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日本テーマパーク史研究ノート4〜富士ガリバー王国について4

はじめに(この記事を書こうと思った理由が書いてあるよ!読みたくなければ飛ばしてね!!)

日本にはかつて数多くのテーマパークがあった。

それらはバブル期を中心として全国に作られたが、多くはバブル崩壊といった経済的な危機や他の娯楽に押され、閉園に追い込まれる。一方で一部のパークは現在でも営業を続け、日本における代表的な観光地として知られている場所もある。
その数の多さにも関わらず、日本においてこれらのテーマパークを「1つの文化」として包括的かつ通史的に扱った言葉は、今のところ、まだ、ない。

このNoteでは日本のテーマパーク史について、研究ノートのように書く。あらかじめ断っておくと、筆者は専門でテーマパーク史を研究しているわけではない。いくつかのサイトで記事を書くライターでしかない。
ただ、ライターとしてデイリーポータルZLOCUST+などで書く機会があり、今後そうした媒体でテーマパークについて書くと思うから、そのための研究ノートだ。取材ノートでもいい。したがって小さな事実誤認や、思い違い、調査不足などは多めに見て欲しい(というよりそもそも、日本のテーマパーク、特に閉園してしまったテーマパークについては資料そのものが残っていないことも多いのだが)。ここに書き記すのはあくまでも調査の過程だと思って欲しい。もちろん修正点が見て使った場合は適宜修正していくが、それも含めて一つの調査の過程だと思って欲しい。

タイトルは「日本テーマパーク史」。ちょっと範囲が大きすぎるのではないかとも思ったが、とりあえず全体のテーマはこうした。大きく構えていても、一つのテーマパークについて、少しずつ回数を分けて書いていくことになる。いきなり日本のテーマパークについてその見取り図を書くことなどできないし、そもそも「テーマパークとはなにか」という定義さえ、私の中でも決まっていない。
おそらく、少しずつ個別のテーマパークについて書きながら、徐々にその全貌が見えてくるのだと思う。

したがって、その調査の過程を楽しんでくれれば、と思う。

幻の富士ガリバー王国を求めて(4)

富士ガリバー王国についての調査もすでに4回目を数えた。
今は当時の富士ガリバー王国の姿を探るというより、その跡地が現在、一体誰のものになっているのかを探る調査がメインになっているが、とりあえずそれも今回で一旦幕引きとなる。その理由は今回の研究ノートを読んでいただければわかるだろう。
さっそく前回の続きからスタートしよう。

「富士ガリバー王国」は閉園後、2度にわたりその所有権が移った。2度目にその土地を所有した「アーバン・コーポレイション」(以下、UC)が2008年に倒産、2014年に清算が完了し、UCは解散してしまう。その後の記録は残っておらず、UCがそのままその土地を持っているのか、はたまたどこか別の会社に譲渡されたのかは分からずじまいであった。

ここで問題にしたいのは以下のことである。

・破産した会社が所有する不動産物件は破産後も所有可能なのか?
・その場合、同物件・土地についての連絡は誰にすれば良いのか?

というわけで、ここら辺に詳しそうな友人に以上のことを聞いてみた。

友人との対話〜土地所有権と破産について

ーー破産した会社の所有する不動産所有権が、そのまま破産した会社に残り続けることってありうる??

会社の破産には清算手続と更生手続があって、更生なら会社自体も存続するから有り得るかも(JAL的な)。ただそこらへん専門でないからわからぬ…
でも破産して現在ないなら、法人格も消滅するので所有権はないはず。

ーー確か、清算も終わって会社は完全解散してるはずだから、やっぱり所有権は失ってるよな

破産手続時に破産会社の債権者に土地が渡った可能性も有り得る。
もし取材許可とかで所有権者を探しているのなら、法務局に行って不動産登記簿を見せて貰うことができると思うよ(手数料はかかるが)。

ーーえ、法務局だったらどこでも貰えるのか。それはいいことを聞いた

それでも登記簿に公信力はないから、記載されている所有権者と異なる可能性も大いにあるかな(簡単に言うと登記簿に記載されている所有者と実際の所有者と異なることが多くて、法律上登記簿上の所有権者はあんまり信じてはいけないとされている)。

ーーええ、、、登記簿のくせに間違ってる可能性があるとかやばいな。

考えられるのは破産手続時に、
①債権者に土地をあげて精算
②土地を競売にかけて精算→つまり債権者じゃない人に渡っている
どちらにしろ登記簿に登記されてると思うけど、田舎の土地だと登記簿上の人とコンタクト取れるかもわからんねぇ

ーーとにかく、まずは登記簿を取るってことか。よし、取ろう

というわけで、まずは「不動産登記簿」を取得するーー
話はそこから、というわけだ。

富士河口湖町役場に電話したときは、富士吉田の法務局に直接行かなければならない、とのことだった。しかしどうも調べてみると近くの法務局で日本全国の不動産登記簿が取得できるらしい。しかも、ネットで。

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ここから、ネットで不動産登記簿とかその他諸々取得できる。不動産登記簿を取得したい人にはオススメだ

というわけで取得してみよう

ホームページが見れない

このシステムで登記簿を取得するためには、その土地の正確な住所が必要である。というわけで、もう一度、富士ガリバー王国のありし日のホームページにアクセスしてみよう。

……とアクセスしてみると、、、

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▲アクセスできない

アクセスできなくなっていた。やばい。
昨日までは全然アクセスできていたにもかかわらず、だ。一体どうしたのだろうか。突然ホームページが削除された?そんなことがありうるのだろうか?もしや、私が富士ガリバー王国を調査し始めたことに危機感を覚えたなんらかの組織がホームページのキャッシュを消去したのか?これは何かの陰謀なのか?

と若干映画みたいな展開に興奮してきたわけだが、この「503 Error」をネットで調べてみると「サーバーへの同時アクセス(アクセス集中)によって訪問者を制限している状態」だそう。

つまり、「みんな、富士ガリバー王国のホームページをすごく見てる」らしいのだ。本当なのか。いきなりアクセスが集中することなどあるのだろうか。私の研究のおかげかも知れない。

とにかく今はどうにもできないので、他の手段で富士ガリバー王国の住所を調べるしかない。

富士ガリバー王国の住所

こういうときにウィキペディアは本当に役に立つ。
当時の住所が書いてあるのだ。そこによると、

山梨県西八代郡上九一色村富士ケ嶺2-4

だそう。

確か、現在、西八代郡上九一色村は西都留郡富士河口湖町になっているはずだ。それと、「富士ヶ嶺」はそのまま地名として残っているので、

山梨県西都留郡富士河口湖町富士ヶ嶺2-4

が正しい住所かな?これをGoogle Mapに入力してみよう。

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        ▲ビンゴでした

ちょうど「富士クラシック」の上だった。ということはこれが正しい住所

これで不動産登記簿を申請しよう。

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▲請求できました

請求できた。

結果は??

それでは登記簿の結果発表である。

と言いたいところだが、なんと登記簿が到着するには数日ぐらいかかるらしい。
待たねばならない。

一体、「富士ガリバー王国」は誰の持ち物なのか。
そして、所有者への連絡はできるのか。

すべての答えは、登記簿の中にある。

登記簿の到着までしばし待たれたい。

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