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【ホロライブ事件簿】第11話 解決【脚本】

晩餐会の夜編6

洋館内2階 西棟 物置部屋前
部屋の前には5箱ほどの段ボール箱が取り出され廊下に置かれている。
その中に非常用備蓄と書かれたものが。
ルーナとちょこが取り出し作業にあたっている。
スバルとあくあはそれを見守り、周りのやじ馬が好奇な目で見ている。
ちょこ「めぼしいものは大体これぐらいかな?」
ルーナ「本当にこの中に本物があるのら?」
にやりと笑うスバル。
スバル「もう充分です。きっとその中にありますよ」

洋館外 正門前 夜
閉ざされている正門。
ヘッドライトを点けた車が正門に近づいてくる。
誰が乗っているかは眩しくてわからない。
クラクションが短く鳴る。
警備員が運転席に近づいてき、出れない旨を伝える。
警備員「申し訳ないですが・・・。今許可が出ないと開けれないんですよ。はい、そうです。何が起きてるか私にもわからないんですがね・・・。もう少し待っていただければ。・・・えっ、いつになるかはちょっと。いやーでも・・・はい・・・しかしですね・・・んー、困ったなぁ・・・」

洋館内2階 西棟 物置部屋前
段ボールを開けようとするちょこ。何かに気付く。
ちょこ「あれ?これ一度開けた跡があるわね。テープが張り直されてるわ」
その箱の側面には非常用備蓄と書かれている。
そして、開けられる箱。
中には豪奢な文様の壺が・・・。
周囲の人間たちがわっと声を出す。
驚き口に手を当てるあくあ。
ルーナ「こ、これなのら?」
スバル「出ましたね。皆さんどうですか?これで間違いないですか?」
沸き立つメイド達。次々と声を出し同意する。
あくあ「すごい。本当に私が見たものは偽物だったなんて・・・」
スバル「次は戻って部屋を見に行きましょう」

洋館外 正門前 夜
ゆっくりと開けられる正門。
正門の内側には車が一台待機している。

洋館内2階 西棟 一番目の部屋
部屋の中をくまなく調べているスバル、ちょこ、ルーナ。
棚など片っ端から開けている。
ドア付近にはメイド達。
何かを見つけ、驚いた声を出すルーナ。
ルーナ「あったのら!」
チェストの棚から黒い目出し帽と黒い服が。
ルーナはそれを皆に見せる。
ざわつき興奮するメイド達。
ちょこはふと窓の外を見る。
正門は開けられていて、車が一台今まさに出ていこうとしている。
ちょこ「ちょっと!!なにしてんのよ!」
窓を乱暴に開けるちょこ。
あわてて窓に駆け寄るスバル。
スバル「くそ!逃げられた!」
闇夜に消えていく車のテールランプ。
すぐさま無線を取り出すちょこ。
ちょこ「正門の警備のもの出なさい!なんで出したの!バカッ!」
警備「・・・す、すみません。押しが強くて。それに、メイド2人なので問題ないかと・・・」
ちょこ「ばかぁ!」
肩を落とすスバル。
二人の前にあくあが歩み寄る。
あくあ「・・・その2人ってメイド長と星野さんじゃないですか?今までここにいたのに。もしかして・・・」
ちょこ「ちょ、ちょっと待ってね。そのメイドってメイド長と星野って人?」
警備「あ、はい。メイド長です。あと青い髪のスラッとした人で」
あくあ「ああ星野さんだ」
スバル「そういうことです。あくあさん。その2人が今回の犯行を企てました」
あくあ「私を襲ったのは・・・星野さん」
スバル「はい。襲った後窓を開け、あらかじめ作っておいた合い鍵でこの部屋に入り、変装を解きそのチェストに隠しました。私が各部屋を調べていた時にでもここから出たんでしょう。メイド長が合図してね・・・。俺が間抜けなせいでいくらでもそのタイミングはあった」
ルーナ「・・・そ、そんなことないのら!一番間抜けなのはルーナなのら!」
涙を流すルーナ。
ルーナ「あくあさん。ごめんなさいなのら。あなたを犯人だと言って・・・」
あくあ「・・・」
スバル「・・・ルーナ。今回の事件はあくあさんがスケープゴートの役割だった。俺らはまんまとそれに引っかかってミスリードしちまった。犯人が一枚上だった。くそっ!」
スバルは悔しそうにこぶしを握った。
涙で頬を濡らすルーナ。
あくあはルーナに歩み寄る。
あくあ「ルーナさん。あなたは悪くないわ。皆さんのおかげでこの事件は解決したんだから」
あくあはルーナの手を取り、自分の両手で優しく包んだ。
あくあ「ルーナさんありがとう。私は今なんとも思っていないの。本当に。事件が解決したことがとにかくうれしいの」
ルーナは顔を上げ潤んだ目であくあを見る。
あくあは慈しむようにルーナに微笑んだ。

晩餐会の夜編 完

次回 呪いのホテル編

第12話 つかのまの平和 【呪いのホテル編1】
第10話 湊あくあの役割


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