「誰にも頼れないお母さん」だった私が、潰れてしまったあの日に学んだこと。
3歳の娘の髪はボサボサ、10ヶ月の息子のオムツはパンパン。ふと外を見ると、雪が降り積もり、木々が白銀に覆われている。
その光景は美しいはずなのに、なのに…。私にはただ眩しく、そして重く感じられた。
その当時、わたしは転勤族の夫に帯同しながら生活していた。病気がちで38キロしかなかった上、知らない土地での子育ては常に不安と隣り合わせ。
毎日、孤独感と重圧感が、私の心に暗い影を落としていた。
正直、わたしは、知らない土地での子育てを、舐めていた。どうにかこうにか綱渡りのように日々を歩んでいたけれど、ついに限界が来る。
あの日。
私は壊れた。
今日は、忘れもしない「あの日」の記憶について、書いていきたいと思う。
*
朝。目覚めるとすでに夫は出勤していて、いなかった。
体が熱い。熱過ぎる。
だめだ。起き上がれない。子どもの世話どころじゃない。
子供たちが先週発熱していたっけ…と遠い目で記憶を辿る。
隣を見ると、子どもたちはまだスヤスヤ寝ている。
とりあえず、娘のためにチョコパンを用意し、息子のオムツを取り換えた。
それだけのことなのに…それだけするのがやっとだった。
お昼過ぎに目を覚ますと、二人は起きてリビングにいた。
チョコパンを食べながら、ジュースを飲んでいる娘。
息子はチョコパンのカスを拾って食べている。
慌てて、息子にミルクを飲ませた。
3歳の娘にお願いすることじゃない。
そんなことはわかってる。
わかってるけど….。
どうすることもできなくて
「もうちょっとだけ……」と呟きながら、布団に入った。
辛い。
辛い。
辛い….。
どれくらい時間が経っただろうか…。
突然、娘が「ばぁば~!」と叫んだ。満面の笑みだった。
母は、娘と息子を抱き上げて泣いていた。どうやら電話に全く出ない私を不審に思い、3時間かけて来てくれたようだった。
泣き叫ぶように、母が言う。
わかってるよ…でも、電話できる状態なんかじゃ、なかったんだよ。。
頑張ったんだよ。私だって。
「ごめん……」
わたしはそう呟くことしかできなかった。
その時。
娘の言葉を聞いて、いろんな想いが、とめどなく溢れ出した。
わたしは、一人で抱え込んでしまっていたんだ。
抱え込みすぎていたんだ。
そもそも、保育園に預けることだってできたのに、誰かに頼るのが嫌で断っていた。
今ならわかる。
助けを求めることは決して弱さではない。むしろ、強さだと。
あの日があったから、今の私がいる。
忘れられない、忘れたくない、大切な思い出。
育児を頑張りすぎているお母さんたちに、届けたい。
あなたの代わりのお母さんはいないんだから。
無理しなくていい。頑張らなくていい。頼っていい。
助けてくれた人には、後でしっかりとありがとうを届けたらいい。
大丈夫。あなたは一人じゃないからね。
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