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【バンメトート】 エデ族の暮らすアコドン村に行ってみた

旅行日 2022.05.02

連休を利用してホーチミン市からバスで約8時間、飛行機で約1時間の高原都市、バンメトート(Buon Ma Thuot)に行ってきました。

バンメトートはコーヒーとカカオと象が有名な街。そしていくつかの少数民族が暮らす街でもあります。


エデ族とは

ここに暮らす少数民族の中でも特にユニークな伝統文化を持つのが、エデ族(Dan toc E De)。バンメトートなどベトナム中部高原地帯に暮らす民族で、特徴的なのが「母親が家長となる母系民族」であること。
家の財産を引き継いで、親の世話をするのは娘(末娘)の役割で、子どもは母親の苗字を名乗り、結婚すると男性は婿に入ります。

そんなエデ族を象徴するユニークな文化の1つが、母系民族を表すさまざまな装飾。有名なのが、高床式住居にかけられた切り出し木材の階段で、そこに彫られているのはなんと、おっぱい。その他の彫刻も女性を表したものが多く、独自の文化を感じさせます。

近年は木材の調達が難しかったり、ベトナムの一般住居の建設費に比べて費用がかさむことから、この特徴的な長屋も激減しているそうです。


知的好奇心をくすぐる少数民族の文化。
もし、そんな「エデ族の文化に触れてみたい!」と思ったら、ぜひオススメなのがエデ族が暮らすエリア「アコドン村(Buon Ako Dhong)」。
このエリアには、エデ族の長屋を利用したカフェや宿泊施設があり、ほかではなかなか味わえない興味深い体験ができそうです。


村の場所は、バンメトート中心地のシンボル「バンメトート戦勝記念碑(Tuong Dai Chien thang Buon Ma Thuot)」から車で約10分ほどの場所。
大手コーヒーメーカー・チュングエンの「世界コーヒー博物館」の近くにあります。

↓ 世界コーヒー博物館についてはこちら


こちらは、村の入口にあるゲート。
ゲートの先には現代風の民家も多くありますが、どことなく長閑な雰囲気が漂っています。

のんびりと歩く牛の姿も


みやげもの店

まずは、ゲートをくぐってはじめに見えた、みやげもの店に行ってみました。

象や民族衣装のお姉さんと写真を撮ってもいいかも

この店では、地元のコーヒーやハチミツ、工芸品や民族酒などが売られています。
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Trinh Qua Tay Nguyen
住/172 Tran Nhat Duat, Tan Loi, Buon Ma Thuot
MAP


↑このお店の斜め向かいにもみやげもの店があり、こちらは民族衣装や民族楽器のほか、干しタケノコなどの乾物も売っています。
ここには乾燥させたリンゴの一種「タオメオコー(Tao Meo Kho)」もあるので、少数民族のリンゴ酒「ルウタオメオ(Ruou Tao Meo)」を手作りしてみるのもいいかもしれません。

エデ族の黒い民族衣装も


民族酒ルウカンについて

みやげもの店の軒先に並んでいるこの壺は、ここタイグエン(中部高地)の少数民族に伝わる民族酒「ルウカン(Ruou Can)」。

象やエデ族の長屋など、壺にはこの土地ならではの絵柄が描かれています

通常お祭りやお祝い、ゲストを迎えるときに飲まれるお酒として、現地の民族文化に深く根付いているようで、みやげもの店のほか村の民家の玄関先でも売られています。


この後登場するカフェの壁にもルウカンの画が

村の施設の扉や壁には、ルウカンを飲む様子を描いた彫刻も。そして、この画を見て気になるのが、独特なこの飲み方。

米や麹を籾殻で厚く覆い、壺の中で発酵させたお酒に、細長ーい竹の管を突き挿して吸いながら飲むスタイルなのですが、それが1,2人のときもあれば、7,8人になることも。同じ釜の飯を食うように、ときに7,8人の大人が肩寄せ合って同じ壺の酒を吸うという、楽しい光景が生まれます。

バンメトートに来たからには、ぜひこのお酒を買って帰りたいと思ったのですが、基本的に壺だと3ℓ以上(25万vnd〜/約1400円〜)となかなか本当に“壺”。骨壷を抱えるようにして長時間バスに揺られる図を想像して、今回はやめておきました。

ちなみに、ホーチミン市内でもこのルウカンを買うことは可能。
↓こちらのショップで扱っているルウカンは、パッケージもオシャレでギフトにもできそうです。


さて、ほとんど酒の話になってしまいましたが 汗
おみやげ屋さんを後にして、お次はカフェへ向かいます。



エデ族長屋のカフェ

こちらは、エデ族の長屋を利用したカフェ「ARUL HOUSE」。
敷地内にいくつかある家屋で、のんびりと休憩できます。

個性的な彫刻は見応えあり
おっぱい階段や女性の像など母系を示す彫刻も
柱の頂上には母子の姿
外の扉には象に乗る人や踊る人、
先ほどの民族酒を飲む人などが彫られています
※建物裏に上りやすい階段あり

↑ 今回は、こちらのカフェ入口にある家屋で休憩します。

メニューはジュースやヨーグルト、スムージーなど。
たとえば「ミックスジュース(Nuoc Ep Hon Hop)」は、ほうれん草・セロリ・リンゴ・ニンジンが入った「JAK SIAM」など、メニュー名にエデ族の言葉が付けられています。

残念ながらこの日はミックスジュースが売り切れだったので、ザボンジュース(Ep Buoi)にしました。

スタッフが着ているエデ族の民族衣装もかわいかったです。

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ARUL HOUSE
住/17-19 Trần Nhật Duật, Tân Lợi, Buôn Ma Thuột
営/6:30-22:00
電/0916・434・478
FB



アコドン村 観光エリア

カフェを出て向かったのが、村の奥に位置する観光エリア「アコドン エコツーリズムエリア(Khu Du Linh Sinh Thai Ako Dhong)」。

"アコドン" はエデ族の言葉で
「アコ(Ako)」=集水地域
「ドン(Dhong)」=谷
アコドンで「水の集まる谷」を意味します。

水辺にあるカフェ

このエリアでは、伝統的な建築様式で建てられたエデ族の長屋や文化に関する展示がされていて、少数民族の文化に触れることが可能。

敷地内にあった母子像
中央高原の少数民族に伝わる木彫りの仮面

↑この仮面は、特にバンメトートより北側にある、コントゥムやザライ省の伝統的なお祭りで用いられるそうです。

入場無料なので緑豊かな敷地内を散策するのも自由

「少数民族の文化に触れられる」とはいえ、分かりやすい展示物の案内などはなく勝手に見てねという感じなので、外国人には少々分かりづらい印象。

なので、いっそ泊まってしまうという思い切った選択も。
敷地内には、宿泊エリア「アコエア ツーリズムエリア(Khu Du Lich Sinh Thai AkoEa)」があり、いくつかのロッジが集まるエリアがあるので、ローカルステイを楽しんでみるのもありかもしれません。

宿泊エリアの入口

地方のロッジ泊なので、「水回りの衛生面が、ローカル感あふれる感じでもOK」という人向け。自然の中で寝泊まりして、村内のレストランで中部高原の名物料理を味わったり、タイミングが合えば、敷地内のステージで民族音楽の演奏が聴けるかもしれません。

参考動画

エデ風のロッジ
ロッジへの出入りはおっぱい階段で
小川沿いにテラスのある2人用ロッジも

↓ 宿泊について詳しくはこちら
Booking  Agoda  


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Ako Dhong Eco Tourism Area
住/Tran Nhat Duat, Tan Loi, Buon Ma Thuot
電/090・985・4434
FB


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