見出し画像

【Fish & Chipsのお店にて 〜巡った魚たちのお話〜】

本日は、ちょいと一人遠足をしまして、
息子たちを迎えに行く頃には夜ご飯を作る元気がなく、
そのままいつものFish & Chipsのお店へ直行。

昨晩のおかずの残りが冷蔵庫に少しあったので、今日のオーダーはハドック1尾にレギュラーチップス(フライドポテト)を1つ。それに、子どもたちのジュースを2本。オーダーしてから揚げ始めるので、しばらく店内で待つのは、いつものことです。

オーダーし終わる頃、一人の女性客がお店に入ってきました。
カウンターで
“One standard fish and chips!”
と威勢良くオーダーしています。すると、店員さんが
“nine pound, please” と笑顔で返答しています。

あれ?そんなメニューあるのかな?と思って看板見てみたけど、ない。しかも、別々にオーダーするより60ペンス安い。へぇぇ、そんなオーダーも出来るんだと感心。次回試してみようかなと思いつつ、その女性客と一緒に店内で待つことに。

しばらくして、一つ目のオーダーが出来上がったらしく、
“Haddock and Chips!”という声が聞こえました。

あ、私たちだと思ってレジに向かうと、その女性客が、「それ、わたしのだわ!」という明るい声で、私たちの間をすり抜けてカウンターに着いてしまった。

私たちの方がオーダーしたの先だったのにな、しかもHaddockなのにな、と思ったけど、その女性客が店員さんとビネガーと塩はどうする?など楽しく会話しながら会計始めてしまった。レジでは、長男もいぶかしげな顔をしながらその様子をうかがっているけど、お互い、何も言い出せずじまい。

そして、その女性客は子どもたちを見ながら、笑顔で「おなかすいているよね、先でごめんね」と言って、楽しげに店を後にしていきました。(アフリカンな方で、まさに陽気な方でした。)

そのすぐ後に、杖をついた老婦人が入ってこられて。ドアを開けてあげたり、段差に躓かないように様子を見ていたりしていると、次の魚が出来上がりました。

念のため、「それ、ハドック?」と尋ねると、店員さんが「コッドだ」と。
「あらまあ、私はハドック頼んだのよ。さっき彼女が持って行ったのが私たちのだったのね。」というと、店員さんたちが顔を見合わせて何かを話している。一人が慌てて店の外に出てみたが、もうあの女性客は見当たらない。

責任者らしき方が「ハドックがいいんだね?」と聞き返すので、「そうなの。おねがい」と言うと、作り直しをしてくれました。

そしてもう一人の店員さんに、出来上がったコッドをショーケースの中に入れるよう指示すると、顛末を聞いていた老婦人が後ろから、
「私はコッドがいいのよ」と。

すると、店員さんが「このコッドでいいの?」と確認して、揚げたてのコッドをパッキング。老婦人、待ち時間なしで揚げたてのコッドを手にして、店を後にしました。「(私)ドア開けましょうか?」「Yes, please.」という会話を交わして。

そして、いつもの2倍の時間を待つことになってしまった私たち。
店員さんが”Sorry”と何回も言ってくれます。いやいや、最初の会計でもっと強気に突っ込まなかった私もいけなかったんだけど、と思いながら。

すると、がさっと音がしてカウンター越しに一包みの揚げたてチップス(フライドポテト)を子どもたちにくれました。それまで浮かない顔だった子どもたちが一気に笑顔に。ゲンキンな子たちです。

チップスを食べ終わる頃にようやくできあがり。学校を出てから約30分、ようやく欲しかったFish & Chipsを手にして帰路につきました。

私たちの後に来た女性客は、私たちの魚を、少し早く手にし、
次の老婦人は、女性客の魚を、待ち時間なしで手にし、
私たちは、待たされたけど、おまけのチップスを手にし。
(もしかしたら、魚もスタンダードじゃなくてラージだったかもしれない)
3人がそれぞれ得をした、というお話なのでした。

お店が実質の損をしたかもしれないけど、私たちの印象が良くなって、またリピートすることを考えれば、得になってますよね。

*箱のみの写真で失礼しました。おなかがすいているときに、写真を先に撮っておくのはなかなかの難題です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?