8月第1週〜豊の国考古館〜
はじめに
私の博物館好きはきっと地元にあった歴史博物館のおかげだ。春と冬の遠足では合計9年間お世話になり毎度昼ごはんの後には友達とタダで入れてもらっていたことを今でも覚えている。しかしそれは内装や子供向けのパズルだけで実際の展示内容は全くといっていいほど頭に残っていなかった。ついでに高校生の頃の私は日本史を捨てていたので地元である大分県の歴史をほとんど知らない。ということで今回は大分にある博物館の中で立地が良く訪れたことのない豊の国考古館に行くことにした。
豊の国考古館
無料ということでさらっと常設展への案内を受け展示室に入ると最初に放映されているビデオで考古という物の見方を説明された。博物館ではなくあくまで考古の場所なのだという独自性がよい。そしてこの説明の後には大分県の歴史をゆるっと軽く流してくれるのだが本当にゆるゆるしているものなので人類が九州に移動してきて道具を使い始めたと思うと次は大友宗麟の話であまりにも軽すぎて思わず視聴2周目に突入してしまった。
そこから先はよくある中規模の県立の博物館といった感じであった。蝉の声が聞こえるし明るいしで最初から最後まで誰ともすれ違わなかったがそこまで怖くはない。区切られているゾーン毎にぐるっと回ることが多いからか床に矢印があってある程度の誘導をかけてくれるのが何気に有難い。好きな順番で見れることを売りにしている場所もさいきは多いが私は本を読むように順序だてて見たいので矢印が描いてある方が好きだ。
前半で特にお気に入りだったのがトロトロ石器である。その形、名前、用途が不明なところその全てが私を魅了する素敵な要素であった。物販でこれ関係のものがあったら絶対購入しようと思ったのだが残念ながらそもそもここは物販という概念がなかった。
鎌倉時代辺りからは某ジャンプ漫画の影響で分かる単語がかなり増えており楽しかった。この漫画も長野の博物館の私への教育の賜物なので歴史と知識が繋がることの面白さを感じる。直接は関係なくともこの時代の頃には影響を及ぼす範囲が日本全国に広がっているので誰の時代に大分では何が起こってどんな影響を受けたかが分かるのが面白かった。
この展示室では考古らしく締めが発掘道具なところが個性があり良かった。この建物は県内に散らばっていた発掘資料を1箇所に集める目的があったらしく、切っても切り離せない関係にあるものを現代への繋がりとして置いておくセンスがよい。
BVNGO大友資料館
こちらはもう1つの展示室であり大分といえばの大友宗麟を中心にまとめられている。駅前の像やお土産の名前でよく見かけることで県民にとってはとても身近な人物であり、展示も大分県の歴史はこの人がメインだと強く感じられた。
内容は彼の生きていた時代のもので館にあったものをひとつひとつ丁寧に見ていくのだが、その説明は視野が全国に広げられており美術的な要素が強めな割には楽しめた。ただこの展示はびっくりポイントが多くいきなりぽんっと有名人物の名前が出てきたり展示品に人骨が紛れていたりするのでここでの楽しめたという言葉はドキドキしたという意味かもしれない。
企画展
私か訪れたタイミングでは鉄道の考古学という企画を行っていた。列車は人よりは乗るので今と比べられて面白かった。展示で1番のお気に入りは当時の時刻表である。そもそもケースにスーパーマーケットのような目印で注目箇所としているのも良いがやはり内容に注目したい。当時は大分空港のある国東から東京まで35時間かかったそうだ。在来線だと実は今も丸1日かかるので実はそんなに変わらない気がするところが面白い。
この展示のメインは県内の木造駅舎の紹介だと思われる。各駅舎を見どころと写真で紹介するきっと鉄オタにはたまらないものになっていた。個人的にはSUGOCAに対応しているかが全部に書かれていてその現実的な部分と東中津駅の写真のヤモリがお気に入りである。ヤモリについてポスターの中で言及している点が良い。
帰る前にアンケートに答えたのだがここはとても選べるお礼の量が多かった。通常のものとしてしおりとポストカードが数種類ずつあり、加えて企画展絡みで駅舎のポストカード2種類と硬券を再現したものから選べた。私は企画展のポストカードを選んだが物販をやっていないこともありこのお礼だけでもう一度来たいと思えた。
おわりに
地元の博物館というのは名前は知っているけれどのオンパレードでするすると文章を読むことができて面白かった。実はこの規模でもここは大分県立博物館と名乗ることは出来ずそちらは別であるので次回の帰省のタイミングでは予定を空けて県立博物館の方にも行ってみたい。
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