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「誰にも頼れないお母さん」だった私が、潰れてしまったあの日に学んだこと。

3歳の娘の髪はボサボサ、10ヶ月の息子のオムツはパンパン。ふと外を見ると、雪が降り積もり、木々が白銀に覆われている。

その光景は美しいはずなのに、なのに…。私にはただ眩しく、そして重く感じられた。

その当時、わたしは転勤族の夫に帯同しながら生活していた。病気がちで38キロしかなかった上、知らない土地での子育ては常に不安と隣り合わせ。

毎日、孤独感と重圧感が、私の心に暗い影を落としていた。
正直、わたしは、知らない土地での子育てを、舐めていた。どうにかこうにか綱渡りのように日々を歩んでいたけれど、ついに限界が来る。

あの日。

私は壊れた。

今日は、忘れもしない「あの日」の記憶について、書いていきたいと思う。


朝。目覚めるとすでに夫は出勤していて、いなかった。
体が熱い。熱過ぎる。

だめだ。起き上がれない。子どもの世話どころじゃない。
子供たちが先週発熱していたっけ…と遠い目で記憶を辿る。

隣を見ると、子どもたちはまだスヤスヤ寝ている。
とりあえず、娘のためにチョコパンを用意し、息子のオムツを取り換えた。

それだけのことなのに…それだけするのがやっとだった。

お昼過ぎに目を覚ますと、二人は起きてリビングにいた。
チョコパンを食べながら、ジュースを飲んでいる娘。

息子はチョコパンのカスを拾って食べている。
慌てて、息子にミルクを飲ませた。

「ママ、おねつがあるの。もう少し寝てていい?チーくんのことみてくれる?」

「ママ、だいじょうぶ?
わたち、みてるから、おねんねしてていいよ」

3歳の娘にお願いすることじゃない。

そんなことはわかってる。
わかってるけど….。

どうすることもできなくて
「もうちょっとだけ……」と呟きながら、布団に入った。

辛い。
辛い。
辛い….。

どれくらい時間が経っただろうか…。

突然、娘が「ばぁば~!」と叫んだ。満面の笑みだった。

母は、娘と息子を抱き上げて泣いていた。どうやら電話に全く出ない私を不審に思い、3時間かけて来てくれたようだった。

「こんなことになる前に連絡してよ!子どもたちが可哀想だから!」

泣き叫ぶように、母が言う。

わかってるよ…でも、電話できる状態なんかじゃ、なかったんだよ。。
頑張ったんだよ。私だって。

「ごめん……」

わたしはそう呟くことしかできなかった。

その時。

「あのね、ママはおねつがあるの。だからさー、わたちがチーくんをみてたの」

娘の言葉を聞いて、いろんな想いが、とめどなく溢れ出した。


わたしは、一人で抱え込んでしまっていたんだ。
抱え込みすぎていたんだ。

そもそも、保育園に預けることだってできたのに、誰かに頼るのが嫌で断っていた。


今ならわかる。

助けを求めることは決して弱さではない。むしろ、強さだと。


あの日があったから、今の私がいる。

忘れられない、忘れたくない、大切な思い出。



育児を頑張りすぎているお母さんたちに、届けたい。


あなたの代わりのお母さんはいないんだから。

無理しなくていい。頑張らなくていい。頼っていい。

助けてくれた人には、後でしっかりとありがとうを届けたらいい。

大丈夫。あなたは一人じゃないからね。


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