手を差し伸べることで救われること

ちょっと映画を見に行ってきました。
久し振りにがっつり、感情移入してしまう内容でした。
ネタバレにならないよう個人的な感想ですm(_ _)m

「ファーストラヴ」

真壁由紀（北川景子）
庵野迦葉（中村倫也）
聖山環菜（芳根京子）
真壁我聞（窪塚洋介）

父親を殺害し逮捕された女子大生、聖山環菜
彼女が世間に放った言葉「動機はそちらで見つけてください。」

事件を取材することになった公認心理士の真壁由紀は夫・我聞の弟で弁護士の庵野迦葉と共に彼女の本当の動機を探るため面会を重ねていく。
環菜の過去に触れていく中で由紀は自身の過去と似ているものを感じ始め、夫にも言えていない心に隠していた記憶と向き合っていくことになる。

見終わって、最初に出てきたのが

「辛いなぁ」という気持ち。

内容がつまらなくて見ているのが辛いということではなくて、環菜と由紀の過去が見ていて辛かった。

特に環菜の過去

彼女を壊していったのは紛れもなく、親を含めた周りの「大人達」

映画を見ていて、親が幼少の彼女に言い放った言葉に寒気がするシーンもあった。

親から強制され逃げることも出来ない環境の中、唯一心の拠り所になった大人にも一緒にいてもらう為に自分の心を殺しながら寄り添っていくことしかできない。

愛してほしい人達からどうしたら愛してもらえるか。
幼い彼女が考えたのは永遠に癒されることのない方法でそれを訴えることだけ。

フィクションだとわかっていても、この子の境遇に泣いてしまった。

ただ環菜と同じ、または似た境遇の子は実際にいるんだろうなと思ってしまった。

親は子へ無償の愛を与える。
義務的なことではなくてそれがあたりまえと思う人が多いと思う。
自分のその一人。

でもそうじゃない人もいる。

この映画を見たことで
人が与える言葉や環境が凶器となって一人の人間を壊していく恐怖と
逆に言葉や環境で一人の人間を救えることを改めて知ることができたと思う。

自分の勝手な考えとしては、
人は、その人がどんな辛い思いをしているのかは自分が同じ立場や経験をしないときっとわからないと思う。

実際、今までに何人かから家庭の事情やトラウマを相談されてきたことはあったけど、話を聞くだけしかできなかったし、安易な励ましの言葉は相手を余計に傷つけるかもしれないと思ったから。

でも「共感」することはできなくても、相手がどんなに辛いか「理解」することだけでも、もしかしたら相手は救われるんじゃないかなと思う。

最後に

この映画は素晴らしかったです！
自分的には久々の当たりでした。

まず出演者の方々がすごい。役に入りきっているというか演技でここまで出来るのかと感心してしまいました。

この方々だったからこそ、この映画に入り込めたのだと思います。

ご興味を持てましたら是非見に行ってみてください(^_^)/