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オバQのボーリング、ドラえもんの小銭入れ 2020年2月6日(木)の買い物

2002年の春に東京に上京してきて、もうすぐ18年が経つ。たくさんの人と出会い、たくさんの人が去り、悲しい出来事が山のようにあった。

その中には、かけがえのない思い出もあるけれど、「もっとあっても良かった」という思いと、「これからが人生の本番だ」という思いも、とても強くある。

この18年間、私は何をしてきたか。

新刊書店で本を買い、古本屋で古い漫画やがらくたを買い、吉野家で牛丼を食べ、餃子の王将で餃子とチャーハンを食べ、映画を見て、せっせと仕事をしてきた。「いつか報われる日が来る」と思いながら。

そして今もそう思いながら毎日を過ごし、昼には神保町の吉野家で牛丼並盛りを5分で掻き込んでは、元気に働いている。毎日本当につらいことばかりだけれど、やることがあるだけで、そもそも幸せなのだとも思う。

「報われたい」という気持ちは「何かが変わって欲しい」とほぼ同義だけれど、一方で「変わらない感じ」の安心感も心底好きである。

神保町古書センターの2階に、夢野書店という古本屋がある。かつて中野書店だった頃から、もう20年も私はここに通っているけれど、いろんなことが変わらない。このお店は屋号も変わったし、経営も変わったし、古本を取り巻く状況も変わったけれど、昔の漫画や、ちょっと変なものを愛情を持って扱い続ける感じが変わらない。

昼に吉野家で牛丼を食べた後、颯爽と神保町古書センターの階段を上がり、颯爽と店の中をチェックしている時、「いま自分は輝いている」と思う。

値段が全体的に安くて、色々あるのもいい。私はコレクターではないから、「見たことがないものを見つけた!」という感動と、それを後でじっと見つめて、心の中に落とし込めればいい。だから、多少ボロボロで良いものもあるし、市場的に高い価値がなくても棚に並べて売ってくれていることがありがたいものもある。

木曜、久々に夢野書店で10分ほど買い物をした。

この日のいちばんの収穫は、「オバケのQ太郎」のボーリングセットだった。昔の「小学四年生」のふろくで、ショーケースの中に大切そうに並べられていた。

元々は台紙にはめ込まれていたもので、これは組み立て済みということになるけれど、全然いい。オバQの白いインクの感じ(今では出そうとしても出せない)、ボール紙のでこぼこの感じ(こういつ段ボールも存在しない)、元の持ち主が台紙から組み立てて遊んだあと、大切に持っていたであろうがゆえの保存状態のよさとバックグラウンド感、すべてが最高すぎる。しばらくは居間のテーブルの上に飾る。2000円だった。

ドラえもんの小銭入れ。1500円。80年代前半か。

正規品。若者と出歩いてる時、ちょっとジュースなんかを奢ってあげようという時に、Suicaや携帯で支払うのではなく、この小銭入れから100円玉を取り出したら、かなりかっこいい。

雑誌「科学クラブ」特集:動物のかいかたと訓練(昭和33年)。90円。
当時の上野動物園長さんと、多摩動物公園長さん監修の下、様々な動物の飼い方を解説している

飼い方が載っているのは、犬、うさぎ、鳥、やぎ。当時のやぎのメジャー度が推し測られる。

そんなわけで、こうした生活はずっと変わらずに続けて行きたいけれど、人生の本番はもう来ているのかもしれないので、今日からその本番の様子を書いていきたいと思う。

私は変わりたいのか、変わりたくないのか、よくわからない。しかし、この生活のありようが、誰かの息抜きくらいになってくれたらいいなと思う。

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