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ワーママに必要なのは合理的配慮

先日、ワーママの辛さの原因は仕事も育児もサポート業務になってしまい、自分で人生のコントロールが取りにくくなるからではないか、という話を書きました。

もう一つ、ワーママが陥りやすい状況について"合理的配慮"という言葉を使って考えてみました。

〇〇だから△△は無理だろう

"合理的配慮"という言葉を聞いたことがありますか?

合理的配慮(ごうりてきはいりょ)とは、障害者から何らかの助けを求める意思の表明があった場合、過度な負担になり過ぎない範囲で、社会的障壁を取り除くために必要な便宜のことである。


実はこれ、世界的にも周知されている障害者雇用における考え方らしく、日本でも内閣府が周知を進めています。

私は全く知らない言葉だったのですが、「善意の配慮」という単語をググったところ"合理的配慮"という言葉に出会いました。

そもそも何故、「善意の配慮」なんていう単語をググろうと思ったのか?

それは当時私が、"マミートラック"に悩んでいたからです。

職場で時短勤務を取得している正規職員は私が初めてだったので、時短勤務用の仕事はありませんでした。(時短勤務用の仕事って何?って感じですが。)

そのため、残業がなく短時間で終われるような仕事を部署の中に作る必要があったのです。

結果、私は産前に担当していた企画の仕事から外れ社内外のマーケティングに関する業務を担当することになりました。

この業務が"マミートラック"かどうかは人によると思います。
ただ、今までの業務内容からすると締め切りがゆるく、やってもやらなくても誰も困らない仕事という気がしました。
わざわざ残業できない私のためにそういう仕事を作ってもらったのだから、文句を言うのは間違っているのかもしれません。
しかし、私はどんどん同じ部署の人と話しをする機会が減り、一人で陸の孤島にいるような気分で仕事をすることが増えました。

復職前にしていた仕事のことで何人もの人に声をかけてもらうことはありましたが、今している仕事については何も聞かれません。
誰もやっていない仕事だから、自分で考えて進めなければ…。
でもやってもやらなくても誰も気づいていない。
きっとみんな私が仕事してないと思ってる。
みんなは残業しているのに、私は残業できない。
必要ないのにここにいさせてもらっているんだ。

今考えると完全に被害妄想が入っています。
でも、当時の私には早く何か結果を出さないと、ここにいられなくなるという謎の危機感がありました。

極めつけが隣にいる50代男性からの「時短で帰れていいね。俺も早く帰りたい。」という言葉でした。(この人が後にマネージャーになります。)

『ワーママだから責任ある仕事は無理だろう。』
『時短だから考えるボリュームの多い仕事は無理だろう。』

その状況が、障害のある人の置かれている
『障害があるから責任のある仕事は無理だろう。』という状況と重なって感じられたのです。

本当はみんな合理的配慮が必要なんじゃないの?

先日、noteでこの記事を読んだ時に、うんうんと深く頷いてしまいました。

そう。
私も知らない間に弱者になっていたのです。

子育てをしながら働く、お迎えがあるから残業できない。
そうなると、守ってもらって、配慮してもらわないと働けない属性になっていたのです。

前回の記事で書いたように、そこにはコントロール権がありません。
弱者は守ってもらえる代わりに、自分では何も決められないのです。

では、強者(健常者とか、日本でいうと残業できる成人になるのかな?)は自分で決められているのかというと、どうもそうじゃないんじゃないかと思い始めました。

上司の、「時短で帰れていいね。俺も早く帰りたい。」という言葉はおそらく嫌味ではなく、本心なのだと思います。

老犬の介護が大変という方にも同じように、時短勤務できていいねと言われました。
(私の退職を引き止めてくれた先輩の女性職員にも、私も時短で帰りたいって言われたな。)

『週5日、1日8時間働きます。』

そういう契約で働くことにすると、日本ではなぜか
残業がもれなくついてきます。

残業できないと戦力カウントされない。

私の職場がそうだっただけかもしれませんが、ホワイト企業が取り上げられて紹介される現状からも、「残業一切ないですよ。」なんて職場は、まだ少数派なんじゃないでしょうか?

育児だけじゃなく、犬の介護とか親の介護とか、いろんな事情で早く帰りたい人がいる。
特に事情がなくても、早く帰って本が読みたいとか習い事に行きたいとか、そもそもそんなに働きたくないという人もいるはずです。

弱者にならないと早く帰れない。
だけど、弱者になるとコントロール権がない。

本当はもっと一人一人が、自分の人生をカスタマイズできるようになった方が生きやすいんじゃないでしょうか?

合理的配慮はワーママだけじゃなく、もっとたくさんの人に必要な考え方なんじゃないのかな?

私はそんな風に思ったのです。


ありがとうございます!!!ワーママが少しでも生きやすくなるような発信やら活動に使わせていただきます!