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トロントワーホリ 音楽を作成している黒人ルームメイトの話

住み始めたばかりのシェアハウスにあるキッチンで夜ご飯を食べていると、ビーニーを被った高身長の黒人がラップトップからビートを流してもう片方の手には冷凍のピザを持って2階から降りてきた。

彼はこのシェアハウスに長く住んでいるのか、”あ、また新しい奴が入居してきたのか、ふーん”感を出して、自分の事をあまり気にせずにその持ってきたピザをオーブンに入れて外にある庭へ歩いて行った。(後から判明したが、彼は毎回マリファナを吸うために庭へ行っていた)

ピザが焼けたか確かめるために何度か戻ってきてまた庭へ行きを繰り返し、ようやくうまい感じに焼けると僕の隣に座ってピザを食べながらラップトップでゲームをし始めた。

「ビート作ってるの?」と聞いてみた。
ここの家に着いてから2階から何度も同じ曲の重低音が繰り返し聞こえてたので、聴いているのではなく作っているのかな?と思ったからだ。
「ミュージックスクールに通っているんだ!」と彼は言った。そこで自分が知っている黒人でヒップホップのビートを作るアーティストの名前を挙げたら「お、お前知ってるじゃん!」と驚かれ、良い感じに距離を縮める事ができた。

これが僕とカナダ人のルームメイトとの最初の対話だった。

そしてそして、その後も彼と何度かキッチンで会って少し話したりしていると、彼は少し迷惑なルームメイトという事が分かってきた。

例えば、彼は毎日毎日ピザを食べていて、何で毎日ピザを食べているの?と聞いたら、「これを食べると筋肉が付くんだ」とか言ったり、ピザをオーブンで焼くために使ったヘラを洗わずにそこら辺に置いて部屋に行ってしまったり、部屋で草を吸って家中に匂いが充満したり(オーナーがたまに自分たちをチェックしにきたときに、匂いがバレてかなり怒られていた)、夜中3時くらいにスピーカーで爆音でビートを流してラップをし始めたり、トロントの冬なのにヒーターがつかない時期が2ヶ月ほどあり、それに耐えきれずその時にベースメントでヒーターの工事をしていた大工に怒鳴りに行ったり(まあ確かにトロントの冬にヒーターが無いシェアハウスはかなりヤバいし、家の中の様々な場所が改装中の家を貸し出すのもヤバい。このルームメイトもやばいけど、オーナーも同じくらいやばかった。この後彼は警察を呼んでたりしたが、詳しいことは分からない。自分は自分のことで精一杯だったし。)そして、部屋にオーナーに内緒で犬を飼っていたり。(3ヶ月経っても気づかなかった。それもそのはずその犬は全く吠えなかった。毛も汚れていて不健康そうだったから吠える気力がなかったのかな?)、、という感じで挙げ出したらキリが無かった。

、、注意すれば良いじゃん、オーナーに言ってシェアハウスから追い出せば良いじゃんと思うかもしれないが、何か言っても素直に聞くような奴ではなく、シェアハウスもオーナーが契約書無しでキャッシュのみでやりとりしていたので強制的に追い出す事ができなかった。(おいおいどんなところに住んでたんだよ自分笑笑)

そして彼が自らの意思で退去した後に彼の部屋をオーナーが掃除していたんだけど、ゴミだらけで自分を含め4人がかりで掃除したのを覚えている。(その時は時間があったから手伝ってあげていた。別に強制的に手伝いをさせられた訳ではない。)

まあ色々問題のある奴だったけど、実際に話すと落ち着いていて頭がキレてて良い奴なんだよな。

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