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長距離指導者から見た写真撮影ファン像 ~こんなファンはいらない~



★都道府県対抗男子駅伝 選手お見送り

都道府県対抗男子駅伝では、1区スタート地点で選手紹介を行ってから各区に選手が向かいます。そのお立ち台から移動バスまでの間に花道が出来、選手達は各県の応援団やファンの声援を浴びながらバスに向かいます。

私の周りには20代くらいの女性ファンが沢山いて、とても華やかな雰囲気です。
彼女達より年長の自分には、この場はかなり華やかすぎて、少し離れた「お姉さま方」が沢山いるゾーンからお見送りをすることにしました。
(トップ写真はこの場所から望遠レンズで撮影したもの)

★オバちゃんたちの大声援

畳1畳分くらいの応援メッセージを掲げた方達のそばに行くとすんなり混ぜてもらえ、お互いに自分の推しチームや選手を語り、「じゃあその選手が来たら一緒に声を掛けよう!」ということになり、一気にオバちゃん応援ゾーンと化しました。
右隣の方は、大学三大駅伝で活躍した有名どころに黄色い声援を飛ばします。
選手や女性ファン達から見たら、自分の親世代、祖母世代がゴロゴロいたわけだから、不気味だったかもしれません。


応援メッセージを持つのは、某県の指導者さん。(以後Nさんと呼びます)普段は中学生の指導を行っており、今回も教え子が走られるとのこと。某県の選手達はみなさんNさんをご存知で、Nさん達が大声で名前を呼ぶと一瞬で選手の緊張が解けるのがファインダー越しに見えました。

★指導者から見た陸上ファン

選手紹介の合間に、Nさん達とオバちゃんトークを楽しんだのですが、私の持つカメラを見ながら「どんな写真を撮るの?」と質問が来ました。サラッと説明して「Nさんから、我々はどんな風に見えますか?」とお返ししましたところ、こんな答えが返ってきました。

 *有名大学の選手が出ると撮影メインの観戦に来る女性が増えた
 *自己満足のためにする「行動」を選手に押しつけないで
 *「この人には応援されたくない」と思わせるファンが少なからずいる

「あくまでも学生だから、そこは弁えて応援してほしいわ」と言われたことに、激しく同意します。


★こんな人には応援されたくない

「では、『この人には応援されたくない』ってどんなことですか?」と改めてお尋ねしました。

レース前の精神統一のときを例にあげます。
例えば音楽を聴いたり、瞑想しているところで、選手の写真を撮る人がいます。これは許せません。

レースは自分との戦いです。そのために集中しているのに、「カッコいいから」とかの理由でファンが写真を撮る行為は、本当に選手のことを考えているとは思えない。

あなた達写真を撮るファンは自己欲求を満足させるために撮影してるでしょ?それって選手のためにはならない。
いくら自分が指導者であってもレース前のこんな時には絶対に声を掛けません。

もし選手の方から私に声を掛けてきたら
『集中できてないね。はい、今日のレースは終了!出直しなさい。』ってバッサリ切り捨てます。

もう、脳天をカチ割られた気分です。(私は事前許可を得ていない限り撮らないけれど、許可なく撮っている人は良く見かけますので)

驚きの展開が待っていた

しょぼ~んとしていると「あなたはどんな写真を撮るの?」と聞かれました。

自分のInstagramをお見せしながら、撮影スタンスをお話ししました。
Nさんは、バッグから名刺を取り出すと「うちの県の子の写真も撮ってもらえたら、送って頂けないかしら。」

頂いた名刺をみて驚きました。世界選手権メダリストが所属する団体の指導者さんでした。
ついさっき写真の整理をして、メールで送りました。

喜んでくださるかバッサリ切られるか、ドキドキの時間を過ごしています。

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