見出し画像

「APEXって結局なにが楽しいの?」【初心者さん向け楽しみ方コラム】#2

前回からのつづき。

シリーズ化する予定はなかったのだが、APEXの何が楽しいかを伝えるためには1本の記事で足りるはずもなかった。

そもそも、自分ごときがこんな主語の大きい話をしてしまっていいものか悩んだ部分もあるが、個人の感想記事なのでその点はご容赦いただきたい。

このシリーズは、「今はまだ初心者」という方や、「これかAPEXを始めてみようと思うけどハードルが高い」と感じている方に向けて、「私がAPEXを楽しいと思った瞬間」をまとめていくものだ。

今回は、このゲームの唯一の目的である「チャンピオン」についてお話ししたいと思う。

初めてチャンピオンを取った瞬間のことは過去にも記事にしているが、今回は「なぜチャンピオンを取ることが楽しいのか」を主旨にしてお話ししていこう。


2. チャンピオンを取るのが楽しい

前回、APEXにはチュートリアルがあるので親切な部類だというお話をした。

しかし、「このゲームの目的」はチュートリアルでは語られない。

少しメタな話になってしまうのだが、RPGで例えるのがわかりやすいだろう。

とあるRPGでは、主人公が出てくるよりも先に序章で魔王が登場し、魔王が世界の安寧を脅かしていること、魔王を討伐する勇者を求めていることが語られる。

つまり「このゲームは主人公になりきって魔王を倒すことが目的で、その過程のストーリーを楽しんでくださいね」という「最終目標の提示」が、RPGでは必ず行われる。

近ごろのRPGはストーリーが長いものも多く、中だるみを起こさせないためにもこの提示が中盤にあったり、「実は魔王は宇宙を滅ぼそうとしている存在から世界を守っていて」という形で、目標が途中で変わったりもする。

しかし、この「最終目標」がAPEXでは一切語られない。FPSタイトルには珍しく、背景のストーリーが緻密に練り上げられているにも関わらずだ。

それは何故か。

「FPSの最終目標は、敵に勝つこと」。

これはAPEXという単一のタイトルではなく、FPSというジャンルそのものに共通した目標で、大多数のプレイヤーが、APEXをプレイする前から、このゲームの最終目標を認識している。

いわば「FPSを名乗るために必要な条件」であり「ジャンルを遊ぶユーザーの共通認識」なのだ。

つまり、わざわざゲーム内で説明する必要がないほど、この目標はゲーマーが無意識に理解しているルールであるため、チュートリアルでも説明されないということだ。これに違和感を持つプレイヤーはほぼいないだろう。

私自身、このように文章化していても、なんて当たり前のことを書いているんだと感じているし、APEXを始める前から「このゲームは敵に撃ち勝ち続けて、最後の3人になればいいんだ」と理解していた。

そしてAPEXにおける「勝利」とはただひとつ、「チャンピオンを取ること」である。


「アドレナリンが駆け巡る感覚」を体感する。


考え方としては、個人競技のプロスポーツ選手に似ているかもしれない。

よく新聞の見出しに「〇〇選手、今季初勝利!」という言葉が使われているのを見る。
この見出しが指す勝利とは大会での優勝であり、予選での勝利などは含まれない。逆に優勝できなかった場合は「〇〇回戦敗退」といったように、負けたことが評価になってしまう。

APEXも同じだ。そのマッチ中どれほど多くの部隊を倒そうが、最終的にチャンピオンを取れなければ、それは勝利ではないのである。

少々暴論・極論なのは許してほしい。小さな勝利は大きな勝利の礎になる。

私はこのチャンピオンを取ることで得られる「達成感」や「満足感」というものに、ある種の危険性すら感じている(FPSのやりすぎで頭がイカレてしまったのかもしれない)。

APEXは難しいゲームだが、具体的に何が難しいのかと言えば、単純に「敵に勝つのが難しい」のである。

エイム技術の研鑽、リング内外での立ち回り、敵部隊との接敵方法、距離の詰め方、勝利後の漁夫警戒など、リアルタイムで変わる状況を前に次々に判断を下していかなければならない。そこに必要な知識と経験は膨大である。

しかし、そのあらゆる障害を乗り越えてつかみ取る「チャンピオン」という称号は、私の日常生活ではまず得られない達成感と満足感を与えてくれた。

初めてチャンピオンを取った瞬間、手に持っていたのはチャージライフルだったと記憶している。舞台はワールズエッジ。ステージ南に位置する「ザ・ツリー」の北側、「火力発電所」の駅との境目に、最後の敵部隊がいた。

自部隊は3人。敵は残り2人。私はザ・ツリーの中央にそびえる巨大な樹木の真下で、チャージライフルを片手に、味方が挿した赤ピンの方向を覗いていた。

そこには確かに敵が動いている様子が見えた。闇雲に撃つ。当時のチャージライフルは威力も弾保ちも今とは比較にならないほど良く、雑なエイムも許容されていた。

レーザーは敵をかすめ、わずかなダメージしか入らない。焦って次弾を照準したその瞬間、スコープ内に躍り出る味方の姿。

次の瞬間、画面いっぱいに表示される「YOU ARE THE CHAMPION」の文字。演出に驚いたのが最初の感想。そこから徐々に脈が上がり、手が震えだしたのを自覚した。

大きく息を吐く。「APEXのチャンピオンになりました」。アナウンスが響き、最終リザルトが表示される。0キル、200ダメージ。対する味方の1人は、13キル3000ダメージ。

今にして思えば味方のキャリーに乗っかっただけだし、その自覚もあったが、そんなことはどうでもよかった。

「APEXでチャンピオンを取ることはこんなにも楽しいのか」。

今までもゲームによって感情が揺さぶられることはあった。涙した経験もあるし、本当に不快な思いをさせるキャラクターもいた。

しかし、アドレナリンが駆け巡る感覚を味わわせてくれたゲームは、これが初めてだった。


そして病みつきになる。

そこからはもう坂を転がるかのように、APEXの沼にどっぷりと嵌まっていってしまった。

初めてチャンピオンを取った瞬間に感じたあの感覚が、今も忘れられないのだ。

上級者に手を掛けたとはいえ、チャンピオンを取ることはうれしい。確かに昔よりは興奮しなくなってしまったが、それでも毎回クリップを撮るくらいチャンピオンの経験は貴重だ。

ましてそれが「最終ラウンド・残り2部隊・1v1確定・上位ティア昇格戦」ともなれば、興奮の度合いは想像に難くないと思う(これも経験済み。やはり手が震えた)。

世の中、常に上には上がいる。しかし、そのマッチに限ってはチャンピオンを取った自分たちが誰よりも強いのである。それが例え完全に運だったとしても、相手の事故だったとしても、「運も実力の内」といえるのがAPEXなのである。

初心者の皆さんには、どんな形でもいい、まずチャンピオンを目指して頑張ってみてほしい。

銃を撃っているだけで楽しいと思う。生き残っているだけでも楽しいと思う。
そんな楽しいところばかりのこのゲームの、真の実力を味わうことができるだろう。

この記事が参加している募集

#全力で推したいゲーム

13,739件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?