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あなたが箱から抜け出す方法

手足を縛られて、
箱に入れられて、
布で覆われて、
そこから脱出するマジックショーを見たことがあるだろうか。

家事と育児だけをしているとき、
私は一時期このマジックのような
「どこかに閉じ込められている感覚」
になった。

マジックだと、
実は手錠のカギを隠し持っていて、
布で覆われた後にカギで手足をほどき、
そのまま脱出というトリック。
大きく飛び出して盛大な拍手で成功!おわり!
みたいな感じなのだが、

育児と家事は抜け出すためのカギが
中々見つからないのだ。

出産して8か月ほどは仕事をしていなかった。 
悪阻がひどくて前職もやめてしまったので、
育休中というわけでもない。

私の肩書は「お母さん」「妻」だけ。
本当は特別なのかもしれない。
なのに、なぜかその肩書が
重苦しく感じてしまっていた。

育児と家事をこなす毎日。
だけど、別にキラキラしているものではないし、
誰かに自慢できるスキルもない。
そして別に社会的に評価されるわけでもない。

「母親ならみんなやっている」
「やって当たり前」

そんな言葉がより手足の縛りをきつくする。

「家」という箱に覆われてしまい、
自分の苦しみは誰にも気づかれない。

といつも思っていた。
その頃のことを夫に聞くと
「いつも何かしたいって言ってた気がする」
とのこと。

そう、私たちは抜け出したいのだ。
そこから抜け出したい気持ちはいつもあるのだ。
そんな風に思いながら過ごす日々は
すごくもどかしい。苦しい。

私は妊娠中から「子どもが少し大きくなったら働こう」
という意思はあって、
今働いている「HELP YOU」や「くらしと仕事」のサイトを見ていた。


やりたい気持ちはあるのに
「エントリーシートを書いても受からなかったらどうしよう」
「本当に働けるか分からない」
など躊躇していた。

結局失敗することはやりたくない
と思っている自分。
そんな自分が嫌になり余計に自己嫌悪。

「家」という箱の中で
グルグルと悩みもがいていた。

でも息子が6ヵ月の頃、
ハーフバースデーを終えた時に
思い切って「HELP YOU」の課題に取組むことにした。

隙間時間を見つけながらようやく出した課題が通過し、
面接を経て合格し、今の働き方に至る。

今はもう閉じ込められた感覚はない。

むしろ箱を自分で高く積んで、
その上に登っているぐらいの感覚。
登れない時は人の手を借りたり、道具を使ったり。
箱の脱出方法や登り方は多数ある。

今あの時の自分に声をかけるならこうだ。

手足を縛られて、カギがないなら、頭を使え。
頭突きで箱をぶちやぶれ。
頭が使えないなら、

縛られた足で箱を蹴り上げろ。
失敗しても箱にヒビは入る。

無駄じゃない。
閉じ込められた場所から脱出する方法は無限だ。

誰しも何か苦しむことはある。
閉じ込められた感覚や、
自分から閉じこもることもあるだろう。

抜け出したいと思ったとき、
誰しもが本当は抜けられる術を持っているのだ。

頑張ってとは言えないし、言いたくないけど、
「抜け出せるよ」と声はかけてあげたい。

余談だが今回こんなことを考えるきっかけに
なった映画を最後に紹介したい。

「82年生まれ、キム・ジヨン」
韓国で130万部を突破したベストセラー小説の映画化、
主演のユミが韓国のアカデミー賞とも称される第56回大鐘賞映画祭で主演女優賞受賞の快挙となったほどの作品だ。
監督は韓国のゴールデングローブ賞と称される第56回百想芸術大賞で見事新人監督賞を受賞。
この作品が高く評価されていることが分かる。

女性の生きづらさがリアルに描かれており、
自分の体験と重なり、とても共感した。
男性も女性も見てほしい作品だ。

最後は救われる展開なので、悲しい気持ちで見終わることはないと思う。
今、何かに苦しんでいる方はぜひ見てほしい。




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