『神学部とは何か』佐藤優

佐藤優氏の著作を初めて読んだ。別に彼の本を読むつもりはなかったのだが神学に興味が湧いて適当に図書館で借りた本が彼の著作だった
なるほど、彼はキリスト教徒だったのか。知らなかった
書店では強面の顔、保守系と思われる強い言葉を前面に出した著作を見るので「ああ、最近流行の保守系論客ね」と特に食指が動かなかった
だが確固たる宗教的バックボーンのある人間の話は面白い。特に日本という国でキリスト教徒というマイノリティーである部分も私的にプラス要素だ

さて、本の内容に移ろう
まえがきに書かれている通り同志社大学で行った講演を基に再構成されているだけに著者の同志社大学時代の話もそこそこ出てくる
神学部というと「牧師養成機関」という認識でしかなかったので中々に興味深い。同志社のガラパゴス的な学生運動にも触れてある。私も学生時代同志社のキャンパスに謎の横断幕がかけられているのを見たことがあるがあれはそういうことだったのかと20年越しに納得した

文章はさすがに巧みの一言。文句なしに面白い
神学という一般人には一生縁のない話をとりあえずどういったものか、くらいは紹介してくれている

神学は仏教における論のようなものかな?と思っていたが当たらずとも遠からずか?結局信仰において今生きる問題と宗教的解釈の闘争(と、表現していいのかわからないが)は不断に起きていると言ってもいいかもしれない

神学自体は面白そうだがカール・バルトの『教会教義学』はさすがに手が出ない(邦訳全36巻。なんとあのトマス・アクィナスの『神学大全』より長いそうな)
同じくバルト著の『キリスト教倫理』は新書で4巻らしいのでさほど苦労しなさそうだ。こっちはそのうち読んでみよう

ひょんなことから佐藤優氏の著作に触れることになったが非常に面白かった。別の著作も読んでみることにしよう

しかし麻生太郎氏といいなぜ日本の著名なキリスト教信者は強面なのだろうか(加藤一二三氏は愛嬌のある顔だが)

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