不安になること。

不安障害という病気を患っている。

……そう言うと必ずと言っていい程返ってくる言葉は「不安ね、俺にもあるよ」

……そうじゃないのよ……

私には一生忘れないだろうことがあって。テレビで不安障害を患ったとある芸能人の特集をしていた。私よりずっと症状が重くて、外を歩くことが出来ないとか、起き上がることが出来ないとか言っていた気がするけど、私はそれを見ているのが辛くて、でも何となくテレビはつけたまま、スマホをいじったりしてたと思う。

でもそのVTRが終わった後の、MCの言葉が耳に入ってきてゾッとした。

「不安って、誰しもありますよね～」
「僕はもうね、気にしないことにしました！」

……え、あの壮絶な闘病の様子を見て、そういう風に言えるのか。それが一般的な考え方なのか……。

私は多分、その人たちが言ってた誰しも持ってる「不安」の意味はわかってる。
例えば今の状況がまさに不安で、ウイルスのせいで仕事が休業になり、補償は十分にあるものの収入が減ってしまっている。不安だ。もちろんそれは不安だけど。

不安障害の症状である「不安感」は、同じ言葉なだけで全く違うものだ。

今日はどうしようもない不安感に襲われた。
誰かが私を攻撃してきてるように感じた。私の生き方が責められてる。実際には何があったわけでもないし何かを言われたわけでもない。SNSを見ていたけど、なにかそんな妄想に繋がる投稿があったわけではなかった。

……そうだ、妄想なんだ。

不安に繋がる被害妄想に囚われて、動けなくなってしまった。
光が怖くてとりあえず布団を被った。パニック発作が起こると息ができない。死んでしまうんだろうなって、毎回思う。

しばらくたって、気付いたら、普通に息をしていた。
布団から出たら、情けなくなった。

私はただ普通に生きていきたいだけなのに、なんでこんな思いをしなきゃいけないんだろうなあ。

立ち上がって、散歩に出たら、ちょっと気持ちが晴れた。でも多分またすぐに不安感が襲ってくるに違いない。

この恐怖と戦っているのが私たち。

でも、こうやって実際文字にしてみると、もしかしたら誰にでもある「不安」と同じようなものなのかもしれないなあとも思う。
理解されなくても仕方ない……。

自分で自分を支えて生きていくしかないのだろうな。私は私の支えになりたい。

でも、どうやって？