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joker

なだらかな丘で
こまった人たちを仕分けていた
必然的に降り積もる
ガム、
のように冷静な方解石は
底でねばついて
次の誰かのよりどころになる
リピートアフタミー
自信家だった五十五年目の夏
きみを助けられるとぼくは思った

わたしはわたしなりの水晶をかかえてあなたにたどりついた。苔な
んてたくさん食べてきたから目をそらしていた。靄なのに輪郭を持ちたくて、トランプをめくりはじめる。キングがでたら手当た
り次第に結婚して死ぬつもりだった。

きみが苛立てば
石を並べていればよかった
並べたもの以外なら好きな四歳児は
ごめんとさよならが言えて
よかったと言って泣き出した
N極だけの磁石があれば
ぼくの人生もちがっただろうか
そんなことを考えているうちに
きみは立ち直っていた

わたしはわたしなりの水晶を溶かす作
業をはじめた。絶対にあなたとしかで
きないこと。そう思いたくてトランプ
をめくりつづけた。ああ燃やしても
なにひとつ焦げつかない。リピ
ートアフタミー。一文字ずつ分解して
どこも指さないしるべにした。まき、
しず、ゆめ、ごめん。そしてさよなら
ならセガワさん。


ありがとうとたくさん言われた
ありがとうと心から思った
ぼくはなにをしたわけでもなかった
そのことにも気づいてしまった
さよならって言うべきなんだろうか
溶かしても溶かしても溶かしても


(残りの一枚がなんで
あるかを、ふたりとも
知っていた。伏せたま
まにして席を立ち、
ほどかれたリピートの
R、を隠したのはわたしのほうだったのか、


、ゆっくりと、すれちがっていった。


、通過点だと、わきまえていった。

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