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表コミ授業日記② むずかしいから、おもしろい。

こんにちは、あきです。今回は小学生クラスの授業の様子を書いていきます。

図形を活かしてお題の絵を描け!

紙の左上に描かれた三角形。
この図形を活かして「お正月」の絵を描くとしたら、皆さんだったらどんな絵を描きますか?

ある生徒が描いてくれた絵はこちら。

表コミの小学生クラスで行った「付け足しお絵かき」というワークです。
自分で選んだ図形つきの紙に、ランダムに引いたお題の絵を描きます。

他にも、これが

こうなったり、

これが

こうなったり。

どの絵も、邪魔だったはずの図形が、見事に活かされていますよね。むしろ、その図形があったからこそ生まれた絵、と言ってもいいくらい。

たまたま同じ図形で、同じお題を引いた2人。
お題は「ペンギン」。三角形が羽になったり、クチバシになったり。

「なにこれー!」
「こんなの無理だよー!」
「見せて見せてー!」
「わーすごい!」

ワイワイ言い合いながら、子どもたちはどんどん絵を描いていきました!

もっと難しいのやりたい!

少し経って、ちょっと違う声が聞こえてくるようになりました。

「もっと難しいのやりたい!」
「難しい方がおもしろい!」
「この図形じゃできなそうだけど、できなそうだからやりたい!」

自ら難しそうな図形と、ミスマッチなお題を選んで、悩み出す子どもたち。

出来上がったどんな絵よりも、僕はこの姿勢に感動しました。

「それはちょうどいい!」

インプロ(即興演劇)には、「それはちょうどいい!(That’s perfect!)」という言葉があります。
(表コミとインプロの関係については、こちらの記事をご覧ください。)

台本のないインプロでは、何かアクシデントが発生した時、それを解決するのは簡単です。

例えば、渡っている川の上流から一気に大量の水が押し寄せてきたとします。
本当に川があるわけではなく舞台上での出来事です。台本もありません。だから、演者の1人が「なんとか堪えて渡り切れた!」と言ってしまえば渡り切ったことになります。解決です。

でもそれではあまり面白くない。むしろその大量の水に押し流されてみたら、どこか未知の場所にたどり着くかもしれません。あるいは、その大量の水を全部飲み込む超人的な力に目覚めるかもしれません。

このように、アクシデントを簡単に解決するのではなく、むしろそのアクシデントを「それはちょうどいい!」と受け入れ、活かしていく。アクシデントがあったからこそ生まれるものを楽しむ
インプロのシーンはこうして出来上がっていきます。

アクシデントを楽しむ

子どもたちが「付け足しお絵描き」で感じていた面白さは、まさにこの「それはちょうどいい!」だと思うのです。

描きたい絵とミスマッチな図形がすでに描いてあるというアクシデント。
でもそのアクシデントを受け入れてみる。
すると、自分だけでは思いつかなかった、新しい絵が生まれてくる。
アクシデントが大きいほど、生まれるアイディアが新しくて、楽しい。
だから、難しい方が面白い。

日々の生活の中で起こるアクシデントも、こんな風に捉えられたら……
日常が少しずつ変わっていくかもしれませんね。


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