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Web制作/Web活用支援のこと

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Web/Web活用支援について考えたこと、学んだことをストックしていきます。
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#Web活用支援

ひとは興味がないものを理解しようとしない。

「話せばわかる」「ロジックが重要」とよく言われますがぼくはちょっと違うと思っています。その前に興味を持ってもらうことが大切なんですよね。ひとは興味がないことを理解しようとしない。たいていは「興味 → 理解」の順番なので。誰かに何かを理解してもらおうと思ったらまず興味を持ってもらうこと。 家族や上司部下などは「関係性」があるので労力が少し省かれます。耳は傾けてくれる。とはいえイントロ部分の省略なので、家族や部下といえども「興味をもってもらうように働きかけること」は大切になりま

製造系企業にお薦めしたい「我社のことを褒めてくださいインタビュー」

Webコンテンツの必要性は分かるのですがNDAで事例紹介も出せなくて…と下を向く製造系企業様は多い印象です。そんな企業様にお薦めしたいのが「我社のことを褒めてくださいインタビュー」です。今どこかしらの得意先が頭に浮かびましたか? そもそもこのテーマで取材をお願いできるお客様がいるのであれば絶対やるべきです。技術の詳細説明なんて無くても、「あなたの会社に頼んでよかった」という事実が詰まっているはずなので。それを読んだユーザーが相談してくれたときに技術説明をすればいいんです。

オーダーメイド系/リノベーション系/リプレイス系。製造系BtoBサイトのWeb制作における3つの区分。

HubSpotでのWeb活用を前提とした「製造系BtoBのWeb制作」では3つの区分があると思うようになりました。 オーダーメイド系 リノベーション系 リプレイス系 オーダーメイド系のWeb制作Web活用未着手の中小企業向け 課題や方針がまだ明確化しておらず、Web活用自体が未経験な中小企業に向いています。制作前の戦略策定に大きく時間を割き、「何のためのWebサイトなのか、事業のどこにどう貢献させるのか、勝ち筋となりうる商材や市場はどれか、必要な社内のリソースや知見

「習得のための体験型支援サービス」が必要な時代へ。

Web活用支援を数年やってみて学ぶことがとても多かったです。最近ではノウハウやナレッジしかないサービスはもはや難しく、習得するための体験プログラムを付与しないと今後はバリューに結びつかないのでは…と思うようになりました。「習得のための体験型支援サービス」と言えるかもしれません。企業に求められるリスキリングの文脈とも相性がいい。 ただ、そうなると支援側にはそのためのスキルやパーソナリティが必要です。トレーナー的な方法論とコミュニケーション能力と言ってもいい。これまでのWeb業

3年後のWebサイトリニューアルを前提とした提案をする。

その会社の規模や状況に適したWebサイトというものがあります。Webだけ独立して考えることはできません。Webはリアルの受け皿だからです。だから、最近はWebサイトの提案をする際に「3年後のリニューアル」も一緒に言及したりしています。同じ理由でデザインギャラリーを見ながら「どんなイメージですか?」とクライアントに尋ねるようなことはしません。デザインだけ理想に近づけてもリアルとかけ離れていたら意味がないからです。 Web活用についての知見や経験がお客様の社内にない場合、最初か

Web問い合わせの「質」をA社様はなぜ変えられたのか。

Webサイトリニューアル前は「製品の金額を教えて」「部品壊れたので見積もりください」といった連絡しか来なかった設備系製造業のA社様(しかも受注にならない)。リニューアルして4年経った今では「◯◯をしたいのですが御社の何を導入するのが最適でしょうか」「GX推進で工場の電化を計画しています。良いご提案はあるでしょうか」といった相談が毎日のように届くようになりました。しかも国内の大手企業から。 最大の成果は「相談相手」として見られるようになったこと 問い合わせの件数が20倍以上

「戯曲は人間が何かを始めるきっかけであり、またそういうものを全て戯曲である」と仕事を結びつけて考える。

製造系BtoB企業のW社様のWebサイトを絶賛設計中。いいところまで来ているし顧客も不満はないようだけど、芯となる核が不在な感じ。W社ならではの「選ばれる理由」がまだ言葉にできていない。何も言われてないけれどこのまま進めるのが気持ち悪い。同僚とあれこれ話して、これなんじゃないか?と思える切り口を見つけてワイヤーにして顧客に再提示してみると「これだ」と皆さんの顔が明らかに変わる。その後の話し合いがスルスル進む。そういうことならこういうのもあると関連する情報が色々出てくる。はっき

Webコンテンツにおいて「ネタがない」と言うのを禁止にしている理由。

Webコンテンツが書けないという方はたいてい「ネタがない」と言います。しかも、書かない人ほど言う。違うんですよね。ネタは毎日の仕事の中にすでにあります。顧客からの問い合わせメールや電話や同僚との会話の中に。ないのはそれを見つける目です。ぼくはネタという言葉が嫌いなので「切り口」と呼んでいます。同じ製品でも角度を変えれば切り口はいくつもあるはずです。 顧客の立場 既存客に説明する場合 新規客に説明する場合 検討中の見込み客に説明する場合 製品の機能 Aの機能にフュー

Webサイトの集客力。

地方中小企業で機器メーカーのA社様。企業サイトとは別にオウンドメディアを3年前に新設して、Web活用支援を伴走。1年前に企業サイトから製品サイトを独立させて制作。公開直後と比べるとセッションが14倍になっていました。 「14倍!スゲー!」と思いそうになるけど、月のセッションが数万ないとWebで戦えない。というか、営業の役に立つWebサイトとはなかなか言えません。 「Webサイトはアクセス数ではありません!キリッ!」みたいな考え方はぼくも否定しないけれど、それと同時に集客で

自社を想起してくれるユーザーを増やす。

BtoBサイトの活用をしているとある時点からダイレクト流入が増えることがありますよね。グラフ画像で見るとブルーの領域です。 1年前と比べると5倍に増えている。ダイレクト流入が増えると、それと比例するように新規リードや問い合わせが増える。まったくの新規企業ということはほぼなくて、すでに数人はリード化している企業であることがほとんどです。 交わされているであろう会話(妄想) つまり、ユーザー企業の中で下記のような会話が交わされていると思われる。妄想ですが。 「◯◯について

「コンテンツディレクター」という職務を一般的にしていきたい。

製造業様のWebサイトを絶賛制作中。事業部ごとのトピッククラスターとピラーコンテンツを設計しています。 未知の業界のことなので知らない専門用語だらけだし、4部門ごとに進めるので頭がパンパンに。最低でも1部門50記事はサイト公開までに書いてもらうつもりなので、4部門で合計200記事になります。それらを全部設計して、顧客と協議して、内容を詰めて、書いてもらって、書いてくれないからお尻を叩いて、褒めて、育てて、ブラッシュアップして、校正して、手直してして、Webページにしていく。

Webサイトは「カオス → 整然」のルートを通って作られる。

仕事の肝のひとつは「複雑/カオスな状態をシンプル/整然とした状態にトランスフォームすること」だと思っています。バリューの源泉ともいえる。仕事は準備が八割とよく言われますが、その大半が整理整頓なのかもしれません。複雑な状態を複雑なままにパスするのは仕事じゃないし価値を生んでいない。 Webディレクターは「複雑/カオスな状態をシンプル/整然とした状態にトランスフォームすること」にとても近い職務だと思います。企業の各Webサイトを作るには「カオス → 整然」のルートを通らざるを得

「Webサイトのリノベーション」という考え方。

住宅にリノベーションがあるようにWebサイトにもリノベーションがあっていいと思うんですよね。全部を壊して新築するだけが能じゃないし、顧客企業のニーズも「新しいWebサイトがほしい!」という訳ではない。 営業に役立つ問い合わせを増やしたいとか、顧客管理のデジタル化を進めたいとか、建て増しを続けて迷宮のようになってしまった管理ツールを一本化したいといった様々な顧客のペインに寄り添うことが大切で。結果的にWebサイトリニューアルになったとしても、「今回の主題はリノベーションである

顧客の成功が自社の成功につながる「インバウンドマーケティング」とは。

Web活用支援をしている技術系BtoBのA社様。定例MTGで下記のような情報共有をいただきました。 素晴らしい事例だと思います。優れた顧客体験の醸成に繋がっているし、HubSpotが提唱するインバウンドマーケティングの体現だと思うと顧客の担当様を賞賛しました。 「インバウンドマーケティングって何でしたっけ」と質問いただいたので、「ユーザーの課題解決を軸として、コンテンツや様々なチャネルを起点に “惹きつけて/信頼関係を築いて/満足いただく” という循環を生み出す取り組みで