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Web制作/Web活用支援のこと

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Web/Web活用支援について考えたこと、学んだことをストックしていきます。
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#Web活用支援

製造系BtoBにふさわしいWeb活用の型を見つけたい。

製造系BtoBのWebサイトで欲するのは「すぐ案件化しそうな具体的な相談」なのですが(よく勘違いされますが受注ではない。製造系BtoBの場合、Webから即受注なんてない。必要なのは商談につながる相談)、そういった相談の30%程は「新規ユーザーで直接流入」なんですよね。見積もりフォームとか試作フォームにダイレクトで入ってくる。検索からでもメールからでもなく。リファーラルでもない。URLでドンと入っている。ログを見てもそれ以前にWebサイトに訪れた形跡がない。(HubSpotはそ

だからコンテンツにしろ(特に製造系BtoB)

製造系BtoBのWeb活用支援をしていると「こんな超大手企業から問い合わせがくるの!」と思うことが年に数回ある。それこそ世界を代表する企業の開発担当者が自分で検索して、三日に一度くらいの頻度でWebサイトに訪れてあれこれコンテンツを見て(ログでわかる)、いろいろ悩んだり比較検討した上で一ヶ月後に満を持して「◯◯を◯◯する試作をお願いできますか」とWebから問い合わせくださることも珍しくない。 そんなの当たり前じゃんと言われそうですがいやいや。地方中小企業からしたらトヨタとか

仕事しようぜ。(見えないWebユーザーを意識するために大切なこと)

ある日、運営堂の森野さんから下記のメールが届きました。 こういう質実剛健なメールは好きです。(ぶん投げともいう) a2i代表・大内さんからのメールにはこんな風に書かれていました。 見えないユーザーをどうやって意識するか?いただいたテーマは企業のWeb活用において重要な視点です。端的に答えるならば、「見えないユーザーをどうやって意識しよう」と日々問い続けることだと思っています。それが立脚点であり具体的な対応策です。なんだそれ。トンチか。と言われそうですが。いやいや。本当に。

これからWeb活用を始める中小BtoB企業の心構え。

Web活用支援をしているA社様に送ったテキストです。書き終えて、『これからWeb活用を始める中小BtoB企業の心構え』がまとまっているかも…と思ったので共有します。 Webを活用する初年度のコツ営業活動の推進を目的としたWebを活用する際に初年度のコツがあるとしたら、「お客様へのメール配信を必要以上に恐れないこと」かなと思っています。メール配信はこちらから主体的に行えるものなのでどうしても慎重にななってしまいますが、ここは勇気を出して慣れていただき、一年後には毎週メール配信

マーケティングサイトという言葉を造語した当時の背景。

マーケティングサイトについてこんな言葉は本来存在しません。検索してもほぼ出てきません。4年前にぼくが作った造語なので。同時多発的に業界内で使われていても全然不思議ではありませんが。4年前に初めて使ったのがこちら。 そもそもおかしな言葉なんです。Webサイトの主たる目的のひとつがマーケティングなんだから。意味が重複しています。頭痛が痛いみたいなことです。 造語が必要だった背景じゃあ、何でそんな言葉を作ったのか。コーポレートサイトの対となる概念が必要で、苦肉の策として生まれた

ひとは興味がないものを理解しようとしない。

「話せばわかる」「ロジックが重要」とよく言われますがぼくはちょっと違うと思っています。その前に興味を持ってもらうことが大切なんですよね。ひとは興味がないことを理解しようとしない。たいていは「興味 → 理解」の順番なので。誰かに何かを理解してもらおうと思ったらまず興味を持ってもらうこと。 家族や上司部下などは「関係性」があるので労力が少し省かれます。耳は傾けてくれる。とはいえイントロ部分の省略なので、家族や部下といえども「興味をもってもらうように働きかけること」は大切になりま

製造系企業にお薦めしたい「我社のことを褒めてくださいインタビュー」

Webコンテンツの必要性は分かるのですがNDAで事例紹介も出せなくて…と下を向く製造系企業様は多い印象です。そんな企業様にお薦めしたいのが「我社のことを褒めてくださいインタビュー」です。今どこかしらの得意先が頭に浮かびましたか? そもそもこのテーマで取材をお願いできるお客様がいるのであれば絶対やるべきです。技術の詳細説明なんて無くても、「あなたの会社に頼んでよかった」という事実が詰まっているはずなので。それを読んだユーザーが相談してくれたときに技術説明をすればいいんです。

オーダーメイド系/リノベーション系/リプレイス系。製造系BtoBサイトのWeb制作における3つの区分。

HubSpotでのWeb活用を前提とした「製造系BtoBのWeb制作」では3つの区分があると思うようになりました。 オーダーメイド系 リノベーション系 リプレイス系 オーダーメイド系のWeb制作Web活用未着手の中小企業向け 課題や方針がまだ明確化しておらず、Web活用自体が未経験な中小企業に向いています。制作前の戦略策定に大きく時間を割き、「何のためのWebサイトなのか、事業のどこにどう貢献させるのか、勝ち筋となりうる商材や市場はどれか、必要な社内のリソースや知見

「習得のための体験型支援サービス」が必要な時代へ。

Web活用支援を数年やってみて学ぶことがとても多かったです。最近ではノウハウやナレッジしかないサービスはもはや難しく、習得するための体験プログラムを付与しないと今後はバリューに結びつかないのでは…と思うようになりました。「習得のための体験型支援サービス」と言えるかもしれません。企業に求められるリスキリングの文脈とも相性がいい。 ただ、そうなると支援側にはそのためのスキルやパーソナリティが必要です。トレーナー的な方法論とコミュニケーション能力と言ってもいい。これまでのWeb業

3年後のWebサイトリニューアルを前提とした提案をする。

その会社の規模や状況に適したWebサイトというものがあります。Webだけ独立して考えることはできません。Webはリアルの受け皿だからです。だから、最近はWebサイトの提案をする際に「3年後のリニューアル」も一緒に言及したりしています。同じ理由でデザインギャラリーを見ながら「どんなイメージですか?」とクライアントに尋ねるようなことはしません。デザインだけ理想に近づけてもリアルとかけ離れていたら意味がないからです。 Web活用についての知見や経験がお客様の社内にない場合、最初か

Web問い合わせの「質」をA社様はなぜ変えられたのか。

Webサイトリニューアル前は「製品の金額を教えて」「部品壊れたので見積もりください」といった連絡しか来なかった設備系製造業のA社様(しかも受注にならない)。リニューアルして4年経った今では「◯◯をしたいのですが御社の何を導入するのが最適でしょうか」「GX推進で工場の電化を計画しています。良いご提案はあるでしょうか」といった相談が毎日のように届くようになりました。しかも国内の大手企業から。 最大の成果は「相談相手」として見られるようになったこと 問い合わせの件数が20倍以上

「戯曲は人間が何かを始めるきっかけであり、またそういうものを全て戯曲である」と仕事を結びつけて考える。

製造系BtoB企業のW社様のWebサイトを絶賛設計中。いいところまで来ているし顧客も不満はないようだけど、芯となる核が不在な感じ。W社ならではの「選ばれる理由」がまだ言葉にできていない。何も言われてないけれどこのまま進めるのが気持ち悪い。同僚とあれこれ話して、これなんじゃないか?と思える切り口を見つけてワイヤーにして顧客に再提示してみると「これだ」と皆さんの顔が明らかに変わる。その後の話し合いがスルスル進む。そういうことならこういうのもあると関連する情報が色々出てくる。はっき

Webコンテンツにおいて「ネタがない」と言うのを禁止にしている理由。

Webコンテンツが書けないという方はたいてい「ネタがない」と言います。しかも、書かない人ほど言う。違うんですよね。ネタは毎日の仕事の中にすでにあります。顧客からの問い合わせメールや電話や同僚との会話の中に。ないのはそれを見つける目です。ぼくはネタという言葉が嫌いなので「切り口」と呼んでいます。同じ製品でも角度を変えれば切り口はいくつもあるはずです。 顧客の立場 既存客に説明する場合 新規客に説明する場合 検討中の見込み客に説明する場合 製品の機能 Aの機能にフュー

Webサイトの集客力。

地方中小企業で機器メーカーのA社様。企業サイトとは別にオウンドメディアを3年前に新設して、Web活用支援を伴走。1年前に企業サイトから製品サイトを独立させて制作。公開直後と比べるとセッションが14倍になっていました。 「14倍!スゲー!」と思いそうになるけど、月のセッションが数万ないとWebで戦えない。というか、営業の役に立つWebサイトとはなかなか言えません。 「Webサイトはアクセス数ではありません!キリッ!」みたいな考え方はぼくも否定しないけれど、それと同時に集客で