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"When heroes fly"を見て思い出した祖父母の言葉。

ここのところ、ずっと、NetflixかYouTubeを見ている。

YouTubeではお決まりの犬猫動画、あと最近ハマっているイスラエル料理の紹介(フードツアーや、how to cook系)の動画。

Netflixではもっぱらイスラエルドラマ。(笑)
シュティセル家の人々(これは2回通して見た)から始まり、アンオーソドックス(でもこれはNYの超正統派コミュニティから旅立つ女の子の話だけど、シラ・ハースさん繋がりで見た)、そしてつい先程見終わったのが、

【WHEN HEROES FLY】というドラマ。


いやー、、情けないことに全くの勉強不足で。見終わったさっき、調べました。


まずストーリーのベースにあるのが、2006年にあったイスラエル軍によるレバノン侵攻と呼ばれてる戦争。(ということをさっき調べて知りました。)

ドラマでは、これに従事したイスラエル軍に所属していた親友同士4人(アビブ、ドゥビ、ヒンメル、ベンダ)が主人公なのかなと思った。
元兵士という肩書を4人とも持っていて、これがその後のストーリーにも絡んでくる。

もっと言うと、たぶんアビブっていう男性が主人公とも言える・・・でも、4人が4人とも内に秘めた想いを親友であっても隠していたり、お互いに責め合ったり、そのレバノン侵攻後は複雑な関係になってしまっている状態で、4人の心の葛藤みたいなものが万遍なく描かれていて、だから4人とも主人公と言いたくなる。

アビブ含む4人は、もともと仲の良い親友同士、さらに言うとアズーレという4人との信頼関係が強い上官?の部下たち、みたいな感じ。

その戦争中、アズーレが爆撃で負傷、大きな鉄?石?の下敷きになって、それを見たアビブは必死に助けようとする。でもアズーレはアビブに退避を命令、アビブは拒否するもアズーレはアビブの目を見て「経路はわかるな?皆を帰還させろ」と再度伝え、アビブは悩んだ末、皆に退避するよう促し、負傷した兵も含めその場を後にする。(アズーレは亡くなります。)

その出来事が、4人の関係を複雑にしたんですよね、簡潔に言うと。
ヒンメルは「俺なら退避しなかった、アズーレの傍らにいた」みたいな感じで、面と向かってアビブを責めた。
ドゥビはたぶん内心ではアビブを責める気持ちを持ってはいたけど、面と向かって責めることはしなかった。
ベンダはたぶん、アビブの気持ちもわかる、あの時退避しなければ皆死んでいた、みたいな気持ちを持ってる。
アビブは表面上、「あれは仕方なかった」と振る舞ってはいるものの、アズーレとは最後に話してるし、たぶん誰よりも一番、自分を責めてた。

↑これは予想ね。(笑)


そう、それで何で複雑な関係になった4人がまた集まったのか。というと、1人の女性の死について疑念が出てきたから。

その女性(ヤエリ)は、アビブとヒンメルのモトカノであり、ドゥビの妹。

車の事故に巻き込まれて死んだはずのヤエリが実は生きているのではないか、という疑念。

戦争後、いろいろあってコロンビアに移住しレストランをやっていたベンダが、現地紙でヤエリが写り込んでいる記事を目にしたことから、また4人が集まってヤエリを探すことになるんだけど、、、

YouTubeにオフィシャルトレーラーがあった。↓
https://youtu.be/AIRVzLypxDw


ドラマのストーリーはこういう感じなのだけど。
4人とも、何だろう、、PTSD?を抱えてる。自身が参加した戦争によって。


それで、さっき見終わったところで、私の祖父母の言葉を思い出した。

私の祖父母はすでにふたりとも亡くなってるんだけど、大正生まれで、ふたりとも戦争を経験した。
祖父は満州国に行ってた。隊列を組んで歩いて移動していたら、祖父の後ろに歩いてた人がいきなり倒れて亡くなったらしい。撃たれたのか何なのかはよくわからないけど。(祖母から聞いた。祖母は「じいちゃんは運がよかったみたいね」って言ってた。)

それで、よくあるかと思うんだけど、小学生の頃、戦争について学ぶ授業があって、「おうちにおじいちゃんおばあちゃんがいらっしゃったら、戦争体験を聞きましょう。」みたいな宿題がでたの。

私はもちろん、戦争について知りたい(勉強しなきゃな)という気持ちもあったし、それが宿題であったから『やらなきゃならない』って気持ちだけで、祖父母に色々聞いた。

でも私の祖父母は、孫の宿題なら仕方ないか、という感じでぽつぽつとは話してくれたけれど、積極的には話してくれなかった。

いよいよ学校でその宿題についての授業があったとき、一部の友達の祖父母たちは事細かに戦争のときに何があって、どうしたのか、語ってくれたようで、なんだか自分の祖父母の回答が恥ずかしかった。

当時、『なんでこんなに頼んでるのに全然教えてくれないんだろう?』って思って、もう一度祖父母に聞こうって思った。
私の聞き方が良くなかったのかな、とも思ったから、私は戦争を知らないし平和ボケしてしまってる、たしかこんなようなことを言って、再度祖父母に戦争の話を聞こうとした。そしたら、私の祖父母はこう言ったの。


『あんなひどいことは頼まれても二度としたくない。思い出すのもイヤだ。戦争なんて知らなくていい。(孫には)戦争のことなんて知らずに生きてほしい。平和ボケすぎるくらい平和な今がずっと続けばいい。この先も戦争なんて知らなくていい。』


これを聞いてなんかハッとしたんだよね。
私は戦争体験を聞くことによって彼らの話を後世にも伝えていくことが正義、みたいに勝手に思ってたけど、話したくない人(祖父母)に無理矢理話を聞こうとして、逆に彼らを傷つけてるんじゃないか…、そう思った。

今思えば、話したくない人は話さなくていいし、話したい人は話せばいい、それに私の祖父母の考えは『今の幸せな時代の人たちに、わざわざ昔の辛かった出来事を話すより、今の幸せを生きましょうよ』って事だったのかな、と。
戦争を後世に伝えたい、遺したい、これも間違ってないし、うちの祖父母のように『知らなくていい』って思うのだって間違ってない。

むしろ、私が無理にじいちゃんばあちゃんに聞こうとしてた行為って、ひどいなって思った。

彼らが納得した上で、話すならまだしも、傷口えぐってたんだもん。

それでも、すごい優しくしてくれた。
今でも思い出すのは、クリスマスに自分でケーキ作ろうと思って、作ったけど、スポンジはカッチカチ、クリームはドロドロ、食べ物じゃないようなものが出来上がってしまって(笑)、両親やキョーダイからは馬鹿にされ(笑われ)、でも祖父母は「どれどれ、、」って食べてくれて、「初めてだからこんなものだよ、みんな初めてのときはうまくいかないもんだ」って一切れ全部時間かけて食べてくれた。
他にも祖父母とのエピソードなら山ほど覚えてる。(両親共働きだったし余計かな?笑)

くぅ・・・おじいちゃん子、おばあちゃん子だったから、二人を思い出すだけで会いたくなって泣けてくる。会いたいなー、、死んだら会えると思ってるから(笑)、早く年取ってパッと死にたい派です。←どうでもいいか(笑)


というわけで、【When heroes fly】を見て祖父母のことを思い出した、というハナシでした。(笑)

ドラマについて言えば、戦争モノというジャンルではないと思うけど(新興宗教的なの出てきたり、麻薬組織の犯罪が絡んでたりする)、戦争によってできる傷、しかも見えない(心の)傷って相当ツラいよなって、私が簡単に言える立場ではないけど、思った。

目に見えないだけ、それだけ隠しやすかったりする。平然を装って、でもその分、その傷がずーっと癒えることはないのね、たぶん。余計に膿んでくる。ジュクジュクに。そりゃ痛いよ、いつまでも。

私は戦争を知らないからこそ言おうと思う。

戦争なんて知らずに生きてたい。
みんなが戦争の仕方を知らない世の中に生きてたい。
やり方わからないからやりません、ってダメかな?

おじいちゃんとおばあちゃんが望んだ世界になればいいのに。

ではまた、Vidimo se!👋

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