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カレー七変化

日曜日に母と話していたら、明日のごはんはカレーだと言う。

「カレーって認知症予防にいいらしいのよ、お父さんもお母さんも危ないかもしれないから、明日はカレーなの」

認知症の心配はまだないと思われる我が身だが、話を聞いてカレーが無性に食べたくなった。そんなわけで水曜日、カレーを作ったのだった。

★好きなカレーについて

喫茶店や老舗の洋食屋さんに行くと、よく欧風カレーがその店の名物となっている。

メニューにあるとそそられる。周りの人が食べているのを見てまたそそられる。
つい注文して、運ばれてきたカレーをひとくち食べて、

「……なんか違うんだよなあ」

私はこれをよくやってしまう。

ゴロッとしたお肉と、煮込まれた濃い、それでいてさらりとしたルー。具材は至ってシンプルで、お洒落。
いや、美味しいのだ。当然。

だけど、私が好きなカレーは、いわゆる家庭のカレー。じゃがいも、にんじん、玉ねぎがごろごろしてて、お肉はピラピラの豚こまで、ルーは煮込まれてどろっとしてて。
結局私が一番好きなのは、そういう飾らない庶民派カレーなのだもの。

★1日目のカレー

そんなわけで、何も飾らない家庭のカレー。

You Tubeの料理チャンネルを検索すると、「いつものカレーがこの一手間で!この食材で!プロの味!」みたいなのがよく出てくるが、別にそんなのは求めていない。
実は何度かそういうレシピを試したことがあるけど、結局はルーのパッケージ通りに作るシンプルなカレーが一番好きだな、というところに落ち着く。

ルーはバーモントカレーの辛口がイチ推し。
これほどまでに日本人好みのカレールー、なくないですか? 飯盒炊爨やらお泊り保育やらお祭りやらで登場するカレーはすべてバーモントカレーだった気がする。我々はみんなバーモントカレーで育った。

とはいえ、コクが増すものはなにか入れたくなってしまう。いわゆる隠し味というやつだ。
昔実家のカレーは必ずチョコレートを一欠入れていたっけ。あとセロリなんかも良いという。
今回は生姜とにんにくのみじん切りを炒めてみた。香りがたって、いい感じ。

そこに豚こま、玉ねぎ、にんじん、じゃがいもを投入。炒めてから水を加えてグツグツ煮込んでいく。

この水の量がなんだか難しい。
野菜にしっかり火を通すべく、煮込みすぎると水が飛ぶ。あらあら少なくなったと加えたら今度は多すぎる。ここを極めたらカレーを極められるんだろうなといつも思う。

ルーを溶かしてさらに煮込む。
少し水が多かったかな、もっと煮込もうかな。
そう思っているうちに炊飯器がピーピー言い出した。これはまずい、カレーは炊きたてのごはんに限る。いいや、こんなもんで。

そう思ってよそった1日目のカレー(慌てて食べ始めたので写真はありません)。

しかし案の定、私の求めるカレーより水っぽい。なんかちがう。
んー、カレー道は難しい。

★2日目のカレー

ひとり暮らしあるある、カレーを作るとしばらくカレー。2日目までは全然オッケー、むしろ2日目が一番美味しい。

そんなわけで帰宅後、冷蔵庫で眠るカレーを取り出してフライパンで温める。
ほんのぽっちり牛乳を加えて伸ばしたら出来上がり。作り置きバンザイ。

そうしてできた二日目のカレー、これこれ、この感じ!
水分がしっかり飛んで、どろっとしてて、牛乳のコクが少し入って、じゃがいもや人参は少しずつ煮崩れてて。
あー、私は水分が程よく飛んだカレーが好きなんだろうな。

大満足の2日目カレーでございました。


★3日目のカレー

今回は3皿分作ったので、あと1日残っている。
一晩は冷蔵庫でもいいかなと思ったが、二晩はどうだろうか。一応冷凍しておくか。
そうして初日のうちに冷凍庫に突っ込んでおいたカレーを取り出す。

カレーの悲しいところは、冷凍するとじゃがいもの食感が悪くなるところ。なので冷凍カレーはなるべくそれが気にならないメニューに進化させることになる。

よし、今日はカレーうどんだ。

思えば先週もカレーうどんだった。
教訓(冷凍うどんをうどんつゆで茹でるというズボラ料理をするべからず)を生かして、まずは鍋でうどんを別茹でする。
もう一つ出した鍋に冷凍カレー、それから水とめんつゆ。あとしめじも入れちゃおう。
双方温まったら合わせて、出来上がり。

野菜が足りない気がして、贖罪のほうれん草を添える。
これでよし、いただきます。

2週連続のカレーうどん。でも残り物カレーで作るカレーうどんと、カレー粉で1から作るカレーうどんって違いますよね。
野菜や肉がしっかり煮込まれて、しかもカレールーのコクが入ってるからかな、おいしかった。

そんなわけで毎日カレー生活は3日で無事に終了。
なんだかんだでね、家庭のカレーは最強です。



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