いまおう@オセクエ七段挑戦中

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最近の記事

『神学部とは何か』佐藤優

佐藤優氏の著作を初めて読んだ。別に彼の本を読むつもりはなかったのだが神学に興味が湧いて適当に図書館で借りた本が彼の著作だった なるほど、彼はキリスト教徒だったのか。知らなかった 書店では強面の顔、保守系と思われる強い言葉を前面に出した著作を見るので「ああ、最近流行の保守系論客ね」と特に食指が動かなかった だが確固たる宗教的バックボーンのある人間の話は面白い。特に日本という国でキリスト教徒というマイノリティーである部分も私的にプラス要素だ さて、本の内容に移ろう まえがきに書

    • 『テヘランでロリータを読む』アーザル・ナフィーシー(著),市川恵里(訳)

      フィクションとして読むべき。誤解を恐れずに一言で表せばそうなるが補足が必要だろう この本はノンフィクションだ(主要な登場人物は特定が出来ないように匿名化がされている) イラン・イスラーム共和国における抑圧された女性および知識人の苦悩と葛藤を描いたドキュメンタリー、と簡単に表現してしまうにはあまりに惜しい この本の肝要な部分はフィクションの力だ となればまずはフィクションとして読むことがより望ましい(事実として受け止めるのは後からでも出来る) よくできたディストピア小説の

      • 『認知症世界の歩き方』筧裕介(著),認知症未来共創ハブ(監修)

        認知症患者およそ100名にインタビューし、日常での困っていること、世界の見え方を「認知症世界」として紹介している 認知症と言っても症状は様々。それは脳のどの分野が衰えるかによって起こる困りごとも違ってくるから当然と言えば当然 問題はそれが目に見えないこと。もちろん当人もそれをうまく説明できるとは限らないので周囲と溝が生まれてしまう その溝を埋める手立てとなり得るのがこの本だ。きわめてわかりやすく、読みやすくまとめてある 長い人生で認知症になった人と全く関りの無い人というのはほ

        • 『勉強が面白くなる瞬間 読んだらすぐ勉強したくなる究極の勉強法』パク・ソンヒョク(著),吉川南(訳)

          韓国は学歴社会だと聞く。受験戦争の苛烈さは日本と比べ物にならないとも だからこそこういった本も需要が高いのだろう 内容は特別真新しいものではない。著者が若く、最近の本であるので今を生きる人に届きやすいものになっていると思う 結局こういった本はきっかけにすぎないし読む側のタイミング次第で名著になりうる 勉強がうまくいかない、やりたくない。そんな自分を変えたいと思っている人は読んでみてもいいのではないだろうか 読みやすくまとまっているし勉強への取り組み方は納得できることが多い

          『後世への最大遺物・デンマルク国の話』内村鑑三

          内村鑑三については「たしかキリスト教系の人だよな?」くらいの知識しかなかった。まぁ別にこの本は予備知識を必要とするものではないので「なんかアメリカで勉強した先生」くらいの感覚で読めばいいと思う 内容も若者相手の講演を纏めたものなので非常に理解しやすい。時代が時代だけに注釈が多いが巻末と行き来しながら読めばさほど気にならない。薄いし 「後世への最大遺物」と「デンマルク国の話」は別の講演だし時代も違うのでひとまとめにできないが内村鑑三が面白い人物というのはよくわかる。同じ時代に

          『後世への最大遺物・デンマルク国の話』内村鑑三

          『クライマーズ・ハイ』横山秀夫

          日航機墜落事故を扱ったフィクションが嫌いだ 大勢の犠牲をネタに商売をする性根が腐っているからだ 『クライマーズ・ハイ』は日航機墜落事故を全権デスクとして担当することになった地方新聞の記者が主人公だ 『半落ち』の作者なので作品の出来について疑いは無い。気になったのは「日航機墜落事故」である必要があるのかどうかだ 読んでいる最中も作品の出来には感心しつつも「日航機」でなければならない理由はなかなか判然としなかった しかし物語終盤になってある女子大生の言葉に気づかされるものがあ

          『クライマーズ・ハイ』横山秀夫

          『世界2.0 メタバースの歩き方と創り方』佐藤航陽/幻冬舎

          「はじめに」が無くどういった層を読者として書かれたものかわかりにくい 著者は大学在学中に会社を立ち上げ成功させたいわゆる「ベンチャー社長」でありそういった存在に憧れる人には訴求力のある。自己啓発本の類としても読める 他にはメタバースに投資しようか迷っている投資家や起業家あたりが参考にする感じかな 内容はメタバースの将来性、可能性のプロモーションといったところ。癖のあるベンチャー社長の熱のこもったお話を聞かされた気分だし実際そういう認識で間違っていない 「難解に感じられる箇所

          『世界2.0 メタバースの歩き方と創り方』佐藤航陽/幻冬舎

          #読書の秋2022 とかいうイベントがあるらしい

          まぁなんの感想を書いてもいいらしいんだけど 「今こそ読んでほしい、この本。」ってやつで33冊紹介されてるからせっかくなので読んでみますか KindleUnlimitedで読めるのが2冊。『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』と『世界2.0 メタバースの歩き方と創り方』 あとは地元の図書館で借りれるやつ読んでみるかなぁ。普通は食指が動かない類の本が多いのでどうなることやら

          #読書の秋2022 とかいうイベントがあるらしい

          『そうしないことはありえたか?: 自由論入門』高崎将平

          総評分析哲学の手法を用いた自由論について門外漢にもわかりやすくまとめてある。自由と責任の関連についてが本書の9割、第8章で多少それ以外のことが触れられるくらい。論理学の知識を必要とする章があるがある程度は仕方ない。その章以外の部分は論理学の知識が無くても理解することができる。個人的に自由と責任がそれほど堅固な結びつきかと首を傾げたくなる部分はある。このあたりは西洋との感性の違いか?あと現代哲学は物理学(物理法則)にそこまで気を使わないといけないのかという疑問はある はじめに

          『そうしないことはありえたか?: 自由論入門』高崎将平