顧客との打ち合わせが上手い人がやっていること
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顧客との打ち合わせが上手い人がやっていること

いまにし

打ち合わせに苦手意識を持っている人は多いのではないでしょうか。

私はウェブディレクターとして、これまで数多くの打ち合わせに参加してきましたが、プロジェクトを円滑に進めていくためには、ファシリテーターのスキルによるところが大きいと実感しています。

打ち合わせのスキルについて、新入社員への研修に組み込んでいる会社もあると思いますが、上司や先輩の打ち合わせに同席する中で、見よう見まねで身に付けてきた人も多いでしょう。

日常的に打ち合わせをしている人からすると、当たり前すぎる内容かもしれませんが、私自身がこれまでにフィードバックを受けて意識していることも含めて、打ち合わせが上手い人がやっている共通点をまとめてみました。

最初に打ち合わせのゴールを伝える

打ち合わせをするからには、終わったときに明確にしておきたいゴールがあるはずです。

ゴールを曖昧にしたまま進めてしまうと、せっかく日程を調整して打ち合わせをしたのに、何も決まらずに終わってしまったなんてことになりかねません。目的は意思決定をすることにあるので、何も決まらないのであれば、忙しい中で集まって実施する意味がありません。

打ち合わせの前日までには、議論したいアジェンダを送っておき、「何を決めるための打ち合わせなのか」を明確にしておくべきです。その上で、打ち合わせの冒頭でもゴールを明確に伝えてから開始することで、参加者の意識が決めるべきゴールに向きやすくなります。

事前に送付するアジェンダ例
■内容
・画面設計のご説明(30分)
・質疑応答(20分)
・直近のタスク確認(5分)
・今後のスケジュールについて(5分)

■打ち合わせのゴール
ウェブサイトの各ページに掲載する情報の種類や優先順位に相違がないかを確認し、レイアウトの基本的な方針を決めることを目的とします。
※色や書体などのビジュアルデザインや、コピーや原稿については、今回の打ち合わせでは検討しません

全体像を伝えた上で細部の説明をする

打ち合わせに慣れていない人がやってしまいがちなのは、話の全体像を伝える前に、いきなり具体的な細部の話をしてしまうことです。

聞き手からすると、全体に対してどの部分を説明されているのかが分からないので、唐突感があって戸惑ってしまいます。

上記の例のように、ウェブサイトにおける画面設計について説明するのであれば、ウェブサイトを公開するまでにはどのような工程が必要になるのかと全体像を伝えてから、画面設計の説明に入るべきでしょう。

画面設計の資料について説明する際には、資料の構成はどのようになっているのかと全体像を伝えてから、各ページの説明に入るべきでしょう。

打ち合わせが上手い人は、常に情報を構造化して「全体→詳細」の順番で伝えるので、相手は迷子になることなく安心して聞き進めることができます。

会話の例
「本日は、私たちから画面設計のご説明と質疑応答の2つのパートに分けて進めます。

資料の構成としては、制作する主要な20画面に対して、画面ごとに主な動線や役割、設計の意図についてまとめてきています。

まず最初の●●画面についてですが、~」

質問には結論から答える

「結論から話そう」とはよく言われることですが、人から質問をされた場合も同様で、まずは相手の質問に対して明確に答えるべきです。

「これは○○ですか?」と聞かれたのなら「はい」か「いいえ」で、「これはAとBのどちらですか?」と聞かれたのなら「A」か「B」のいずれかを回答し、理由は後から説明すればいいのです。

相手に誤解を与えないよう丁寧に説明をしているつもりでも、質問をした相手は結論が見えない状態で長々と話を聞かされるので、ストレスが溜まっていきます。

なお、質問の内容によってはすぐに回答できないこともありますが、何らかの回答をしなければと推測でそれっぽいことを話しても意味がありません。「分からない」ことが結論なので、まずはそのことを伝えればいいのです。

会話の例
「ウェブサイトに掲載する原稿や図版は、私たちが用意する必要がありますか?」

「はい。素材として用意していただきます。
ただし、最終的には私たちの方で分かりやすく伝わるようにアレンジしますので、作り込まれたものでなくても構いません。
後日、原稿を管理するためのシートをお送りするので、そちらに記入してください。」

デメリットがあれば正直に伝える

顧客に提案をする場合や質問を受けて回答する際に、まるでメリットしかないかのように伝える人がいますが、懸念点もあるならば伝えるべきです。

メリットだけを伝えていると、打ち合わせの場では前向きな議論で進んでも、後日デメリットが発覚した際に、顧客の心象を悪くするだけでなく、再度検討をし直す必要も出てきます。

顧客が「やりたい」と言ったことは、必ずしもそれが最善だと思っているわけではなく、可能性の一つとして無邪気に言っているケースもあります。言われたことをそのまま実施して欲しいのではなく、プロの意見として是非を聞きたいはずです。

言われたことをやるだけの御用聞きにならないためにも、メリットとデメリットは必ずセットで伝えることを徹底したいものです。

会話の例
「WordPressの●●というプラグインが良いと聞いたのですが、利用しても問題ないですか?」

「はい。利用することは問題ないです。
利用したい機能が限定的であれば、開発コストを抑えることができます。
ただし、デメリットとしては後からカスタマイズをしにくいことや、今後WordPressをバージョンアップする際には、正常にプラグインが動作するかを確認する必要があります。」

横道にそれた話も無理に遮らない

アジェンダ通りに進めようとするあまり、話が横道にそれた場合にすぐ軌道修正をしてしまうことがあります。

しかし、一見すると関係なさそうな話だとしても、実は顧客が感じている課題が潜んでいるかもしれず、プロジェクトを進める上での重要なヒントが見つかるかもしれません。

打ち合わせの目的により変わる部分はありますが、より多くの意見を引き出したいのであれば、「発散」と「収束」を使い分けることが重要です。

発散では、どんな意見でも否定したり話を止めたりせず、まずは様々な意見を出してもらう必要があります。ヒントに繋がりそうな内容であれば、深掘りをしてさらに引き出します。発散だけではまとまりがないため、議論する焦点を絞って収束をしていきます。

打ち合わせが上手い人は、相手から話を引き出すことと軌道修正のバランスが絶妙です。

複雑な話はたとえ話で言い換える

顧客のリテラシーにもよりますが、専門用語が頻繁に飛び交うような話をしても、聞き手としては理解が難しく、本来の目的である「正しく伝える」ことができません。

打ち合わせが上手い人は、相手のリテラシーに合わせて伝えるべき内容を一般化して、たとえ話で言い換えている人が多いです。

一般化や抽象化をするためには、自分自身が正しく理解できている必要があり、伝えるべき内容に対して、より相手に伝わりそうな言葉を選択する気づかいも必要です。

たとえ話を連発しても分かりにくいですが、「このまま話しても伝わらないかもしれない」という場合には、身の回りにあるものや、相手の業界に置き換えて話してみると、納得感を持って聞いてくれるのではないでしょうか。

会話の例
「本日にお見せするのはワイヤーフレームと呼ばれるものですが、簡単に言うとウェブサイトにおける設計図のことです。
ウェブサイトを作るためには、いきなり配色や写真などの表層的な部分ではなく、各画面ごとの流入経路や役割などを明確にして、どのような情報を盛り込むべきかの骨組みから検討していく必要があります。」

曖昧な話は「こういうことですか?」と確認

ちゃんと話を聞いているのに、「曖昧で何が言いたいのかよく分からない」なんてことがないでしょうか。

「聞き返したら失礼かな…」「自分の理解度が低いのかも…」とそのまま話を進めてしまうと、後になって認識の相違が発覚し、大きな問題になりかねません。

話が曖昧だと思うのなら、自分の解釈を整理して「それってこういうことで合ってますか?」と聞くべきです。話の内容自体は理解できるものの、なぜそうしたいのかの意図が分からないのであれば、「意図は○○ということでよろしいですか?」と聞けばいいのです。

コミュニケーション上手な人は、「私の解釈が間違っているのかもしれないのですが」のように枕詞をうまく使いつつも、聞くべきことはストレートに確認をしています。

曖昧なままボールを受け取ってしまうと、次の人にも曖昧なまま渡すことになってしまうので、曖昧な点はその場で解消しておくのが望ましいでしょう。

次回までのアクションを確認

打ち合わせの中では、確認事項や次に対応すべき作業について議論されていても、「誰が」「何を」「いつまでに」を明確に決めておかないと、タスクが宙に浮いた状態になります。

そのため、打ち合わせの最後には、双方で次回までにやるべきアクションを確認しておくようにしましょう。

そして、打ち合わせ後の1営業日以内には議事録を作成し、議事内容の確認と合わせて、確定したアクションを双方のToDoとして再度伝えましょう。

また、相手のタスクだからと無関心にならず、「進捗はいかがですか?」「対応にあたり悩んでいる点はないですか?」など、適度にリマインドするのが理想です。そこまで気を回さなければ、プロジェクトを円滑に進めることは難しいでしょう。

会話の例
「最後に、次回までの双方のアクションについて再度確認します。
御社はサイトで使用する原稿素材について、●日までにご準備ください。
弊社は本日にフィードバックいただいた点について、●日までに修正の上で再提出します。」

打ち合わせ議事録の例
■直近のToDo
クライアント名
・原稿素材の準備(●月●日まで)

自社名
・画面設計のフィードバック対応(●月●日まで)

■議事詳細
打ち合わせで議論・質問があった箇所について記載

最後に

ここまで書いたことは、普通にやっている人からすると、当たり前で何の目新しさもないと思います。しかし、思いのほか多くの人がこの基本を徹底できていません。

私自身も以前は打ち合わせに苦手意識があり、プロジェクトを推進している実感を持てない時期がありました。しかし、上司や先輩から多くのフィードバックを貰ったり、打ち合わせが上手い人との同席が増えたりすることにより、ようやく勘所が掴めるようになりました。

もし苦手意識があるのなら、打ち合わせの前には上記で挙げたポイントを確認してから臨むことで、有意義な時間にできるのではないかなと思います。

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いまにし

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いまにし
ウェブ制作会社ベイジのマネージャー兼ディレクター。BtoBサイト/ディレクション/マネジメント/採用/組織作りなどに取り組んでいます。noteでは仕事の振り返りや日々の学びなどを書いていきます。ナレッジブログ : https://baigie.me/officialblog/