第6話 星がきれいだから…?!
さて始まったマレーシア旅行第2弾。この旅の目的は、ペペとどうなりたいのかを考えることである。だからなるべくたくさん会って、答えを出す必要がある。夏子もショーンに対してそんな感じだ。
ということでこの旅行中は、ペペ達と過ごすことに重きを置いた。といっても、いきなり来たもんだからペペ達は休みをとっていない。だから仕事が始まる前や、仕事の後会うのがメインであった。歓迎会を開いてもらった次の日も、彼らの仕事終わりに会うことになった。
待ち合わせ場所はビーチ。なんと南国チックな待ち合わせ場所だろう。彼らを待っている間、潮風に吹かれながら夜空を見上げて、波の音を堪能したりした。その一方で、マレーシア人の血に飽きた蚊が私たちをめがけて集中攻撃してきて、あっぷあっぷ格闘したりもしていた。そんな事をしていると、彼らがやってきた。
「今日は星がきれいだから泳ぐ!」
ペペは会話もそこそこにいきなりそう宣言して、服を脱ぎだした。
どういうことだ?と夏子と戸惑っていると、ショーンもペペに誘われ服を脱ぎ出した。
どんだけ自由なんだ、この人たち!
しかも、下に水着を着てるのかと思いきや、パンツ一丁である。しかも2人ともブリーフ。ほうほう、ミャンマー人はブリーフが主流なのか。なんて思ったりして…
ビーチにダイブした2人は、気持ちよさそうに泳いでいる。そして、ひっきりなしに私たちも泳ごうよ!と誘ってくるのだ。
私たちは断りつつ…誘われるたびに星がきれいだから泳ぐってすごい綺麗な考え方だなと考えていたりした。そして、何がどうなったかわからないけど…多分マレーシアの暑さやその場のノリに流されて…
私たちも服のままダイブしたのだ!
でも持っていたものや携帯はちゃんと目印をつけてわかるように置いたりしてるから、本能のままの行動ではなく意外と冷静だったと思う。ここら辺が日本人だなぁ。
そして4人で夜の海を堪能した。
ペペは私を深いところまで連れていったりふざけたと思いきや、私が怖がるとちゃんと支えてくれ、夜の海に浮かせてくれた。きれいな星を見ながら海に浮かぶのは、かなり気持ちがいい。まるで、宇宙に浮いてる気分になるのだ。
そんな私の横で、ペペは潜ったと思ったら、ほら!きれいな貝!と貝をくれたりした。では私もお返しに…と形が可愛い貝を渡すと、「きれいじゃない!」と捨てられたりもした(笑)どうやら、ペペの言うきれいな貝=食べられる貝ということらしい。とんだ考えの持ち主だ。そういうところもまた私のツボにはまって、大笑いした。ペペはなぜ私が笑っているのか不思議だっただろうな。
そんなこんなで、また夜遅くなってしまった。そろそろ帰る時間だ。
ホテルまで彼らが送ってくれることになった。ホテルまでの道のりで、自然と私とペペ、夏子とショーンの組み合わせになった。
夏子たちは、かなりいい感じに見える。
するとペペが、
「夏子とショーンはいい感じだね。でも僕たちは友達だよね。」
と言った。
………
えええええ?
さっきあんなにいい感じだと思ったけど、ペペにとってはそうでもなかったのか?まあ、別に付き合ってるわけではないから、友達と言えば友達かもしれないが…
そんなことを思っていたら、ホテルの前に到着だ。私たちは次の日も会う約束をし、さよならすることにした。
そして帰り際、ペペはまたしても私のおでこにチュッとかまして去っていった。
「やったなこの野郎!」
「えへへっ」
と、こんな会話をしたかどうかは知らないが、そんなアテレコが似合う行動をとりながら彼らは走り去った。うん、まだこれから何かが起こりそうだ…そんな予感がした。
そしてホテルに入ると、ずぶ濡れの日本人を見たホテルのスタッフが、冷ややかな目で私たちを見たのは仕方がない。
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