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「う」Weezerとメガネロックという死語について
メガネとロックンロール
「メガネ」視力を矯正する器具であり、今ではおしゃれアイテムで伊達メガネってのも定番になりつつありますよね。私がメガネをつけ始めたのは十数年前。中学に上がる直前くらいに一気に視力が低下、近くのメガネ屋さんに父と駆け込んだ。そのうち慣れてはくるのだが、私のメガネに対する見解は「ダサい」に満ち満ちていた。
今でこそメガネがかっこいいだの何だの言われる世の中になったと思う。田舎でのびのびと育った自分としては目が悪いということも恥ずべきことであったし、関東ローカルのテレビを見てきたものとしてはメガネと言えばこれだった。
そう、メガネドラッグ。よ〜い、めーがーねー。だ。
ダサい。圧倒的にダサいのだ。
そんな「メガネ=ダサい」の概念を崩してくれたのが先に紹介したアジカンと今回紹介するWeezer。どちらもフロントマンはメガネで低身長。ぱっと見、かっこいいわけでもない。だいたいのことが自分にも当てはまった。
んが、ピンカートン(この後紹介する2ndアルバム)の一曲目を聞いた瞬間、私の固定概念は見事に覆された。
むしろ、メガネのロック、かっこよくない?という一時代がJロックシーンには一時期あった。メガネロックなんて揶揄された時代が2000年代初期のロックシーンには確かにあったのだ。
「メガネロック」 アーティストがメガネをかけている、客層がメガネをかけていそう、など、メガネに縁があるという特徴を持つ、ロックのサブジャンル。
これに分類されるといわれるアーティストとしては、くるり、アジアンカンフージェネレーション、GOING UNDER GROUND、フリッパーズ・ギターなどが挙げられる。大江千里が元祖ではないかと推察される。ルーツには さだまさし、南こうせつ の存在も外せない。 はてなキーワードより
ぱっと、思いつくだけでもくるり、アジカン、シュノーケル、モノブライトなどなど、どのバンドもパワーポップを土台として、Jロックの一時代を築いていた。なんだか、懐かしさがこみ上げてきますね。
いわゆる、スクールカーストで言えば下の方だった「僕ら」がギターを武器にシーンを作ってくれた。
メガネで、垢抜けない俺でも一発かませるんじゃないか。
同じような衝動だけで激安ギターを片手に、下手くそなりにバンドに励んでいた友人たちと私についてはまたどこかで。
ダサい「僕ら」が汗水たらして、何かを表現しようとする時、一瞬だけ輝ける。そんな魔法が音楽にはあるんです。
〈結論〉メガネドラッグは何も悪くない。
いつだって寄り添ってくれるPinkerton
今回、紹介したいのはWeezerのアルバムでも2ndアルバムにあたるピンカートンです。
ウィーザーを初めて聴いたのは中2のいつ頃だっただろうか。見た目はあまりに非ロック的、日本での売られ方は「泣き虫ロック」だなんてあんまりだが、一度音を聴いてしまえばもうウィーザーの虜。
(左から二番目がフロントマンのリバース・クオモ)
このアルバムはいわゆる、ロックのツボというものをこれでもかというくらいに押してくる。ぐいぐいと。止むことなく。ぐいぐいぐいとだ。
「Across the sea」の歌い終わりの「I've got your letter.You've got my song.」などロックの教科書からして、気持ちよすぎる箇所が多すぎる。
歌詞も調べてみると、好きになった子がレズビアンであることに憤る歌があったりと中々に変態的でモーモールルギャバンの繋がりさえありそうだ。随所に日本の2000年代ロックシーンの雛形が隠れているように感じる。
そして、トリを飾る「Butterfly」だ。メロディ、歌詞、クオモの声すべてが完璧で涙が出る。
I'm sorry for what I did
僕はなんてことをしてしまったんだ
I did what my body told me to
自分の思うがままに行動しただけで
I didn't mean to do you harm
君を傷つけるつもりなんて無かった
Every time I pin down
いつだってそうなんだ
What I think I want, it slips away
欲しい物を手に入れようとして、逃げられてしまう
The goal slips away
繰り返し、同じように
フラれるたびにこいつに戻ってくる。男ってのは弱っちくて、臆病で、そのくせプライドだけは一丁前。いつまで経っても成長しない「僕たち」の懺悔であり、言い訳で終わるアルバムが今でもどうしようもなく愛おしい。
I'm sorry....
I'm sorry..
i'm sorry.
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