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あゝ荒野

やっと今年1本目のnoteが書けます。年末までに10本書くと息巻いてたけど、まぁ、無理でしたね。そういうとこあるよね、自分。

ということで。「あゝ荒野」について。
菅田将暉沼に私をドボンと落としたこちらの作品。前後編で約5時間なんですね。
なかなか観るのに気合がいるので、一回しかみてなかったんだけど、菅田将暉を語るのにはこちらを避けられない、ってことでもう一度観ました、3年ぶりに、夫と。(そしてなぜか年末になると観たくなるんだよな、全く正月要素ないんだけど。)(てかショートメモリーすぎる夫、この映画観たこと忘れてて、をい!って感じでした。)

そして今回U-NEXTで観たら、未公開シーン入りで、約6時間?くらい、あったかなぁ。6話にわけて、ドラマみたいにしてくれてたのでありがたかった。

それで、やはり結論

好き。好き。好き。

菅田くんはもちろんなんだけど、映画自体が好き。この映画時代に纏う、昭和感、独特のムード。(舞台は2021〜2022年新宿なんだけどね。原作を寺山修司が発表したのは1966年。)

「楽しい」という感情と「好き」という感情は似てるようで違うと思っていて、
この映画に関しては

「楽しいかと聞かれたらわからない、万人にお勧めしない。ただただ私は6時間みてしまうよ。好きってそういうもんだよね。」

という感じでしたね、2回目観ても。

簡単にストーリーをお伝えすると、少年院上がりの不良・新次(菅田将暉)と、日韓ハーフで吃音症と赤面症に苦しむ建二(ヤン・イクチュン)がボクシングを通じて出会い、それぞれが心に深い傷を抱えながら共にプロボクサーを目指していく、というもの。
そこに自殺サークルの話やらテロの話やらのサブストーリーが絡んでくる。(個人的にはこの部分はいらなかったなと。寺山修司ファンに納得してもらうためには入れなきゃいけない部分だったのかな?これから原作読んで検証します。ただ、この映画全体に漂う【生死ギリギリで誰かと繋がりたい】という一貫したムードを盛り上げるためには必要だったのかな?)

素敵ポイント
①とにかく菅田将暉。

言わずもがな、この方のすごいところは、菅田将暉という存在を捨て、役に憑依するところ。自分をかっこよくみせようなんて気はさらさらない。もう、新次そのものにしかみえない。新次はとにかく口が悪く、暴力的で、世の中を憎んで憎んで憎みまくっていて、いつも睨みをきかせている。
設定だけだと好意的に思えないこの役を、それでも惹かれる存在にするのは、消してるはずの菅田将暉としての魅力が新次から溢れ出してしまっているからなんだろうな。(先ほどとは矛盾してるけど。)
目つきがいいんだよなぁ。目が座ってるときの菅田くんは最高。

華奢なイメージが強い彼が、半年で10キロ以上増量し、動きも肉体もボクサーにしかみえない。プロ意識。はい、大好きです。

②W主演であるヤン・イクチュン
建二に関しては、気の毒な身の上にプラスして、性格がとにかく温和、控えめ、優しいの三拍子で、たいていの観客は新次ではなく建二に共感をしていき視点をうつしていくのだろうと思う。
不幸な生い立ちから、他人と繋がったことがない建二が、最終的に繋がりたくなるのは新次である。建二目線からみる新次はとても魅力的。W主演にすることでお互いの魅力が最高潮に引き上げられている。いい役者さんだ。

③脇を固める役者陣もブラボー
ジムトレーナーであるユースケサンタマリアがめちゃくちゃいい。ユースケって飄々としてるけど情がある役似合うよねぇ。でんでんもよきでした。
もうね、驚くほどに世間が狭くて、たぶん普通の脚本だと有り得ないんだけど笑 
主役2人だけでなくて、結局みんな孤独で繋がりたいんだよねぇ、という。
新宿という舞台がまた良いですね。
孤独っていったら東京じゃん?

④何よりも主題歌

もうね、出だしから最高。たぶん私この歌を聴いて何も思わない人と友達になれません。笑
エモーーーーい。(表現が稚拙)
私前世は絶対男なんですけど、なんか前世の魂?が震える。好きです。ちなみにこのボーカルのTOSHI-LOWはりょうの夫さん。

余談ですが。映画でもドラマでも、劇中に音楽を使って盛り上げようとしてくるのは邪魔に思ってしまって好きじゃない。エンディングはめちゃくちゃ大事。本編の間は無音、が好き。

ちなみにこれを菅田くんがステイホーム中歌ってくれたのがこちらです。

はい、優勝。部屋着パーカー✖️菅田将暉の鼻✖️無精髭✖️アコギ優勝。

⑤とにかく菅田くんの肌の露出が多い。

最後にすみませんね。結局そこかい、って感じですけど。まぁ6時間観れたのはそういうおっさんみたいな理由なのかもしれないんですけど。笑

なんせボクサーですし。もう、背中もお尻も何回見せてくれるの?ってくらい堪能できます。
R15なのでね。うん。最初見たとき、え、あの菅田将暉が、ここまで??と驚きました。うん。

【結論】
映画が作られたのは2017年。東京オリンピックが終わった後の近未来の東京が舞台。それを2023年に観るというのもなんとも不思議な感じ。あの時はまさかオリンピックがあんな感じになるとも、こんなウイルスが蔓延するとも思わなかったね。

「孤独」「繋がりたい」という人間の根本的感情をガンガンノックしてくるこの映画。みんなに観てね、とは言わない。けど、大好きだからまとめてみたかった。
原作も読みます!

あ、最後に、森山大道が撮影したポスターが大好きすぎます。(掲載していいかわからず、気が向いたらググってみてみてほしい)

※3年前に観たことをすっかり忘れていた夫。でも一時間見る毎に「この時の菅田将暉めっちゃかっこよくない?」と言ってたので、許した。

ほな!



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