老人とトランプ
いもあんです。
アルツハイマーと診断された80代後半の父と
昨年末にトランプをしました。
ルールを覚えているだろうか
と心配しつつ、何をしようかと思いながら
トランプを配ってみると
同じ数字を選んで捨て始めたので
きっとババ抜きだ!
と思い、ババ抜きを始めました。
デイサービスでも行っているようで
困ることなく、スムーズに
ゲームは終了しましたが
最後にババを持っていたのは父でした。
3回ぐらいしたでしょうか
何故か父はすべて負けてしまいました。
ゲームを変えようということで
7ならべをしてみました。
ん~~わからないと言いつつ
それなりにゲームを進めていくことが
できました。
私はそんな風に思っていたのですが
なんと、父はあえてカードを
出していませんでした。
いじわるして止めていたのです。
いろんなことを忘れていても
トランプゲームで策を忘れないのか…
複雑な思いでした。
負けたことがよほど悔しかったのでしょうか。
しかし、7ならべも父は全敗でした。
その後、神経衰弱もやってみました。
脳の準備運動ができていたからか
何枚かはゲットすることができました。
さすがにもう疲れたと
ここでゲームは終了しました。
トランプをするのもたまにはいいかも
そう思いながら、お正月を迎えました。
今年のお正月は父の孫が勢ぞろいしました。
父の中ではみんなまだ小さいらしいのですが
実際は一番若者でも20歳をこえています。
みんな大人になっていました。
当然ながら、誰が誰だかわかりません。
ただ、たくさんの人が自分のところに
集っていることに喜んでいるようでした。
たくさん人がいるといろんな情報が
入ってくるので、脳は疲れるのでしょうか
トランプをしようと誘ってみましたが
前回のようにすんなりとは
入ってきませんでした。
最初に一番ルールがわかりやすいものをと
神経衰弱をしてみましたが
気もそぞろで、まわりの人が気になるようで
トランプに集中することができませんでした。
ババ抜きからやった方がよかったかも
と反省しながら、きっと明日には
忘れてしまうのだろうけれど
こんなにたくさんの親族がそろって
顔を合わせられることに
また、みんなが父の様子を気遣って
驚きながらも対応していることに
幸せを感じました。
そういえば、父親とトランプで遊ぶなんて
大人になってからしていなかったなと
改めて思い出しました。
病気になるのはつらいことだけれど
そのお陰で、こうして楽しい時間を
共有できているのかもしれません。
皮肉なものですね。
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