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「言語化」と「うまく話す/上手に書く」は別のこと。

仕事では言語化が重要とよく言われます。
では、何のために?

いろいろな意見があると思いますが、ぼくは物事のセンターピンを発見し、抽出し、共有するためだと思っています。だから、言語化の主役は文章力じゃないんですよね。名文や美文でもカッコいいキャッチコピーでもない。

必要なのは観察と分解を経て再構成する「構成力」だと思っています。観察と分解が大事。

言語化がテーマになった時に「話すのが/書くのが苦手で…」とよく聞きますがちょっとピントがズレていると思います。野菜の育て方がテーマなのに、「レシピを書くのが苦手で…」と言っているような。それはもっとずっと後の話です。まずは観察して分解すること。

観察と分解

観察すれば何かしらの発見があります。その発見が言語化の芽です。この芽は何だろう?何が咲くんだろう?どんな品種なんだろう?とまた観察して、特徴を捉えて、共通項やプロセスを見出して、それぞれ整理していくのが分解です。

構成

分解したらいくつかの要素が手元に残ります。それらを他者に伝えられるように組み直すのが構成です。そして、構成力は観察と分解によって育まれます。中身のない美文やそれっぽいキャッチコピーを書けても仕事ではあまり意味がありません。それよりも発見したことをどんな順番で、どのように他者に伝えるが重要です。ネクストアクションを多人数で話し合うための目線合わせが重要なので。

言語化の役割と意味

再構成をすることで抽象化が進み、「何が軸なのか?何が重要なのか?要素は何と何と何なのか?」を多くの人と共有できるようになります。それが言語化の意味と役割です。

つまり、「観察 →分解 →再構成」のプロセスを追うことが言語化です。それらの過程をサボって苦手とか言わない。苦手といえるほどのことを多分していません。


「言語化」と「うまく話す/上手に書く」は別のこと

「言語化」と「うまく話す/上手に書く」は本来別のことです。素材と料理人の関係だと思います。そこをごっちゃにしているからややこしくなる。良い素材があれば美味しい料理が作れる。作るのはあなたじゃなくてもいい。でも、美味しい料理を作るためには良い素材が欠かせない。そうですよね?

仕事で言語化が必要と言われるのはその意味が大きい。あなたが良い料理人である必要はないが、良い素材は皆で持ち寄るべきだし、発見する目を持っていた方がいい。それは業種業態を問わない重要なスキルになるはずです。

その理解がもっと広がればいいなと思っています。


関連note

「言語化」はトーク力ではない。


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