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【帰国子女入試】イギリスの算数と日本の算数

今回の記事のポイントは以下の通りです。

・日本とイギリスでは算数のスタイルが違う
・帰国子女が中学受験をするなら現地校のスタイルの他に、
 日本式算数になれる必要がある
・日本式ノート術が帰国子女の中学受験の算数対策には有効

以下では帰国子女として中学受験をする生徒さんが算数とどう向き合うべきか、書きたいと思います。


はじめに〜イギリスと日本の算数教育の相違〜

イギリスと日本では算数教育のスタイルが違う

まずはじめに、当然ですがイギリスでも日本でも算数、そして数学を学ぶ意義は同じです。

私はそれを論理的思考の訓練をすることだと思っています。

計算も、公式や解法の暗記ももちろん重要ですが、論理的な思考力が問われるのが算数・数学のはずです。

しかしご存知のように、イギリスの現地校の授業は、日本の学校の授業とは大きく異なります。

そしてその国による教育スタイルの違いのせいで、イギリスの現地校で算数を学んだ子が日本の中学受験に臨むと算数に苦戦することが多いです。
いったいその違いはどこにあるのでしょうか。

イギリス式算数とその問題点

英国スタイルで日本の算数をとくと、計算ミスを誘発。復習も困難に。

イギリスと日本の大きな違いの1つに、電卓(calculator)を使えるか、があります。
イギリスでは算数でも特に高学年になると煩雑な計算は電卓に任せることが多いです。

そしてもう1つ大きな違いが、
高学年になると、鉛筆ではなくボールペンで答えを書き込みます。
それも日本的に板書を書き写すというよりも、プリントをノートに貼り付けるスタイルが多いような気がしています(これはもちろん学校によると思いますが)。

これは、間違えたところが消せないため、一見すると復習に役立ちそうです。実際に、現地校で学び続けるならこのスタイルにさほど問題はありません。なぜなら途中計算の式や筆算をノートに書く必要がないから。

ところが、日本式の算数となると話が変わってきます。小数第何位までの計算を自力でしなければなりません。たちまちノートは途中計算で溢れかえってくることになります。

鉛筆と消しゴムなら整理して消すことができますが、速度が重視される中でボールペンを使うと、どうしても訂正した部分がグチャグチャになってしまいます。

最後にはノートに何が書いてあるかわからなくなってしまい、計算ミスの誘発や、検算や復習が困難になることに繋がります。

日本の中学受験のために大事なこと

日本の中学受験算数では、
思考を辿るために途中式をわかりやすく残しておくことが大事

日本で中学受験を目指す海外在住の生徒さんに是非意識してもらいたいことがあります。

それは、
『思考を辿るための途中式の大切さ』
という考え方です。

これがしっかり身についていないと、ただグチャグチャ書き込んで、見直しをしようにも、どこに何が書いてあるのかわからず、
テストであれば時間切れ、ということにもなりかねません。

これは、
日本の中学受験を考えるなら、致命的です。
多くの問題を時間内に消化し、さらに計算ミスを防ぐための見直しまでしなければ、
難関校の合格ラインには到底届かないからです。

限られた時間内で見直しまでするためには
『思考の軌跡=途中式』をわかりやすく書いて、残しておく
ことがとても大切なのです。

日本式算数のノート術

算数のノートには、日付け、どのページの何番の問題なのかを整理して書く

受験や模擬試験の際、この思考の軌跡・途中式がどこにあるか分からず、一から計算をやり直して見直しをする、というのは非効率ですし、見直しの出来る問題も限られてきてしまいます。

だからこそ、計算ノートでも、しっかり、

日付け、そしてどのページの何番の問題なのかを書く

ことをお勧めします。

ただの自由帳や裏紙でもいいじゃないか、と思われる方もいるかも知れませんが、見直しをする前提で計算をするのなら、そういった自由帳にも、しっかりいつやったどこの問題なのかを明記する必要があります。

終わりに〜イギリス帰国子女の中学受験算数対策〜


私どもIMR Educationでは、上記のような問題点を解決するため、算数の授業では
徹底して『鉛筆』でノートを取り、途中式の大切さを強調して指導しています。
その結果、生徒自身が
自分のノートを見直すことが出来るようになり、
時間内にしっかり点数を取る、という姿勢が身についていくのです。

『現地校の算数だけで、日本の受験準備はまかなえているのだろうか』
『補習校は国語だけなので、チャレンジなどで
日本式の算数は学習しているが、簡単すぎるのではないか』
『日々の宿題に忙殺され、毎日決まった時間、
決まった量の学習が出来ていない気がする…』など、
お子さまに関するどんなお悩みでも、
解決の糸口を見つけるべくアドバイスを致します。

日本からのご相談も受け付けております。

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