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腸管出血性大腸菌O26汚染についての一考

漬物は、一般的に加熱処理工程がないため、原料納入段階、洗浄段階、製造施設や設備など、さまざまな視点で徹底した衛生性の確保が強く求められる。

今回、道の駅ましこで販売したキムチから腸管出血性大腸菌O26が検出されたとの報道があった。栃木・真岡に以前住み、道の駅ましこに訪れたことがあるだけに甚だ驚いている。

報道によると、真岡市の寿寿蘭(すずらん)食品が製造した袋入りの白菜キムチ15袋が回収対象となっている。すでに8袋が販売済みであり、 漬物のような日配食品はたいてい購入したその日か、数日以内に消費されていると考えられる。

製造元を調べると、普通の民家の様子で、家庭の調理の延長で製造されたものかもしれない。
国としては漬物製造に対する営業許可は無いが、栃木県のホームページを調べると、「塩蔵野菜」が挙げられている。
この製造業者が営業許可を取得し、それ相応の施設や設備を整えていたかは不明である。
(http://www.pref.tochigi.lg.jp/e07/life/shokuseikatsu/eisei/todokedeseido.html)

腸管出血性大腸菌O26による食中毒事例は少ない。
厚労省ホームページによると、以下のような記述がある。
(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000177609.html)

>Q34 腸管出血性大腸菌に感染するとどんな症状になるのですか?
>腸管出血性大腸菌の感染では、全く症状がないものから軽い腹痛や下痢のみで終わるもの、さらには頻回の水様便、激しい腹痛、著しい血便とともに重篤な合併症を起こし、時には死に至るものまで様々です。
>しかし、多くの場合(感染の機会のあった者の約半数)は、おおよそ3~5日の潜伏期をおいて頻回の水様便で発病します。
>さらに激しい腹痛を伴い、まもなく著しい血便となることがありますが、これが出血性大腸炎です。発熱はあっても、多くは一過性です。
>これらの症状の有る者の6~7%の人が、下痢などの初発症状の数日から2週間以内(多くは5~7日後)に溶血性尿毒症症侯群(HUS)や脳症などの重症合併症を発症するといわれています。
>HUSを発症した患者の致死率は1~5%とされています。
>激しい腹痛と血便がある場合には、特に注意が必要です。

すでに喫食されていた場合、仮に激しい下痢の症状時点で胃腸薬などで抑えたと誤解すると重症になる可能性も想定される。

【参考資料】
違反食品(白菜キムチ)の回収命令について
(栃木県ホームページ)
http://www.pref.tochigi.lg.jp/e07/life/shokuseikatsu/eisei/documents/180707gaiyou.pdf

食品安全に関するリスクプロファイルシート
(農水省ホームページ)
http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_analysis/priority/attach/pdf/hazard_microbio-2.pdf

保育園における腸管出血性大腸菌O26:H11(VT2産生)による集団感染事例―東京都
(国立感染症研究所ホームページ)
https://www.niid.go.jp/niid/ja/iasr-sp/2295-related-articles/related-articles-411/4639-dj4118.html

腸管出血性大腸菌O26による食中毒および感染症、ここ10年間の動向
( 一財・東京顕微鏡院ホームページ)
http://www.kenko-kenbi.or.jp/science-center/pathogen/topics-pathogen/1132.html

フランス厚生・連帯省、腸管病原性大腸菌O26:H11が検出されたとして、Laiterie H.TRIBALLAT 社製シャヴィニョル(Chavignol)チーズの自主回収を発表
(食品安全委員会ホームページ)
http://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu04089999999

回収のアナウンス
(道の駅ましこホームページ)
http://m-mashiko.com/news/849/
(道の駅ましこFBページ)
https://www.facebook.com/michinoeki.mashiko/posts/2052620491653837

(2012.07.08 facebook ノートから転載・改編)

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