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【ホロライブ事件簿】第8話 ルーナの推理【脚本】

晩餐会の夜編3

洋館2階間取り図 ※玄関ホールは吹き抜け

洋館正面玄関外 夜

正面玄関の脇でルーナとちょこが話している。
深刻な様子でルーナは語りだす。
ルーナ「ちょこ部長。ルーナは侵入者はいないと考えているのら」
ちょこは少し驚く。
ちょこ「いないってどういうこと?」
ルーナ「ルーナはここに来ることがよくあるから建物の間取りとかもよく知っているのら。今日みたいな厳重な警備の中で盗難目的で侵入するなんてありえないのら」
二人の目の前には洋館の前庭があり、そこかしこに警官がいる。
ちょこ「・・・確かにそうよねぇ。わざわざリスクが高い日に・・・」
ルーナ「逃走ルートはあの窓しかないのに痕跡は見つからなかったのら。あとは鍵のかかった部屋に隠れてるとしかないけど・・・」

洋館 西棟 4番目の部屋前

ドアを閉めるスバル。
部屋の前にはメイドらがついてきて不安そうな顔をしている。
スバル「?。皆さんお仕事にお戻りにならないんですか?」
メイドA「・・・それが犯人がまだいると思うと・・・」
スバル「あぁ、まあそうですよね。ですが、ここにも居ないとなると・・・。一応他の部屋を見てみますか。どなたか部屋を調べたいので鍵を持ってきてもらえますか?」
メイド長「あっ鍵なら私が持っています」
片目に眼帯した女性(メイド長)が歩み出る。
メイド長はスバルに鍵の束を渡す。
スバル「この鍵はいつもあなたがお持ちなんですか?」
メイド長「ええそうです。私はメイド長なので持ち歩いています。ほかにも守衛室に1つ」
スバル「じゃあ見ていきますか」

洋館 西棟 3番目の部屋

ドアが開けられる。
電気がつき部屋が明るくなる。人の気配はなくシンとしている。
スバルは部屋に入っていく。
窓を調べ、内鍵が掛かっているのを確認する。
クローゼットを開けるが中は空だ。
スバル「居ませんね。メイドの皆さんどうぞ入って見ていただけませんか?何か変わったこと等あれば」
メイド達がゾロゾロと部屋に入る。
彼女たちはキョロキョロと回りを見る。
メイドA「・・・特に何も」
スバル「では次の部屋にいきましょう」

洋館正面玄関外 夜

ルーナ「今頃、スバル先輩は部屋を調べてると思うのら」
ちょこは建物外観を見るために玄関から少し離れた。
ちょこは2階の西棟手前側の部屋の窓が明るくなっているのを見る。
ちょこ「部屋が明るいからきっとそうね」
ルーナ「もし、すべての部屋に何も異常がなければ、あのメイドの証言が本当なのかが鍵になるのら」
ちょこ「湊あくあさんが嘘をついている可能性か・・・」

洋館 西棟 1番目の部屋

部屋の中央の椅子に腰掛けるスバル。
スバル「いやー困ったな。全ての部屋がからっぽだ」
部屋のドア付近でかたまっているメイド達。
不安そうな目でスバルを見ている。
スバル「・・・と、とりあえず部屋を出ましょう!」
ぞろぞろと部屋を出ていくメイド達。
スバル「ん?」
スバルは彼女らの後姿を見ながらなにか違和感を感じた。
あくあ一人が部屋に残り、スバルに歩み寄る。
あくあ「刑事さん。やっぱり窓から逃げたんでしょうか?」
スバル「そ、そうですね。しかし、短時間であの高さから脱出するのは無理があるんですよ。超人でもない限り」
あくあ「そしたら私が見たものは一体何だったんですか?幽霊じゃないですよね?私にぶつかってきて体が痛いのに」
スバル「・・・そ、それがですね。あなたが嘘をついている可能性があるんですよ」
困った表情のスバル。
あくあ「そっ、そんな!」
あくあは声を震わし後ずさる。
ルーナ「そこに気付くとはさすがスバル先輩なのら!」
部屋に入ってくるルーナとちょこ。
スバル「ああルーナか。で外はどうだった?」
ルーナ「なにも見つからなかったのら。スバル先輩も部屋を全て調べ何もなかったんですよね?」
スバル「ああ、そうだよ」
ルーナの顔つきが凛々しくなる。
ルーナ「そうなると。この事件はすべてあくあさんの証言でしか存在しないのですね!」
気持ちが高ぶるルーナ。
あくあは困惑するも反発する。
あくあ「そ、それってどういうことですか!」
ルーナ「つまり、こういうことなのら。すべてあなたの狂言ということなのら」
自信にあふれたルーナ。
腕を組み深く考え込んでいるスバル。
愕然とするあくあ。
ルーナ「今夜の晩餐会にルーナも出席していたのら。そこであなたのことはよく記憶に残っているのら。あなたは仕事に不慣れで、注意を受ける姿をルーナは見ているのら」
あくあ「そんなの関係ないじゃないですか!」
ルーナ「あくあさん。あなたはここの仕事はいつから?」
あくあ「まだ2日目です!」
ルーナ「あなたは慣れない仕事とミスで精神的にも肉体的にも疲労困憊していたのら。そしてその状態で小柄なあなたにとっては大きな荷物を運ぶように言われ2階に来た。そこで不運なことにあなたはきっと体がふらついたのか、この廊下の壺にぶつかり壊してしまうのら」
あくあ「やめてください!わたしはしていません」
手で顔を覆い静かに泣き出すあくあ。
ルーナ「あなたはこの大きなミスを隠すためとっさにこの狂言を思いついたのら。自分で窓を開け、叫び、気絶したふりをし、架空の侵入者をでっちあげたのら」
しゃがみ込み泣き続けるあくあ。
顔を上げ立ち上がるスバル。
スバル「・・・ルーナ。その推理は確かにつじつまが合うし俺も考えていた。・・・だが待ってくれ。一つ釈然としないことがあるんだ」
ルーナ「な、なんなのら?」
スバル「それはなぜ2階に荷物を彼女に持っていかせたのか?」


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