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サントリー伊右衛門のラベルを剥がしたら捨てられなかった話

新しくなったサントリー伊右衛門のボトルを捨てようとラベルを剥がしていたら、デザイン性の高さに思わず手を止めてまじまじと見てしまう。

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ボトル時のそれより、一面に開いたときの印象がとてもよい。流れるようなリズムと機能性にうっとりしてしまう。

デザイナーはどなただろう…と検索したら、サントリーコミュニケーションズの西川圭さんという方で、「日本パッケージデザイン大賞2021」も受賞されていた。なるほど、納得。

『サントリー「伊右衛門」の新ボトル ラベルレスでデザイン大賞』

サントリーの緑茶飲料「伊右衛門」は2020年4月、大規模なリニューアルを行い、売り上げを伸ばしている。20年9月に日本パッケージデザイン協会が主催する「日本パッケージデザイン大賞2021」の最高賞となる「大賞」も受賞。伊右衛門のパッケージデザインのアートディレクションを担当したサントリーコミュニケーションズの西川圭氏に、デザイン開発の経緯について聞いた。

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西川圭さんのインタビュー記事も面白かったです。
フォント・文字にこだわりつつ、「いかに商品そのものを届けるか」に価値を見出す商品デザイナーであるご様子。面白いなあ。

「一瞬で、どれだけ印象に残せるか――サントリー飲料のパッケージデザイン」

僕らは、自分たちのことを「パッケージデザイナー」とは呼ばないんです。商品デザインをやっているという意識。外側をつくるだけではなく、商品そのものをどうお客様に届けるかを含めてデザインしています。そういう意味では、届いたお客様の生活が豊かになる、というのが最終的な目的かもしれないですね。その飲料があることで、その人の生活がどう変わるか、どう豊かになるか、というところまで考えながらつくっています。街を歩いていて、すれ違った男性のリュックサックや女性のトートバッグにひょこっと商品が入っているのを見かけると、思わず心の中で手を合わせます。飲んでいただいている、ということがいちばんうれしい。それがFMCGならではの醍醐味かもしれません。

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こちらも面白かった。フォント愛を感じます。

【フォントを巡る冒険 第3回】水と人と生きる ~サントリーコミュニケーションズ・西川圭さん

『やさしい麦茶』のロゴも個人的に相当気に入っているんですけど、ニュートラルなのにバッチリ個性が有るんですよね。ウロコの部分はやわらかい感じとか、明朝系だけど神経質になりすぎないように横画を太めに、とか。平仮名と漢字のウエイト調整もしっかりして、全体的な一体感を出している。このロゴを一言で表現すると「愛嬌」。ただのお茶ではあるけれど、人間と同じで長い時間一緒にいるってなったら堅物よりも愛嬌有る方と一緒にいたいと思うじゃないですか。抽象的ではあるけど、文字を見てクスッとなるようなやわらかさは重要かな、と。

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表現そのものに喜びを見出すというよりは、人の幸せにどう寄与できるか。人との繋がり、関係性の中でどれだけ自分自身も楽しめるか。自分が「こんなものがあったら楽しいじゃん!」っていうもので、お客様にも喜んでもらえるのが一番嬉しいですね。

追記(2020.5.18)

サントリーの『伊右衛門』ラベルレス。
実際にコンビニの棚に並んでいると、他製品との差異がやっぱり強い。何も語らないことが誰よりも語っている状態。

色と形とラベルレスで「あ。『伊右衛門』だ」とぼくに想起させる。
理屈は分かるけど魔法かよ。

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「それこそがブランディングだ」と言われたら、「なるほど、そうですね」としか返事ができないけれど、同じことが自分にできるとはとても思えない。

などど思いつつ、結局買ってしまいました。買っちゃうよなあ…

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稲田英資について

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