昼寝サプリをつくろう。|【第3話】|コンセプトは情緒的に
前回までのあらすじ
数年前に自分のロゴをデザインしてもらった友人・大志と近況報告会をし、さらに前職で出会った後輩・平岩くんとの久しぶりの食事会によって、まだ何も決まってないけど新規事業立ち上げに熱が入った今林。さてここからどうしていくのでしょうか…
コンセプトの発見
平岩くんとの食事会から解散した後から、とにかく事業アイデアを考えた。目標は今年中に売上1円とはいえ、どうせやるならしっかりと考えてワクワクするものをやりたい。あとダサい商売はしない(マルチとか変なやつ)と二人で決めていた。
まず僕のこだわりとして第一に感性を刺激するもので事業を行いたいと考えた。その時点では日本の技術力とか日本の職人さんが作った家具の輸出がやっぱりやりたいとは思ったけど、現実的に考えるとかなり難しい。
僕が感性をくすぐられるもの、それは人間にしかできないことや人間味だ。
少し話が脱線するが、僕は引退後、あん馬の旋回で絵を描く活動を行なっている。
このコンセプトは『経験を描く』だ。自分がやってきた体操の動き、あん馬という種目の今まで何千何万回と回してきた旋回によって描く。
これは今話題のAIには真似できない。厳密にいうと同じ絵の具の模様はつけられるかもしれないが僕のコンテクストは真似できないのだ。
これは僕(人間)がやるからこそ、意味と価値が生まれてくる。
というわけで、とにかく僕は人間にしかできないとか人間がやるからこそというその情緒的なものが大好きなのだ。
話を戻すと、それに関係するようなことで事業を起こしたいと考えたが、なかなか確信的なのは思いつかなかったので、まずはセオリー通り?に人がなくてはならないものやトレンドから考えることにした。
衣食住、3大欲求、AI…
その中から睡眠に目をつけた。
睡眠欲は3大欲求の一つで、睡眠は誰もが毎日欠かさずする習慣である。
良質な睡眠によってその日のコンディションやモチベーションが変わったりもする。
現役時代は試合の前日は基本寝れなくて、オールみたいな感じで試合に臨むも、最初は試合筋でなんとかできるが後半バテて失敗することも多かった。完全な睡眠不足が原因だ。
そういったことからも睡眠の重要さは身に沁みてわかっているし、シンプルによく寝ると元気になるから生産性も上がる。人間にしかできないことにチャレンジする土台を睡眠によって作れるかもしれない!
「新規事業は睡眠関連にしよう!」
若干短絡的ではあるが方向性は決まった。一旦大枠が決まったので、もう少し市場動向などを調べてみることにした。冷静な判断である。
調べてみると睡眠市場は年毎の伸び率的にも盛り上がりを見せている市場でもあった。
もう追い風が吹いている。勝った。そう思った。(はやい)
そこから睡眠に関するプロダクトを考え始めた。どんなものにしようかと思い、自分の睡眠前の行動を振り返っていると、いつも就寝前に水を一杯飲むことに気づいた。そこから就寝前の水に、眠りに効果的な成分を配合したらいいのではないか?と考え、無味無臭の睡眠ウォーターというアイデアに辿り着いた。
これだ。そう思った。(2回目)
速攻で仮のプロダクト資料を作って平岩くんに送ったら、「めっちゃいいですね。」と返してくれた。その週末に平岩くんとオンラインのミーティングで概要を話すと改めて共感してくれた。その時に平岩くんが「そういえば最近こういうの流行ってるみたいです」と言って、海外の事例として紹介してくれたのが、パリピ水だった。
要するにクラブとかでお酒が飲めない人がお酒を飲んでる風に楽しめる"水"だ。今回の睡眠ウォーターに特にめちゃくちゃ参考になったわけではないんだけど、なんだかすごく面白かったのでここでも紹介しました。でもこのマーケティングというか、インサイトの捉え方というかはほんとにすごい。いつか参考にしたい。
その後も色々な人に睡眠ウォーターのアイデアを聞いてもらった。某有名大学の博士課程に通っていて脳科学を研究するSくんにもを話したら、「めっちゃいいですね。」と返してくれた。流石に2連続でほぼ同じポジティブなリアクションだったので一瞬「俺は裸の王様なのか?」と思った。でも根幹の部分である人間の可能性やポテンシャルを発揮するというところにも熱量高めに共感してくれて、最高なやつだなと思った。
こんな感じでみんなが賛同してくれて気持ちよくなっていたのだが、睡眠市場は伸びているということで色々調べていていると、多くの大企業と呼ばれる企業から睡眠サプリメントが出ていることがわかった。僕はここですぐにヒヨった。睡眠ウォーターもいわば形を変えた睡眠サプリメントみたいなものだ。大企業がこぞって出している市場に今飛び込んでいけるのか。
一旦、考え直そう。(はやい)
第一回目のピボットである。
ということで睡眠ウォーターを一度白紙に戻して、考え直すことにした。
今回はここまでとして、また次回に。
読んでくれてありがとうございます!アディオス!
読んでいただきありがとうございます!