見出し画像

他者の言葉をもって自分たちの価値を説明できるか。

Web制作において自分たちの仕事の価値を高めるには顧客に目を向け、耳を傾けることが大切だと思っています。価値は相手が決めるものだからです。

「工数が○○かかった/手間が大変だった」これらは基本的にバリューと関係ありません。そして、多くの人は顧客評価を納品後に聞こうとしないし、深堀りしません。それはとてももったいないことです。

Webサイト納品後に顧客の感想や評価を聞くと、思いもよらないことが返ってきます。自分たちがバリューだと思っていた所の評価はまあまあで、日常的にしていた業務が顧客の信頼を得ていた。というケースも珍しくありません。

また、バリューとは総合的なもので、強みひとつで成立するものでもないこともよくわかります。人はもっと複雑です。


お客様からの感想例

Webサイトを公開したら、できるだけお客様から「感想の声」を頂いています。最近では下記のような声をいただきました。

「打ち合わせの際に事前にアジェンダを作成いただいたこと(打ち合わせの目的が分かりやすい)、次回の宿題をまとめていただいたことで、安心・集中して打ち合わせに臨むことができました」

事前アジェンダがないMTGなんて絶対やりませんし、MTG後のタスクも明文化します。 ぼくが所属するJBNでは当然のことだし何の負担もありません。

でも、お客様が喜んでくれるということは「あまり徹底しない会社もある」「それを苦手とする会社もある」ということです。自社にとっては当たり前のことでも、顧客にとってはバリューになっていることは往々にしてあります。

Webサイト制作は基本的にオーダーメイドであるからこそ、『お客様の声』は自分たちでは気づいてないバリューを知る絶好の機会です。バリューは相手が決めるものなので。また、自分たちが目指すバリューの「現在地」を知る大切な機会でもあります。


顧客評価を聞くメリット

納品後に顧客評価を聞くこと。
このメリットは2つあります。

  • 「自分たちの価値を把握できていない」と何度も気づける

  • 「価値は相手が決める」と何度も再認識できる

これは業種業態に限らずどの企業も同じはずだとぼくは思っています。顧客と価値は変容し続けるものだからです。だから、聞き続けることが大切。


他者の言葉をもって自分たちの価値を説明できるか

つまるところ、「他者の言葉をもって自分たちの価値を説明できるか」ということが大切なんですよね。自社のバリューを考えるときに重要なリトマス紙になりえます。
根拠のない言葉をそれっぽく使わない。他者からの評価で自分たちを語る。それがとても大切だと思っています。


顧客から学んだ 「現場の言葉と借り物の言葉」

また、ぼく個人のルールとして、「借り物の言葉を使わない」「現場の言葉を使う」という2点を守るよう努めています。
ぼくはこれを顧客から学びました。

BtoB企業のZ社様では数年前からコンサルに入ってもらい、提案型営業へ転換しようとご苦労されたそうです。でも上手くいかない。営業の現場の方が動いてくれない。その課題に取り組んでいたZ社様の下記の言葉が印象的でした。

「コンサルからあれこれ勉強して、営業部の皆に色々働きかけましたが、結局ですね、現場で使っている言葉で説明できなかったら、誰の胸にも響かないんですね」

Webマーケ支援では担当者様の向こう側にいる別部署の方々にも動いてもらわなければいけません。つまり、別部署の人が聞いてわかる言葉や説明を担当者と一緒に開発する必要があります。 その場だけで通じる「分かったような言葉」では意味がありません。相手の行動変容を促すのが本来の目的なので。


「借り物の言葉」では人は動かない

「現場の言葉」の逆は「借り物の言葉」ですよね。学んだことを「現場の言葉」で説明できるようになって、やっと人は動いてくれるのだと思います。

それはWeb制作会社も同じです。顧客の担当者が「この会社とやりたい」と上司に説明する際に、上司に伝わる言葉で価値を説明して頂く必要があります。

そんなとき、社内や同業にしか通じない「我社のバリュー」は意味がありません。価値を決めるのは相手側ですが、少なくとも「伝わる言葉/現場の言葉」にすることは最低条件です。伝わった上での判断なので。 だから、「他者の言葉をもって自分たちの価値を説明できるか」が大切だと思っています。


関連note

学びとして大きかった上記Z社様の発言は以前noteにまとめていますので、よかったらご覧ください。

「現場の言葉」と「借り物の言葉」|稲田英資/Webマーケ支援


Web制作会社のクオリティはデザインや機能だけではない。顧客満足はさまざまな点に派生するということを書いたnoteです。

顧客満足度とWeb制作会社の「クオリティ」



* * * * * *


長野県BtoB企業の皆さまへ

ぼくが所属している株式会社JBNでは「BtoB企業への成果貢献」を目的とした戦略策定・Webサイト制作・Web運用支援・Webマーケティング支援を一気通貫で行なっています。

「営業活動にWebを活かしたい」「属人的営業から組織的営業に移行したい」とご検討のお客様はお気軽にお問い合わせください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?