研究者が分析するYahoo!知恵袋 〜自分らしさ編1〜
この記事では、人間関係研究者である筆者が、Yahoo!知恵袋で見つけた人間関係の悩みを<主観や経験に頼ることなく、研究や理論の視点で>勝手に分析していきます。
今回は上記の悩みから、人間関係の中でどう自分らしくふるまうか、という難題について少し触れてみたいと思います。
この記事の悩みを少し因数分解すると、以下のようになるかと思います:
人間関係がうまくいかないと自分を責めてしまう
他者に嫌われることが不安
だからと言って好かれようとしてもうまくいかない
上記のようなことが繰り返され、疲れてしまった
この現状(自分らしくない状況)から脱出したい
面白いのが、「人間関係」と「自分らしさ」が同じ流れで語られていることです。自分らしさ については、以前記事を書いたので、より詳しく知りたい方はこちらをご覧ください:
この記事で引用している研究の結果をまとめると、自分らしくいる時・自分らしくいない時とは、以下のような状態を指すようです:
自分らしくいる時
- 親密な人たちとリラックスした温かい時間をともに過ごしている時
- 好きなこと、意味があると感じられることをしている時
- 理想の自分と現実の自分が一致していると思える時
- 心身がポジティブな時
自分らしくいない時
- 親密ではない人、苦手な人、よく知らない人と、緊張した状態でともに過ごしている時
- 親密なはずの他者(家族や恋人)なのに、緊張した状態でともに過ごしている時
- 集団の中で社会的に自分を抑制したり、装ったりしないとならない時
- 嫌なこと、うまくいかないこと、慣れないことをしている時
- 心身がネガティブな時
上記の要素を見てみると、人が自分らしくいるためには、他者との安心できる・リラックスできる関わりが必要であることが分かります。
人間関係を通じて自分にとって良い状況を作るために
↓
他者から好かれようとすることにより
↓
かえって自分にとって苦しい状況を作ってしまい
↓
自分らしくいられない
↓
(最初に戻る)
という負のスパイラルに陥ってしまうのは現代の人にとって共通の悩みではないでしょうか。
素の・自然体の自分でいること
と
他者から好かれること
のバランスをうまく取ることが、自分らしくいるためのコツであることが分かります。そのために対人コミュニケーションの理論や実践が大変役に立ちます。そのことについてもいずれ触れていこうと思っています。
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