見出し画像

Uber Eats配達パートナーの実態調査①

コロナ渦で急成長を遂げたフードデリバリービジネス。

米国を発祥としたUber Eats(ウーバーイーツ)は日本においても5年前に国内へ参入し、現在では知らない人はいないのではないかといえるぐらいフードデリバリービジネスの代名詞的な存在となっています。

急速に事業やエリアを拡大されていく中で過去5年間、Uber Eats配達パートナーに関する様々な社会問題がメディアやSNSを中心に発信され注目されています。

本稿ではまず交通マナーの問題の原因について解説します。

その前にそもそも、フードデリバリーサービスの仕組みは携帯端末のアプリケーションを利用したITプラットホームをUber Eats Japan株式会社が提供し、実際にはレストラン(加盟店)・配達パートナー(配達員)・注文者の3社で成立する仕組みとなっています。

この中間的位置に存在する「配達パートナー」はUber Eats Japan株式会社と業務委託契約(正確には第三者契約)を締結し「個人事業主」として配達の役割を担っています。

「交通マナーの問題」はなぜ起こるのか?

配達パートナーは「Uber Eatsコミュニティガイドライン」に基づいて配達業務を行います。その中に配達遅延に関する規定があります。

配達遅延
多くの配達が、料理を受け取る先の店舗に到着する予想時間、または届け先の配達場所に到着する予想時間(ETA)の平均から著しく外れているなど、配達を終えるのが常に遅い配達パートナーは、アカウントへのアクセス停止措置を受ける可能性があります。配達パートナーの配達遅延時間が各都市における最低基準に近づき始めた場合、ご連絡の上、アカウントへのアクセス権を解除する前に改善するための機会を提供します。

ところがガイドラインにある「予想時間」について配達パートナーへは実際の配達中知る術がない状態にあります。最近の関連事件では、「最上もがUberEatsに「くそが」ブチ切れ投稿→謝罪。現役配達員はどう感じた?」が挙げられ、詳しくその原因について言及がされています。

アカウント停止とは雇用関係にある場合の「解雇」と同じ意味をもちます。特に専業で従事している配達パートナーにとって配達遅延を繰り返すことは死活問題となるわけです。

個人事業主と位置づけられながら時間の管理はおろか、基準値となるものが明示されない環境であるため結果、「とにかく急いで配達を完了しなければならない」という脅迫を受けながら配達を行っているに等しい環境であるわけです。

ここで重要なことは、AIが都市平均値に基づき検知とあるため、仮に配達道中の信号で運悪く全て赤信号だったため交通法規遵守をした結果、配達遅延となった場合も遅延は遅延として処理されるということです。

その付帯的結果として交通違反や事故、配達パートナー同様、注文者へもこのような背景事情を知らないことからクレームや最悪カスタマーハラスメント(カスハラ)といった負の連鎖が現在も起こり続けています。

実際のアカウント停止措置についてはガイドライン上では「連絡の上」とあるものの突然アカウント停止措置が行われていることも発覚しました。このような事実について公正取引委員会へ「Uber Eatsコミュニティガイドライン」を提出し質疑を行ってきました。

公正取引委員会の審査官2名により特に問題視されたのは、

・アカウント停止措置に関する具体性の欠如

・優越的関係の濫用

大まかにこの2点であり、独占販売禁止法第2条に違反していると指摘がなされました。

つまり今現時点(2021年11月10日現在)において、違法と司法機関が評価したガイドラインを運用し、レストラン・配達パートナー・注文者は運用し続けているということになります。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?