そもそもUXデザインって何?
「UXデザイン」という言葉、あなたは知っていますか?スラスラ説明できますか?
わたしの専門領域なのですが、まだまだ市民権を得ておらず、さっと説明できる人の方が珍しい単語です。そこで、この「UXデザイン」をできるだけ噛み砕いて説明します。
"UX"と"デザイン"の部分に分けて理解していきましょう。
まず、UXの部分から。
UXは、User Experience(ユーザーエクスペリエンス、ユーザー体験)の略です。
Experienceって?体験ってピンとこない。という方も多いかと思いますが、これはとても単純です。
例えば、10年前と今の"JRの改札を通る"をイメージしてみてください。
10年前、、、、
駅に行ってまずやるべきことは切符を買うことでした。
時には長蛇の列ができているところに並んで、電車間に合うかなと"焦る"気持ちをなんとか抑えたり、前の人が券売機でもたもたしているのを見て"イライラ"したりします。
やっと自分の番が来て、財布を見たら1000円札しかない。140円の切符を1000円札を入れて買って、じゃらじゃらと860円もお釣りが出てくる。しかも、釣り銭切れだったのか、500円玉とか入ってなくて全部100円玉で本当にじゃらじゃらと。
その大量の小銭を"面倒くさいなー"と思いつつ財布に押し込みながら、やっと早歩きで改札をやっと通れるのでした。
一方、10年経った今、、、、
多くの人が持っているであろうICカード(SUICAなど)を片手に、ピッとして、スイッです。
ほぼ何も感じることはありません。
"JRの改札を通る"という全く同じ行動であっても、10年前の私たちは"焦る""イライラ""面倒くさいなー"と感じる体験をしていました。悪い体験です。
一方で、今はストレスフリー、無の境地です。10年前に比べて圧倒的に良い体験です。
このように良し悪しがあるのが「体験」であり、UX(User Experience)と呼ばれるものの正体です。
次に、デザイン。
デザインというと、多くの方は絵を描くこと等を思い浮かべるのではないでしょうか?
実はそれはデザインの一部であって、グラフィックデザインと言われたりします。
もっと広義のデザインだと、あるべき状態を定義する、の意味で使われます。
そうすると、何に対しても"デザイン"をしていると思えてくるのではないでしょうか。
私たちは、フライパン、スマホ、働き方、組織、地域、国家などなど、何についてもあるべき状態を定義する、つまりデザインすることができます。
近年ではこのような、広義の”デザイン”が徐々に浸透してきています。
ここまで説明してきたUXとデザインを組み合わせると、
「UXデザイン」 = あるべきユーザー体験を定義すること
となります。
ただここで、「何となく分かったけど、UI/UXデザインとかよく聞く気がする。UIデザインとUXデザインはどう違うの?」という声が聞こえてきそうです。
次回にまた考えてみましょう。
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