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広辞苑を読む。39

天気予報に雨マークが並ぶのを見ると辟易する。干した布団の香りや、日光が地面に落とす葉陰がとても恋しくなる。梅雨、早く終わらないかな〜。


5/29 P187〜189

【一等】③(副詞的に)最も。「あれが—悪い」
ご年配の方が使っているのを聞いたような気がする。なんとなく分かるから流しちゃってたけど、そういう使い方があるんだ。

飯綱使・飯綱遣いづなつかい】管狐をつかって術を行うこと。また、その人。長野県飯綱山の神からその法を感得したという。
ぬ〜べ〜とかにも出てきたっけ。怪異・妖怪伝承データベースに民話の事例がいろいろ集まっていて面白い。


何時何時いつなんどき】「いつ」をつ読めていう語。
漢字で書くとややこしい。

【一杯は人酒を飲む、二杯は酒酒を飲む、三杯は酒人を飲む】酒も少量のうちはよいが、量を増すと自制がきかなくなるということ。多量の飲酒を戒める言葉。
一杯と三杯は分かるが、酒が酒を飲むってなんやねん。それは打ち消しあって実質ゼロになるのでは?

【一般意志】(volonté généraleフランス)J-Jルソーの社会契約論の用語。私的利害をもつ個々の意志の総和ではなく、個々の利己心をすてた一体としての人民の共通の意志。ルソーはこれを主権の行使の基礎とした。
具体的にどこかに一般意志が存在するというより、仮に存在するとして話を進めるための概念だという話をどこかで読んだ気がする。

【一般教養】①職業的・専門的な知識・技術に対して、広く人間性を磨き高めることに役立つ一般的な学芸的素養。普遍的・全体的・調和的人間の完成を目ざす。古代ギリシア・ローマ以来の伝統をもつ概念。
しかし何を基準に一般と言えるのだろうか。

【一筆啓上】②ホオジロのこと。「一筆啓上仕り候」と鳴くと言い伝える。
なんとかそう聞こうとしたけれど無理だわ。昔の人の感性はすごい。


【イッヒロマン】〔文〕作中の主人公が自らの体験または運命を物語る形式の小説。日本の私小説と異なり、もっぱら一人称形式の小説。
語りで構成された作品? こういうとき具体例が出せるようになりたい。

【一服】①薬・茶・煙草などを一回のむこと。
薬を一服とはあまり言わないなあ。煙草も「のむ」って言うのだろうか。

【一服茶】一杯だけの茶。茶は一杯だけ飲むものでないとして忌む。
即否定していく。一服でもええやん!

【イップス】これまでできていた運動動作が心理的原因でできなくなる障害。
そういうことなのかは分からないけれど、成長するにつれてできなくなる動きがあるのも心理的原因だったりするのだろうか。

【一本締め】会の終りなどに、三回・三回・三回・一回の手拍子を一回する手締め。また、そろって一回手を叩く手締め。
こういうの全然知らないんだよなあ。パパパン×3+パン、ね。

【何時も月夜に米の飯】毎晩明るい月夜で、毎日米の飯が食べられれば、こんな幸せなことはない。
今だったら当たり前かもしれないけれど、これぐらいの幸せを感じていける人生でありたい。



5/30 P190〜192

起きた時に雨の音が聞こえると、なんかもうこのまま二度寝したくなってしまうけれど、頑張って起きて、広辞苑。

【イデオロギー】(もと、一九世紀初め、フランスの哲学者デステュット=ド=トラシ(一七五四 一八三六)が唱えた観念学)①トラシらを空論家として非難したナポレオンの侮蔑的用法を受けて、マルクスが用いた語。歴史的・社会的に制約された偏った観念形態の意。②フランクフルト学派の批判理論では、虚偽意識として批判の対象とされる。③転じて、単に思想傾向、政治や社会に関する主義の意。
なんか中高生ぐらいの国語から急に出てくるよくわからない単語。社会の冷たい部分を感じてしまったのは、こういう批判的な文脈があるからだろうか。

【凍て雲】寒々と凍りついたような雲。
冬の朝の曇った感じの、ややオレンジに染まったあの感じ。

【いてこます】(関西で)やっつけてやる。
語源も何も載ってないんだな。「いてこますぞ」を「やっつけてやるぞ!」に言い換えたときのなんとも言えない弱体化感。

【凍て空】凍りつくように寒い、冬の日の空。寒天。「—にきらめく星」
冬の空系語彙好きだ。澄んでる感じが恋しい。

【厭う】(「嫌う」が相手を積極的に切り捨て遠ざける意であるのに対して、いやな相手を避けて身を引く意)
まだそっちの方が多いかなあ。


遺伝と伊藤と伊東祭りだった。拾わなかったのでほぼ何も残らなかった。


5/31 P193〜195

休みの日まで広辞苑を読むのか、休みの日だからこそ広辞苑を読むのか。

【井戸替え】井戸の水をすっかり汲み上げて井戸を掃除すること。近世には、七月七日に行うことが多かった。晒井。
井戸って掃除できるんだ…‥。

【糸競べ】琴・三味線などをひいてわざをきそうこと。
確かに糸だけど! 

【従兄弟・従姉妹】父または母の兄弟・姉妹の子。性別・年齢によって「従兄」「従弟」「従姉」「従妹」とも書く。
とりあえず「従〇〇」ってあったらイトコって読めばいいってことですね。

従兄弟大小父いとこおおおじ】祖父母のいとこ。
兄なのか弟なのか、大なのか小なのか。ややこしすぎるので、じいちゃんのいとこって言ってください……。

【糸雨】こまかい雨。こさめ。ぬかあめ。
また一つ雨の語彙が増えた。毎回小雨じゃつまらないもんね。

【糸杉】地中海東部からイラン北部に自生するヒノキ科の針葉樹。サイプレス属の代表。樹形は細長い円柱状。欧州では死の象徴とされ、庭園のほか墓地に植える。
日本で言うところの桜みたいな…? でも桜は死の象徴ではないような気もするし。ゴッホとか宮沢賢治とかはそういう文脈で使っていただろうか。

【糸竹の道】音楽の道。
糸は弦楽器、竹は管楽器ということ。打楽器がないじゃん。

【営む】(「暇無し」の語幹に動詞を作る語尾「む」の付いたもの)①忙しく仕事をする。せっせと務める。②生活のために仕事をする。
つまり生きるためにしっかり営むということは、暇が無くなるということなのだ。

【糸引鯵】アジ科の海産の硬骨魚。体は菱形で側扁し、背部は淡青色、下面は白色。幼期には背びれ・臀びれの軟条は糸状に長く延びている。
今まで図版が出てきた生物の中で一番インパクトがある。

【糸目】②凧の表面につけ、あがり具合・つりあいを調整する糸。③転じて、資金上の制限。「金に—は付けない」
そういうところからきた言葉だったのか。

【イドラ】②Fベーコンの用語。正しい認識を妨げる先入見のこと。種族・洞窟・市場・劇場の四種類のイドラがあるとする。
バイアス的なこと? 種族はなんとなくわかるが、それ以外が全く想像できない。


6/1 P196〜198

【居直る】②にわかに態度を改める。特に、相手をおどすような態度に出る。
今でいう逆ギレだな。

稲株いなかぶ】稲を刈ったあとの株。
放っておくとまたそこからコメが育ってくるわけですが、それはあんまり美味しくないらいい。

【稲妻・電】(「稲のつま」の意。稲の結実の時期に多いところから、これによって稲が実るとされた)
まずつまが妻じゃなくて夫なんだということと、語源的には意外とそのまんまなんだなということ。

【稲波】田の稲が風に吹かれて波のようにゆらぐこと。また、そのさま。
これもめっちゃわかるけど、そのままでよかったんだ。

【稲荷】②(御食津神を三狐神と付会して稲荷の神の使いとする俗信から)狐の俗称。
そんな言葉遊びみたいな感じだった?

【古】(「にし」の意で、時間的に遥かに隔ったあたりをいう語)
なるほど、そういうことだったのか。

【イニシエーション】新しい社会集団への加入に伴って、社会的な認知のために行われる通過儀礼。年齢集団・秘密結社・宗教集団などへの加入や成人式などの儀礼に代表され、試練や死と再生の象徴などが特徴。入社式。入団式。
入社式に死と再生の象徴があるのはなんか嫌だな。学生としての自分を殺し、社畜として再生…


6/2 P199〜201

【犬だまし】(「たまし」は分け前の意)猟犬を連れて参加した勢子に、犬の分として狩猟の獲物から与える分配。
想像した意味と全然違った。

【狗張子】犬の立ち姿の張子細工。宮参りの時の贈物とする。江戸後期より普及。子どもの魔除けとし、また縁起物や玩具とする。
図で見るとどこまでもシュールだ。

【犬稗】イネ科の一年草。最も普通に見られる雑草。高さ約八〇㌢㍍。葉は細長い。夏、穂を出し、緑色か紫色の花を開く。実にはのぎがある。
確かにこういう草を見たことはあるけれど、似たようなものが多いのでこれなのか分からない。


【犬棒カルタ】いろはカルタの一種。江戸後期、江戸で起こり、全国に広がる。「犬も歩けば棒に当たる」を「い」の札とするところからの名。

確かにカルタの「い」って犬棒のイメージだ。

犬吠いぬぼう埼】千葉県東部、銚子半島先端の岬。
いぬほえざきって読んでたかもしれない。

【犬槍】不意に出てきた敵、柵や溝を越えようとする敵を槍でつくこと。不覚働きと称して武士の避けるべきこととされた。
昔の戦にもルールみたいなものがあったんだな。

【稲】イネ科の一年生作物。栽培種は二種。サティバ種は東南アジア起源、現在、世界各地の熱帯・温帯で栽培。グラべリマ種はアフリカ起源、現在はアフリカの一部でわずかに栽培。サティバ種には、籾の丸くて短い日本型(ジャポニカ)、細長いインド型(インディカ)、大粒のジャワ型の三変種がある。
こんなに身近なのに、稲のこと全然知らなんだ。早稲とか中稲とかあるんだな。

【寝ねかてに】寝ることができないで。寝られずに。
最近はちょっと寝られるようになってきた。

【稲の丸】紋所の名。稲の茎と穂とを円形にしたもの。
どうみても5円玉です。

【伊能忠敬】江戸後期の地理学者・測量家。通称、勘解由。上総生まれ。下総佐原の伊能氏に婿養子に入り、酒造業等に専念。隠居後、高橋至時に天門暦学を学び、幕府に出願して蝦夷をはじめ全国を測量し、日本最初の実測地図「大日本沿海輿地全図」(伊能図)を作製、「輿実地測録」とともに献上(一七四五 一八一八)
セカンドライフのお手本のようなひとだ。

【命】①生物の生きてゆく原動力。生命力。②寿命。③一生。生涯。④もっとも大切なもの。命ほどに大切に思うもの。真髄。
命ってなんだって言われたらものすごく難しい。生命力よりもっといい言葉がないだろうか。

【命辛辛】やっと生命だけは失わずに。
からがらってそんな当て字みたいな。



6/3 P202〜204

【命の洗濯】日ごろの苦労から解放されて楽しむこと。
つまり命って苦労が続くと汚れるんですね。

【祈り付く】祈って、悪魔・狐などを人にとりつかせる。
【祈り退く】悪霊などを祈祷の力で追い払う。
バリバリに闘ってるなあ。

【意馬心猿】〔仏〕煩悩・欲情・妄念のおさえがたいのを、奔走する馬やさわぎたてる猿が制しがたいのにたとえていう語。
やはり情動=本能=動物みたいな図式があるのか。制するというより、うまく付き合えたらいいけどなあ。

茨木いばらぎ】姓氏の一つ。
覚えた。「イバラキ」は県名と市名で、「イバラギ」は名前ね。

【イヒマエラ】ニュー-ジーランドのマオリ族の小説家。伝統的なマオリ文化とヨーロッパ系の文化との相克が主題。マオリによる最初の英語の長編小説「タンイ(喪)」、「鯨の島の少女」など。(一九四四 )
だいぶん気になる。

【意符】漢字の構成要素のうち、意味を表す部分。「語」における「言」、「編」における「糸」など。意義符。義符。
漢字って奥深いよなあ。これのおかげで大体の意味を感じ取ることができる。

【為風】技としてなすべき風。そのまま似せてもよい芸風。
形から入るのって大切。

気吹舎いぶきのや】平田篤胤・鐵胤かねたね・延胤三代の門人組織。篤胤の号に由来する称。日本全国約四〇〇〇名で情報網を形成。篤胤や門人の著作の出版・販売も行った。
そんなサロンみたいな組織がすでに江戸にはあったのか。4000人はすごい。


6/5 P205〜207

久々の貴重な晴れ&休日。思いっきり惰眠をしたあと、布団を干した。なんか色々やらなくちゃいけないことがあった気がするけど、もういいわ。

【異聞】常とかわった風聞。珍しい話。
何かのタイトル見たよな〜と思って調べたら、仙境異聞と大量のラノベが出てきた。

【韋編三たび断つ】[史記孔子世家】(孔子が晩年易を好んで読み、書物のとじ紐が三度も切れた故事から)書物を熟読する。読書に熱心である。韋編三絶。
そういう目にみえる形の読書の形跡ってどんどん残りにくくなってるよなあ。そもそも再読する本さえあまりない。

【今切】静岡県西部、浜名湖が海に続く湖口。一四九八年(明応七)大地震で砂州が切れて海とつながる。
そんな歴史があったのか。

【イマジナリー-ライン】映画撮影で、登場人物同士の目と目の間を直線で結んだ架空の対話軸。
なるほど、このラインの反対側から(一人をアップで)撮っちゃうと、同じ方向向いてるように見えて混乱するんだな。勉強になる。


今週もとても疲れた。そんなに疲れるんならばやめたら? と言われることもあるけれど、なんとなく続けてしまっている。果たしてどこまでいけるやら。

昔々、あるところに読書ばかりしている若者がおりました。彼は自分の居場所の無さを嘆き、毎日のように家を出ては図書館に向かいます。そうして1日1日をやり過ごしているのです。 ある日、彼が座って読書している向かいに、一人の老人がやってきました。老人は彼の手にした本をチラッと見て、そのま