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