
うつで不眠の人が「よく眠れられる色」の話
うつになると眠れなくなります。
加えて、この時期は引越しや環境の変化、朝晩の寒暖差により睡眠の質が低下しやすいといわれてます。
今回は、実際にうつで不眠に悩んだボクが、「よく眠られる色」をご紹介します。
2017年に名古屋で行われた日本精神神経学会学術総会で国立精神・神経医療センター三島和夫先生の「向精神薬による不眠治療にエビデンスはあるのか?ー現状と課題ー」という発表があります。
そこで三島先生は、うつや双極性障害も含めて気分障害といわれるものは、「概日リズム障害」を放置し続けたという研究でした。
概日リズム障害とは
概日(がいじつ)リズム障害とは、一言でいえば、生体時計がおかしくなっている状態のこと。
たとえば、海外旅行いって時差ボケになるのも、概日リズム障害のひとつです。
要は、概日リズムがおかしくなり、そのまま放置された結果、気分障害がひきおこされていた、ってことです。
概日リズム障害の自覚症状
概日リズム障害になると、次のような自覚症状があります。
入眠障害、夜間中途覚醒、早期覚醒…。
三島先生によると、この段階で受診してきた患者さんに、睡眠薬を投与するのが、そもそもの間違い、といわれてます。
それよりも、概日リズムを整えることが先決なんです。
とはいえ、ボクは睡眠薬に助けられた身なので、薬を否定するつもりはありません。
あくまでも、こういう見方もある、ということです。
不眠症にならないためにすること
大前提は、規則正しい生活習慣を整えることです。
とはいえ、心配な人は「寝室環境」に注目してみましょう。
WHO(世界保健機構)は、2018年に「住宅と健康」に関する新しいガイドラインを発表しました。
それには、「室温18度以上」を強く勧告しています。
室温が12度を下回ると、体へのマイナス影響がでることが国内外の多くの研究により報告されています。
とはいえ、寝室に暖房がない人はどうすればいいか?
よく眠られる色をフル活用
驚くことに、色も睡眠に影響を与えるそうです。
イギリスで2000世帯の「寝室の装飾色と睡眠時間」を調べた大規模研究があります。
その報告によると、最も睡眠時間が長かった部屋の色は青色、次に黄色(クリームイエロー)、そして緑色へと続きます。
いっぽう睡眠に適さないと思われる色は紫色、茶色、灰色でした。
最も睡眠時間の長い青色の部屋と、最も睡眠時間が短い紫の部屋とでは、約2時間も差があったといわれてます。
とはいえ、部屋の色を変えられない人は、小物を活用してみるのもアリです。
ボクは、カーテンを青色に変えました。
ほかにも、ベッドサイドに緑色のポスターを貼ったり、パジャマを水色にしました。
色彩専門家の声
色彩専門家の南涼子氏はいう。
色は大脳で認識され、感情の中枢である『扁桃体』や、ホルモンの分泌を促す『視床下部』、記憶を司る『海馬』を刺激します。ですから、色は情緒を安定させたり、心身に大きく作用する。
このように、色は脳と関係があり、心身に大きく作用する、といえます。
うつで不眠を感じる人は、まずは概日リズムを整えよう。
それでも心配な人は、寝室の温度を調整したり、「眠られる色」をとりいれるとよいでしょう。
とはいえ、うつ病を治したくても治せない人は、よかったら、こちらの記事を参考にしてみてくださいね。
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いなだ
参考:『復職後再発率ゼロの心療内科の先生に「薬に頼らず、うつを治す方法」を聞いてみました』(亀廣聡、夏川立也著、日本実業出版社)PRESIDENTOnline『あなたvs不眠「大規模研究で判明した"よく眠れる色"』(2020.4.17)
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