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てへぺろ街道~連載(2)オアシスの町ふぁんナバる~

 オアシスの町、ふぁんナバる(てへぺろ様翻訳)。※町の名前は読めないことが多いのでてへぺろ様が翻訳したものを載せています。
 砂漠へ立ち入ってから、最初に滞在した小さな町。

 ここでようやく落ち着くことができた。
 でも、言葉の通じない気持ちの悪い鳥が多く、心安くない。
 オアシスに浸っている、お尻のぷりっとしたぴんく色の鳥が目に付く。この鳥はずっとこうしていて、夜になるといつの間にかいなくなっていた。
 奇妙な大口を開けた魚の像の上に、二羽の、目も口も見当たらない小さな鳥が羽虫のように飛んでいるのも見える。
 右手の町外れのあたりには、体の大きな人のような人鳥のような三匹が、空に舞い上がっては降りたり、飛行訓練のようなよくわからないことをしている。
 
 三軒ある家には、人はいなかった。
 無銭宿で、食器と食材を借り、簡単なスープを作っててへぺろ様と食べた。
 寝台は外のテーブル席に備え付けのものしかないので、仕方なくそこで一泊した。
 
「ここは不吉じゃ。明朝、発とう」
 てへぺろ様はそうとだけ言った。
「うん。……」

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 三体の大きな鳥人は翌朝にはいなくなっていたが、お尻のぷりっとした鳥はまたオアシスに戻っていた。

 ちなみにガイドの猫はこの町にいる間、一度も姿も見せなかった。

(続く)

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