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早朝から深夜の〆フォーまで。地元民のお腹を満たす路上フォー屋「Pho Hai」

初訪 2022.04 更新 2022.09.01


ベトナムにきたら、食べずに帰れないのが朝食の定番、フォー(Pho)。

多くの外国人が訪れる有名店も安心感があって間違いないですが、現地の日常に溶け込むような雑多な路上の店もまた、雰囲気あり。ベトナム人の賑わいの中で味わうフォーは、ベトナム滞在の醍醐味を味わえるかもしれません。

今回取り上げるのは、地元ではほぼ24時間営業の店として知られる路上店。閉店はなんと午前3時頃で、その3時間後の朝6時には再び開店します。

ということで、たとえば近くのニエウロック=ティゲー運河(Kenh Nhieu Loc-Thi Nghe)沿いを走る、ホアンサ(Hoang Sa)通りやチュオンサ(Truong Sa)通りの貝屋やクラフトビール屋で飲んだ後に、路上フォーで〆るなんてことも可能。いつでも開いてる庶民派店でありながら、味もしっかりおいしいのでおすすめです。
(念のため、深夜に飲み歩くことをおすすめするものではありません。)



場所は、タンディン教会(Nha Tho Tan Dinh)やタンディン市場(Cho Tan Dinh)から徒歩圏内の、チャンカックチャン(Tran Khach Tran)通り付近。
タンディン市場からは徒歩約10分の場所です。

ミニストップの向かいにあるこのゲートを入ると、お店に到着です

営業時間の長いお店ですが、もっとも活気を増すのは夜。路地に入った途端に、活気のある賑わいが目に飛び込んできます。

お店の雰囲気は、まさしく路上の雑多な雰囲気。
おもちゃのようにカラフルなプラスチックイスとテーブルが並びます。

そして、メニューに書かれているのは、
小サイズ「Nho(ニョー)」4万vnd(約240円)
大サイズ「Lon(ロン)」4万5000vnd(約270円)
以上。

ベトナム語表記のサイズだけで、フォーの種類さえありません。

そこで、現地の人のオーダーに耳を澄ませてみると、よく注文が入っているのは、半生の牛肉がのったフォー「Pho Tai(フォータイ)」。

熱々スープをかけてできあがり

半生肉というと少々心配になりますが、こちらの店ではあらかじめ湯通しされているようでさほど生感はない印象。
さらに、人気店で食材の回転がいいので(責任は取れませんが)個人的にはこの「フォータイ」がオススメ。赤身肉のおいしさが感じられます。

上/半生牛肉のせフォー「Pho Tai(大)」45000vnd(約270円)
下/肩バラ肉のせフォー「Pho Gau(小)」40000vnd(約240円)
※フォーの注文方法はのちほど

フォーの具材は、肉とタマネギ、ネギというシンプルな北部スタイル。
スープは、牛骨スープのコクと旨み、八角の香りとやさしい甘みが特徴の北部と南部のミックススタイルです。

フォーと同時に出てくる湯通ししたモヤシや、卓上のハーブやライム、唐辛子で好みの味に調節も可能。
さらに、卓上の調味料で味変もできます。

調味料各種
ローカル店なので、使用前にスプーンや箸を卓上のティッシュで拭くのがオススメ

卓上調味料は、写真右から甘みのある黒味噌(Tuong Den)、スパイシーなチリソース(Tuong Ot)、塩気をプラスするヌックマム(Nuoc Mam)、アクセントを加える胡椒(Tieu)の内容。お好みで調節を。

キッチンには、出汁をとった牛のガラがありました。

卓上のハーブは、基本的に入れ放題。このお店では、ベトナム料理で頻繁に登場するオリエンタルバジルと、個性的な風味のノコギリコリアンダー(細長く、よく見ると葉の縁がノコギリのようにギザギザしているもの)が置いてあります。

ライムもありますがやさしい味のスープなので、個人的には入れるとしても終盤がオススメです。

北部と南部のテイストがバランスよく組み合わさったこの店のスープ。
個人的には南部風の甘みのあるスープが苦手なのですが、ここは嫌味に感じない、コクと重なる甘みを感じます。

麺は細め

小サイズでもしっかりボリュームがあるので、個人的には小が適量な印象。

フォーの肉は硬めのお店も多いのですが、ここはほぼ火が通りつつ柔らかさは保たれていて、噛むと肉の旨みがしっかりと感じられます。


トッピングの卵も頼んでみました。

卵(Hot Ga)5000vnd(約30円)

スープに入った卵をフォーの器に移して食べると、まろやかさがプラスされます。(※ほぼ生卵なので、お腹の弱い方はご注意ください)


お店のメニューはサイズ表記のみで、半生肉(フォータイ)がメインのようですが、実はさまざまな肉の種類を選ぶことも可能。

☟この内容から好きなものを選べます(料金は共通)。

Pho Tai(フォータイ)=半生肉のせフォー
Pho Gan(フォーガン)=牛すじのせフォー
Pho Gau(フォーガウ)=肩バラ肉のせフォー
Pho Bo Vien(フォーボーヴィエン)=牛肉団子のせフォー
Pho Nam(フォーナム)=バラ肉のせフォー

たとえば、バラ肉のフォー(大サイズ)1杯を注文したい場合は、
「チョー モットー フォー ナム ロン(Cho 1To Pho Nam Lon)」と言うと伝わります。
※ 太字部分を好きなフォーに入れ替えればOK

ただ、ベトナム語の発音は難しいので、上のメニューを指差すのでももちろん可。伝わればオールOKです。


ということで、
肩バラ肉のフォー「フォーガウ」「ニョー(小サイズ)」を注文してみました。

肩バラ肉のPho Gau

無事出てきました。個人的にはどちらかというと半生肉の方が好きですが(笑)お肉たっぷりなこちらもおいしかったです。


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日本にも、ハノイの有名店「フォーティン(Pho Thin)」やホーチミンの老舗「フォーミン(Pho Minh)」などが進出し、本格的な味が楽しめるようになった昨今ですが、味は運べても運べないのが"雰囲気"。

バイクが行き交う路地で、現地の活気を感じながら道端で食べる。その空気感も、フォーをおいしくする大事なスパイスになりそうです。



Pho Hai / フォー ハイ
 53/64 Tran Khanh Du, Q.1, HCMC
 6:00〜翌3:00
 なし(祝日は休みの場合あり)

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