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【広辞苑記念日】広辞苑を読む。37

広辞苑を読み始めて早2ヶ月——
ついに、この日がやってまいりました。

そう、広辞苑記念日です!

なんでも、1955年に広辞苑の第一版が発売された日だとか(昨日知った)。これは何かしらせねばならないなと思い、週一の投稿にしようと書き溜めていた読書記録4日分を公開します。



5/22 P166〜168

今日から週一投稿にするのですこし気が楽になったかと思いきや、毎日読むことには変わりがないのでやっぱり大変さは変わらない広辞苑を読む。


【いたこ】①(東北地方で)口寄をする巫女。→巫女いちこ

これってどういうところから出てきた文化なのか気になる。いつまで存在していたのだろうか。

【頂く・戴く】①頭にのせる。また、頭上高くに位置させる。
「星を頂いて帰る」という例文がかっこいい。昔はもらったものを頭上に上げたりしていたのだろうか。

【頂く物は夏も小袖】貰う物ならば綿入れの小袖を夏にでも貰う。欲の深いことのたとえ。貰う物は夏も小袖。
ご自由にお持ち帰りくださいがあればついつい持って帰ってしまうタイプの人間。

鼬・鼬鼠いたち】②1の一種。ニホンイタチ。日本固有種。雄は頭胴長約三〇㌢㍍、尾長約一二㌢㍍。雌はこれより小さい。体は細長く、赤褐色。夜間、鼠・鶏などの小動物を捕食。敵に襲われると悪臭を放って逃げる。
そんなスカンクみたいな習性があったのか。イタチの死骸ってちょっと怖い。

【鼬の目陰まかげ】(鼬が人を見るときそうするという俗信から)手を眼の上にかざして遠方を見ること。
まさかあの動作に名前があるとは。あれって眩しいからするのだろうか、あるいは視界に余計なものを入れないためだろうか。

【甚振る】①激しく揺り動かす。②脅迫して、金品をせびりとる。③いじめる。いやがらせをする。
はなはだしく揺するからいたぶるなのか。

板々しかった。


5/23 P169〜171

風が強くて寒い。体調がバグりそうになりながら広辞苑を捲る。

【至り茶屋】しゃれた茶屋。粋な茶屋。
今でいうところのおしゃれカフェだろうか。おしゃれの基準はだいぶ違うだろうけれど、昔もそういうお店が繁盛していたのかな。

【イタリック】欧文活字の書体の一つ。やや右方に傾斜したものをいう。注意すべき語句や多国語を示す時などに用いる。
noteには斜体がないということに気づいた。まあ日本語で傾けることってほとんどないから(往年の個人HPみたいになりそう)。

【一工面くめんはたらき】世の中で生きていくには思案が第一で、その次が働くことである。
それはすごくわかる。でも時間(とお金)に余裕がないとなかなか思索できないんだよなあ。

【一富士二鷹三茄子】縁起の良い夢を順に並べていう語。特に、新年の初夢にこれらを見ると縁起が良いとしていう。駿河の国の諺で、一説に駿河の名物を言うともいう。
巧妙な駿河の宣伝だった!?

【位置】ある人・物・事柄が、他との関係もしくは全体との関係で占める場所、あるいは立場。
この「全体」とか「他との関係」を把握するのが苦手だから、字も下手だし道に迷うんだろうなあ。

【一因】①〔仏〕唯一の原因。仏陀となるための唯一の根拠。
一般的な使い方と全く逆なんだ。

【一飲一啄】[荘子養生主「沢雉は十歩にして一啄し、百歩に一飲するも、樊中はんちゅうわるるをもとめず」](「啄」は、ついばむ意)多くを求めず、ありのままを受け入れて自由に生きること。
早くそうなりたい。

【一打】①箇条書きで、各条の始めに「一」の字を記すこと。ひとつがき。
ルールとか心構えを連ねるときに使うやつ。

【一応】一往2 ㋑に同じ。▽本来「一往」と書く。
ずっと一応って書いてた! 中島敦も一応使ってるんだから別にいい気もするけど。

【市神】古代より各地の市の立つ場所に祀られた神。市杵島姫命を祀るほか、市の境や村境の路傍などに卵形・球形の自然石や六角石柱などをたてることもある。市姫。
見たことないなあ。

【一眼レフ】レンズが一個のレフレックス-カメラ。撮影用レンズに光を入射させる。普通、シャッター-ボタンを押すと鏡が跳ね上がり、シャッターを開いてフィルムを露光する。
ちゃんと中身の設計が描かれている。写真を全く知らないときは「画質のいいカメラ」程度にしか思ってなかった。最近はミラーレスカメラに取って代わられつつあるけれど、それも普通の人からすれば「軽くなった」ぐらいのことなんだろうなあ。

【位置感覚】身体の姿勢や身体各部位の相対的な位置に関する感覚。
ユクスキュルとかで出てきたような。細かい動作をするには位置感覚を鍛える必要があるみたいな話を最近聞いた。実際どうなのだろう。

【いちき串木野】鹿児島県西部、東シナ海に臨む市。遠洋漁業の基地。
そんな長い名前で、しかもかなと漢字が合体した市があるなんて初めて知った。いつか行ってみよう。

【一期】①一生。一生涯。生まれてから死ぬまで。閑吟集「—は夢よ、ただ狂へ」。
かっこいいな、閑吟集。


5/24 P172〜174

貴重な休みの日、ゆっくりしようと思ったら些事に追われて読書もほとんどできず、腹いせに広辞苑を読む。

【一石日和】(「降ろう如(五斗)、降るまい如(五斗)、合わせて一石となる」から)降るか降らぬかわからぬ天気。(物類呼称)
この理論だとあらゆる「どっちつかず」のことは「一石〇〇」と言えるか。

【一字不説】仏の悟りの内容は文字・言語では説明できないから、仏も究極の真理については一言も説いていないということ。楞伽経りようがきょうに説く。
釈迦以外誰も悟れないことにならない?

【一事両様】①一つの事を二様に見たり言ったりすること。
どっちの考え方も大事だよね〜みたいな。

【一時】③すこしの時間。しばらく。いっとき。▽天気予報では、その現象が予報期間の四分の一未満切れ間なく発生することをいう。
つまり「午後は曇り一時雨」と言った場合、3時間未満の雨ということになる?

【一時働き】常日頃なまけていて、ある時期急に働くこと。
ずっとそんな感じですわ。

【一日三秋】[詩経王風、采葛](一日会わないと三年もの間会わないように思うことから)非常に思い慕うこと。また、待ち遠しいこと。
さすがに「千秋」は言い過ぎな感じもする。千年じゃん。

【一汁三菜】飯と汁、葉三品からなる献立。もとは本膳料理の膳立てで、飯と汁・香の物のほかに膾・平皿・焼物の三菜を添えたもの。
そうか、野菜じゃなくてもいいのか。でも毎食三品揃えるのも結構大変だ。

【位置習性】動物が、与えられた二つの刺激に対して、どちらに行くべきかといった選択をする時、いつもまず同じ側(右なら右)を選ぶ反応。
クラピカ理論のことか!?

【一塵法界】〔仏〕極小の微塵みじんにも宇宙全体が包含されているということ。
部分は全体であり、全体は部分である。

【一日百首】詩歌などを一日に百首作ること。
やってみたいけれど、20ぐらいで力尽きそう。


「一」ゾーンに入ってしまい、しばらく抜け出せなさそうだ。一は全ての始まりなので語彙も多いのだろう。


5/25 P175〜177

広辞苑記念日なので何かしらしたほうがいいだろうかと思いつつ、時間も取れなさそうなので、とりあえずいつも通りに広辞苑を読む。


【一の字繋ぎ】平行線の間を煉瓦積のように繋いだ文様。

レンガ模様っていうかな。何かの淵とかに細長く使ったらちょっとオシャレな気がする。

【一の字点】(点は「しるし」の意)踊り字の一つ。同じ字を繰り返すことを表す符号。「ゝ」「ヽ」。「しのゝめ」「アラヽギ」など。
これ、かなとカナでの使い分けだったのか。知らなかった。

【一の宮】②各国の神社のうち、もっとも由緒があり信仰が篤く、その国の第一位のもの。さいたま市の氷川神社を武蔵国の一の宮とした類。今、各地に地名としても残る。(「うつのみや」もその転訛)
厳格に決まっているというわけじゃなかった。伊勢国一の宮は神宮じゃなくて椿大神社だったし。(まあ、一般に参詣できる神社じゃなったからか)


一暴十寒いちばくじっかん】[孟子 告子上]一日だけ日光に当てて暖めても、一〇日寒くしたままでは、良い種子も成長することはできない。たまに好い条件を与えても、普段の条件が悪ければなんにもならない。
たまに健康にいいことやっても日頃不摂生だとダメだし、たまに散財して気晴らししても、日頃鬱憤を溜め込むことをしていてはキリがない。

いち早し・逸速し】(「いち」に逸は当て字。一説に、「厳」の意)④気が早い。性急である。
完全に「一」だと思っていた。確かに変換するといち早くって出るわ。

市女いちめ笠】(もと、市女が用いたからいう)菅または竹皮で編んだ笠で、中央部の巾子を高く造ったもの。深浅二種あり、晴雨両用。上流階級の女子が用いた。
図版に謎のゆるさを感じる。鼻のよこぐらいに描かれているのが目ならば、すごいのんびりした表情だ。

【一もう】唯一の希望。
内容に関係ないけれど、「望」みたいに独特な読みをする項目には発音が口語カナで書かれているけれど、「マウ」が変な改行してて「ウマ」にしか読めない。

【一目十行】ひと目で、一〇行を読むこと。読書力のすぐれていること。ひとめじゅうぎょう。
はやくこれになりたい。人生であと何冊本を読めるだろうと考えると、寂しい気持ちになるので、速読とまではいかずともも少し速く読めるようになりたい。健康状態も重要だろうなあ。

【一門普門】〔仏〕一つの教えに通ずれば、一切の教えに通ずることができること。
何かを突き詰めた人には、自分のやっていることを通して他のものも理解するということができるんだと、坂本龍一の自著を読んでいて思った。

【一文字】⑦浮世絵版画で、風景画などの上部にある空色または朝日などのぼかし。一文字ぼかし。
確かに浮世絵って上のほんの少しだけ空を塗ってる。節約なのか、主題をよく見せるためなのか。


毎日広辞苑を読んで、300〜400ほどの言葉に視線を滑らしていく。正直記憶に残っているかどうかはわからないが、たまに意外な気づきがあったりするのが面白い。

首も痛くなるし、目も疲れるし、本棚から毎度出し入れするのは面倒だけれど、それでも明日も広辞苑を読んでいくのだろう。

昔々、あるところに読書ばかりしている若者がおりました。彼は自分の居場所の無さを嘆き、毎日のように家を出ては図書館に向かいます。そうして1日1日をやり過ごしているのです。 ある日、彼が座って読書している向かいに、一人の老人がやってきました。老人は彼の手にした本をチラッと見て、そのま