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ミッションやパーパスより大切なこと

こんにちは。キチナングループの井本健(@imototakeshi)です!


最近、よく新聞やニュースで「パーパス」を耳にするようになりました。
特に、新聞などで、金融機関さんや、大手の企業が、盛んにパーパスを作り変えたという文章を目にするようになったような気がします。
Amazonでも、パーパス系の言葉を使った本が多数発売されてます。


 この言葉は、海外の企業で少しずつ流行り始め、日本では、2021年頃から盛んに言われるようになった言葉です。日本語だと「存在意義」や「目的、意図」と訳される言葉で、ビジネスシーンで多く耳にするパーパスとは、社会とのつながりを強く意識し、社会における企業の存在意義を明確に宣言するもの。つまり「社会において、なぜ自分の会社が存在するのか」を示すものです。



パーパスを策定することで、組織に一体感を生み、顧客や社会からの共感を得やすくなるという利点があるようです。また、パーパスを組織内でしっかり共有されている企業の方が、そうでない企業よりも成長性や収益性が高いとする調査・研究も増えてきているらしいです。

パーパス(Purpose)
「パーパス(Purpose)」は、一般に「目的、意図」と訳される言葉です。近年では、経営戦略やブランディングのキーワードとして用いられることが多く、その場合は企業や組織、個人が何のために存在するのか、すなわち「存在意義」のことを意味します。

日本の人事部
https://jinjibu.jp/keyword/detl/882/


ナイキとパーパス

パーパスを改めて強く印象付けたのが、アメリカンフットボールの米国人スター選手であるコリン・キャパニック選手を起用したナイキのキャンペーンではないでしょうか。

 2016年、アメリカンフットボールの米国人スター選手であるキャパニック選手は、警察の黒人射殺事件や人種差別に対する抗議の意を表明するために、試合前の米国国歌が流れている間、膝をついた姿勢で起立を拒否しました。この抗議行動に「国歌を侮辱した」とトランプ大統領はツイッターで怒りを発し、キャパニック選手を非難しました。NFLもキャパニック選手の抗議行動に反対を表明し、チームとの契約を結べないまま事実上の解雇となってしまいます。

 そうした中でナイキが突然<Just Do It.>の30周年記念キャンペーンにキャパニックを起用したのです。ナイキはキャパニック選手の信念と、自社が彼の起用によって生まれるスポンサーからの評価のリスクを重ね合わせ、


“Believe in something, even if it means sacrificing everything.”

(信念を貫け。そのためにすべてを犠牲にするとしても。)


というインパクトのあるコピーを打ち出しました。
この広告をきっかけとして、再びトランプ大統領が非難し、ソーシャルメディアでも批判派がナイキの靴を焼く動画がシェアされ、年配者による反発や不買運動などが発生しました。しかし、ナイキのスポーツシューズのファン世代からは熱狂的な支持を得ることに成功しました。
さらに支持するユーザーが次々と現れ、商品はオンラインで驚異的な売り上げを記録し、株価は反転上昇、同社史上最高値を更新したのです。同キャンペーンは世界的な広告賞も受賞しました。

 このキャパニック選手の広告は、NFLとの長いビジネス上の関係を持つナイキにとって、非常にリスクの大きい決断でした。なぜ、ナイキは批判されるリスクをとってでも、このような行動に出たのでしょうか?

それは、パーパスの存在です。

ナイキは、「スポーツの力で世の中を前進させる。全ての人が健康で平等に競える、公平でサステナブルな未来を信じて」という言葉を掲げています。

 まさに、この言葉をもちながら働く一人ひとりが考え抜いた結果が上記のような行動を生み出し、結果として熱狂的なファンを更なるナイキファンにさせることになったのではないでしょうか。


キチナングループと言葉

私たちも、いま、MVVと総称される、ミッション(Mission)、ビジョン(Vision)そしてバリュー(Value)について検討をしています。
MVVはパーパスに似ているところもありますが、まったく同じものではありません。

(1) ミッション
ミッション(Mission)は「使命」や「任務」と訳されることが多く、企業が果たすべき使命として定義されます。パーパスと意味が共通する部分もあり、ミッションの中にパーパスを含有している企業も珍しくありません。

(2) ビジョン
ビジョン(Vision)は「展望」や「理想像」と訳されることが多く、企業がなりたい未来を定義するものです。ビジョンを策定することで、企業やチーム、個人が成し遂げたい目標・ゴールを具体的にします。ミッションと同じくビジョンについても、企業によっては、パーパスとしてのテーマを含有しています。

(3) バリュー
バリュー(Value)は「価値」あるいは「価値観」と訳されることが多く、ミッションやビジョンを受けての行動指針です。ミッションやビジョンを実現するために必要な、企業や従業員のあるべき姿を具現化しています。企業が求める人材像や、ハイパフォーマーの条件として、バリューの合致が提示されることも少なくありません。

日本の人事部
https://jinjibu.jp/keyword/detl/882/

ひと言でその違いをいうとと、MVVの主体は「企業」であり、パーパス経営の主体は「社会」なのです。

なぜ、キチナンは、最近、流行りのパーパスを使わないか?

なんとなく、流行り言葉っぽくて、好きではないという食わず嫌いからからなのが本音なのですが、定義する言葉より生み出された言葉とそのプロセスと浸透にこそ、意義があると考えているからです。

そして、その言葉がちゃんと現場で使われるように、浸透させることが、何よりも大切なのです。


現場と上司の価値観が違えば、いいサービスを提供することはできません。だからこそ、まず「言葉」なのです。文字にして、日々見て感じて、言葉に基づき判断して、自分たちのものにしていくのです。

 そして、最終的にはMVVが何であろうとパーパスが何であろうと、お客様満足度を高めることが何より大切なのです。


ワークショップとこれから

昨年11月下旬から、ずーっとワークショップを実施してきました。

オンライン、オフラインを含め、全部で9回ほど。

リアル開催の様子


その中で、たくさんの言葉がでました。

最終的に、言葉ができたら公開したいなと思っていますが、
まずは、キチナングループらしさをユーザーローカルさんのAIテキストマイニングツールにかけてみた結果がこちらです。

キチナングループらしさのテキストマイニング

ちょっと泥臭い感じもしますが、これがキチナングループらしさでもあるかなと感じています。

 ナイキのように現場の一人ひとりが同じ価値観によって考え抜き、一貫性のある行動が結果としてお客様への信頼獲得につながると信じて、この言葉たちをブラッシュアップしていきたいと思います!


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