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「八方良し」〜保坂浩輝さんの講演会+著書に触れて〜

先日、山梨で「本物」の伝統工芸品だけを集めたセレクトショップを運営される傍ら、講師や田舎でのコミュニティ作りでも活躍されている 保坂 浩輝 さんの講演会へ行きました。

色んな人から、農業や物作りを営みながらローカルな生活圏を作ってらっしゃるとも聞いていて、一度しっかりお話を聞きたかった願望が叶った。

講演の内容は奥が深く消化しきれない部分もあったが、この時売って頂いたご本人の著作を読むと、この日の話と同じような旨が解り易く書かれていて、復習できた。
(2週間経ちましたがやっと読みました!)                 

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まず、「八方良し」とは、
「作り手・使い手・傳え(つたえ)手・環境・地球・日本・世界・子ども=未来」の8者全てにとって良いことを意味する。

そして「八方良し」の条件を満たす物こそ「本物」であり、それを扱うことがご本人にとっての「志事(しごと)」かつ人生の目的である。

日本は自然環境や資源に恵まれている上、伝統的に各地の職人がそれを活かした物作りをしてきた為、本来は「本物」の日用品・工芸品が豊富に存在して然るべきだと強調されている。

問題は現代人からその意識が薄れ、安く効率的に大量生産しようと海外の資本や手法を取り入れてしまい、日用品から衣服、食べ物に至るまで質の低いものばかりが増え続けた結果、忙しく働いている割に、物質的にも心理的にも生活の質が下がっていることである。

そこで、誰でも日常生活で手軽にできることとして、買い物時に高くても良質で長持ちする「八方良し」なものを選ぶことを提唱されている。

しかしご本人の仰る通り、物の価値の本質を見極められる「目利き」な人はなかなかおらず、
僕自身もそんな特殊能力があるとは思えない。

では、買い物以外で今日からできることは何なのか。
少し考えた末、理想を外に求めるのではなく、
まずは自分自身が「八方良し」な存在に少しでも近づけるよう、日頃の言動や生活習慣を工夫しようと考えた。

とはいえ、僕は物ではなく人間なので(笑)、「八方」を置き換えて考える必要がある。

・作り手→過去の自分
・使い手→今この瞬間の自分
・つたえ手→自分と関わり、評価もする他人
更に、(自分の外の)環境、地球、日本、世界、子どもの未来の為に自分ができることは何かと考える・・・話が壮大になってくる。

つまり、身近な人も知らない人も、自然や動植物などの生き物も、また過去の自分、現在これを書いている自分、そして未来の自分自身の存在も、全てを受け入れることなのだろう。

自分にとって苦手な相手を無理に同情・共感・許容する必要はなく、相手は相手、自分は自分と割り切って干渉し合わないこと、価値観を押し付けないこと、それでも物理的に共存している事実は認めるということ。

人間以外の生き物も同じ。
昔の職人がその土地の資源や自然を活かして「本物」を丁寧に時間かけて作っていたというのは、自然・動植物との適切な共存の仕方を心得ていたからできたことではないか。                       人間も動植物も、そして細菌やウイルスなど全ての有機物はみんな必死で生きている。

それは自分自身も同じ。
これまでも必死で生きてきたし、これからも必死で生きていくであろう。
僕が変えられるのは、自分自身の未来の行動だけである。

その為の具体的な行動となると、やはり「八方向」に生きる(人間含む)生き物が存在することを認識し、俯瞰して見ることがまず必要になってくる。
次に、そういう世界の中で自分軸をしっかり持ち、それをできる範囲で表現していくことだろう。

だから、他者に表現できる程度には、自分自身のことを知っている必要がある。
やはりまずは、引き続き自分の感性(五感)を磨くというか、
外部環境や他人の意見、場の空気などに影響されない「基本的」な状態を感じる時間を常日頃からもっと意識して設けたい。

もっとも、既に五感を正常化して免疫力を高く保つ為に、部屋を整えたり日記を書いたり、
食事に気をつけたりといった習慣は定着してきた。

そろそろ、それによって気づいたことや習得した知識を人に伝えたり、貢献できる環境に身を置くことも考えても良い段階なのだろう。

保坂さんたちの山梨での自給自足やフリースクールなどもされているコミュニティ活動にも、一度直接伺ってみたいです!

♦️保坂氏のお店のホームページ



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