【代表インタビュー】イミューが実現していく未来<後編>
イミューが目指す未来について、後編です。
▼前編記事
ーこれまでにイミュ―の企業理念やその成り立ちについて教えていただきましたが、併せて事業の展望についても聞かせてください!
イミュ―という会社の個性や強みは、チャレンジのできるメンバーが、地域に物理的に近いところで主体性をもって動けることと、地域ファーストで動いているところの2点だと思っています。その上で、各事業の展望はこんな感じで描いています。
〇パートナー事業
まずはイミュ―の主幹事業であるパートナー事業についてですが、ここは今までやってきたことをちゃんと続けていくことが何より重要です。
ー地域に自分たちが入り込んで主体的に動くという幹の部分は、今までもこれからも変わらずに続けていくということですね。
はい。その上であえて伝えるのであれば、今後はより“可視化”と“外部発信”を強化していく予定です。
先に言った通り、自治体の多くがその地域の住民ではない関係人口とのコミュニケーションには慣れていません。そんな自治体の方々をこれまで以上にサポートしていくためには、関係人口となる方々がどのような想いを持っているか、どうやったら地域を好きになってもらえるか。そういった距離があって見えにくい部分を、イミュ―の武器であるマーケティングの視点で可視化し、その姿をより鮮明に自治体へ提供していきたいです。
また外部発信について、これまで私たちは、地域と一緒になって磨いたブランドや地域そのものの魅力を、期間限定のオフラインイベントなど手法を用いて生活者の方々へお届けしてきました。今後はこの部分を先鋭化していき、いかに地域ブランドに共感していただき、どうコミュニティを形成していくか、というのが課題になります。
〇地域ブランド事業
前にお話しした、地域に残る資産としてのブランドを作っていく事業では、商品と歴史文化の2軸の魅力を産みだすことを考えています。
商品の軸では、当たり前のことですけど美味しくて買いたくなるような商品づくりを。歴史文化の軸では、例えば白糠で言えばアイヌという固有の文化や、地域の持つ綺麗な水に関連したブランドストーリーを創出することがこれに該当します。つまり、この地域でブランドや商品を作っていく意味みたいなものを付与することで、生活者から愛されるブランドにしていくんです。
また、そのブランドが地域経済に貢献していくスキームも重要です。地元で商品を作って、地元で雇用を生んで、地元にお金を落とすスキームを取れば、本当の意味で自社だけでなく地域に利益を残すことが出来ます。具体的に今イミュ―で取り組んでいる事例としてシラリカいくらを挙げると、このブランドではシラリカという法人を白糠町内で作ることで、法人税や住民税、消費税が落ちる仕組みになっています。
ーまさに地域ファーストな取り組みですね!
これは格好つけた言い方になるかもしれないんですけど、前にお話しした地域視点で物事を見た時に、どうしても自治体そのものを強くしていく必要があると感じました。数多くある地域課題を解決していくには、国や都道府県といった広い考え方ではピントが合いません。なので、しっかりと課題に向き合う事ができる市区町村を強くしていくことに、イミュ―のブランド事業そのものが貢献できるよう考えています。
ーこういったスキーム作りにおいて、参考にしている事例はありますか?
このスキームで言うと、同じ白糠で活躍されている「町おこしエネルギー」という会社から得た学びが大きいです。この会社は地熱発電に関わる事業を行っているのですが、この進め方こそ地域と企業が共生していく理想的な姿の1つです。
そもそも日本は、再生可能エネルギーとして注目される地熱発電におけるポテンシャルが世界で3番目くらいに高いとされています。ですが、地熱発電の施設を作るためにはボーリングで地面を掘っていくために、1つの施設に対して約25人の技術者が着く必要があります。ですがその技術者は、国内に250人しかいないため、たったの10機しか同時に回せません。
このような背景の中で町おこしエネルギー社がしたことは、白糠での切削(せっさく)専門学校の立ち上げと、教員や教材の無償提供でした。そして、卒業生を関連大手に就職させてから、自分の事業を手伝ってもらう形にしたんです。このスキームは、地域のボトルネックを先に解消してから自分の事業を行う進め方で、これこそ地域で事業を行う上での真髄だと思いました。
これをイミュ―に置き換えると、漁業が量から質に転換していく社会の中で、先に質を高める機能そのものを、地域や地域の漁業従事者に提供していく。そこで出てきた質の高い魚を、今度は自分たちで仕入れて販売していくようなスキームが完成すれば、本当の意味で地域で主体的な立場として動けるんじゃないかと思っていますし、こういった取り組みが成功していけば、様々な地域を勇気づけることに繋がると信じています。
〇ふるさとリピートマップ(FRM)をはじめとした、関係人口可視化システムの開発
パートナー事業のところでお伝えした通り、より広く関係人口に関するデータを取得していき、生活者が地域に対して行う購買や寄付といった行動を今以上に理解できるようになることで、自治体に多くの知見を還元することができるバックエンドシステムとして拡充していきたいです。
また現在FRMは、今後地域づくりをご一緒させていただく自治体へのスクールに近い役割を担っています。関係人口の可視化を進めて、より多くの自治体に知見を提供していけるよう、レクチャーの場をさらに増やしていきます。
◇ ◇ ◇
ーありがとうございます。今進めているものの他に、これから始めてたい事業はありますか?
実際に出来るかどうかは置いておいて、やってみたいことは沢山あります笑 固い内容だと、関係人口を可視化した上で巻き込んでいく事業や、漁村と連携した陸上養殖の付加価値事業とか。他にもお肉のブランドを持ちたいし、お酒のブランドを持ちたい。酒蔵とブランドコラボなんかも良いですね! 日本酒もそうですけど、お皿なんかの伝統工芸にたいな、日本の伝統文化発信をするような事業にも興味があります。
ー聞くだけでも楽しそうな内容が沢山出てきましたね笑
自分でこう言うのもなんなんですが、会社のやっていることは多くの方に「正しい」と感じてもらえる事業だと思っています。ただ、その正しいことをより多くの方に「買いたい」とまで思ってもらうには、さらに「楽しそう」というエキサイトメントが必要だと思うんです。
これは「ゼブラアンドカンパニー」という企業の受け売りなんですけど、会社の利益追求と社会貢献という相容れないもの両方を取っていくためには、正しいだけじゃなくて“セクシー”にやっていく必要があります。この“セクシー”な要素がエキサイトメントで、お肉やお酒みたいなものってまさしくそれなんですよね。
ー黒田さんがお好きだから始めたいんだと思ってました……。
ちゃんと好きです笑
ーこれまでイミュ―や、その代表としての目標や展望について教えていただきましたが、最後に黒田さんご自身の夢をお聞かせいただきたいです!!
新しい食や文化、町に出会い続ける人生にしたいと思っています。以前住んでいたメキシコのグアナファト州は世界遺産の町で、部屋の窓からカラフルな風景が目に映るんです。そこでの生活の中で、自分の人生を同じ事に使うのではなく、「あんなこともあった」「こんなこともあった」って思い出しながら死にたいと感じるようになりました。
あと親が転勤族だったこともあって、年末に帰る場所がなく、地元の集まりみたいなものを羨ましいと感じているのもあります。なのでこれからの人生を通して、沢山の思い入れのある場所や、自分の帰れる場所みたいなものが欲しいです。沢山の地域と関わっていくことで、自分の美意識を高めながら、春はここ、夏はここ、みたいな感じで生活できたら幸せだろうと感じます。
ー黒田さん、ありがとうございました!
◇ ◇ ◇
株式会社イミューでは「地域に根を張り、日本を興す」というコンセプトのもと、地域資源のブランド化による産業創出を行っています。事業に関するご相談や取材、一緒に働きたいと思った方はHPからお気軽にお問い合わせください!
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