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ダブルバインドは相手のルールに乗らないのが重要。

ティネクト代表取締役・安達裕哉さんの『「心理的安全性」という概念は、まだ、日本人には早すぎる。』という記事が興味深かったです。一部引用します。

私がまだ新人だったころ、「経営陣への提案制度」が設けられたことがあった。
経営者は「なんでも率直に提案してくれ」と説明していた。
「なんでも」というので、早速私は「干された人々」の処遇を改善してはどうかと、経営者に提案した。
すると、私の想像をはるかに超えて、彼は怒った。
「あなたは何もわかってない」から始まり、
「働かない奴らの処遇は、あれで当然」
「私が認めた人だけに仕事を渡す」と。
こうして私は1時間にわたり叱責された。
今思えば、経営者が「成果に貢献しない人々」を擁護した私に怒りを覚えたのは当然だったのかもしれない。
だが、当時の私にそれは知る由もなかった。
ただ「なんでも提案して」とは一体何だったのか、ひたすら疑問だった。


これを読んだベイジ代表・枌谷さんのツイート

「会社に対するみんなの率直な意見を聞きたい」といって全社員にアンケートを実施した後、「お前らは経営を何も分かってない」と社長が全社員に対して怒りをぶちまけた事例があったなぁ。

ありそうな話ですよね。それにしても理不尽。この会社の社員さんはもう二度と率直な意見を伝えることはない。それは当然の話です。


見極め/見切り/迂回の能力が必要

どんな場所であれ、「望まれる内容しか発言しないほうがマシ」な環境は確かにあるので

・見極め
・見切り
・迂回

この3つの能力は重要だと思っています。

言動に矛盾があるダブンバインドな人物の場合、相手が設定したルールに乗らないのが非常に重要。見極めて、迂回しましょう。危ない。


日常的にありふれたダブルバインド

ダブルバインドとは
ダブルバインドは私たちの日常生活の中にも多く潜んでいます。家族間や学校、会社の中でのコミュニケーションでよく発生するのがこのダブルバインドです。ダブルバインドとは「二重拘束」という意味を持ちます。二つの違う矛盾した意味のメッセージを相手に命令することで、相手を混乱させ強いストレスを与えるといったコミュニケーションのことを指します。

ダブルバインドとは

親子関係でのダブルバインド
「好きな学校を選びなさい」と言いながら、実際に選んできたら「偏差値が低すぎる」「こっちの方が部活が強いのよ」と言い、社会人になれば「いい人いないの」と言いながら、実際に連れてきたら「職業はどうなの」「年収はいくら」「お家柄は」と言い、『好きに決めていい』と言いながらも、結局は『親の期待に応えなさい』と言う矛盾したメッセージを送ってしまうこともあります。

ダブルバインドとは

学校でのダブルバインド
学校教育でも先生は生徒に「自由に表現しなさい」「自分の意見を言いなさい」と言う一方、実際は指導案から脱線したり時間がなくなると、先生が強引に授業をまとめにかかることもあります。「わからないことはなんでも聞きなさい」と言いながら、実際に勇気を出して聞きにいけば「こんなこともわからないのか。授業で何を聞いていたのか」と責められることもあります。

ダブルバインドとは

会社でのダブルバインド
上司から「なんでも聞きなさい」と言われたので実際に聞きに言ったら「こんなこともわからないのか。これくらい自分で考えなさい」と言われる。そう言われたから自分で考えて作業していて、上司に聞かずにいたら後になって「なんでもっと早く聞かないんだ」と言われる。仕事でミスをして怒られている時「なんとか言ったらどうなんだ!」と言われたので話をしたら「言い訳するな!」と言われるのは仕事でのダブルバインドの典型例です。パワーハラスメント、モラルハラスメントでもよく起こりがちです。

ダブルバインドとは


ダブルバインドは子育てでも、夫婦間でも、仕事関係でも日常的にありふれた人間関係なのにあまり指摘されていないイメージがあります。

ダブルバインドは誰でも陥る可能性がある状態なので(特に上下関係で)、知っていることで回避する安全弁にもなりうると思っています。少なくとも「自分は大丈夫だろうか?」の視点は持てる。気をつけたいと思っています。


相手が設定したルールに乗らないのが重要

「相手が設定したルールに乗らないのが非常に重要」と書きましたが、分かりやすく説明している記事がありました。引用します。

ベイトソンは臨済宗の公案の話をあげています。
禅の修行で、師が弟子の頭上に棒をかざし、厳しい口調で「この棒が現実にここにあると言うならこれでお前を打つ。この棒が実在しないと言うなら、お前をこれで打つ。何も言わなければ、これでお前を打つ。」といいました。
ここでは「棒があるかないか」の問いにこだわってしまうと、どちらにせよ打たれてしまいます。
そこで発想を変えて「棒を師から取り上げる」とベイトソンは言っています。師は棒を取り上げてはいけないとは言っていないのです。

ダブルバインドとは


分かりやすいですよね。
「棒があるか/ないかの返答でお前を打つ」は一方的に設定されたルールです。そのルールの中で苦しむのではなく(そもそも破綻したルールなので解決はない)、ルールの外に出ることがダブルバインドの場合は大切だとぼくは思っています。

  • 相手の一方的なルールに巻き込まれない

  • 全く違う視点から働きかける

  • 迂回する

ダブルバインドに直面したら、その発想がとても大切だと思います。そして、せめて自分はそういう人になりたくないと日々びくびくしながら過ごしています。仕事でも家庭でも子育てでも。絶対なりたくない。


不機嫌で人を支配しようとする人

しんざきさん『「不機嫌で人を支配しようとする人」の気持ちがわかった話』というブログがめちゃくちゃタメになりすぎる内容でした。
noteにまとめましたのでよかったらご覧ください。


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