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少年と次元


今月の頭、ベッドの上で突然
「今月何かが起こる」
と感じた。

俺の趣味はオカルトではないが、超能力というものを信じてたりしている。
実際俺にドラムを教えてくれた所謂師匠みたいな人は、霊感が強くて、さらに会ったことのある人の未来を予知できる謎能力がある。

そのおかげで友達の離婚の危機を救い、病気の早期発見に貢献したりしていて、地元では少しだけ有名人だったりする。

今更その人に感化された訳ではない。
俺には霊感もないし、人の未来がそんなはっきり見える訳もない。
ただ、何か起こる気がするという気配だけはたまに感じることができたりする。

例えば、大学内ですれ違っただけの人を見て、この人と何かある気がすると思った一週間後にその人とバンドを組むことになったし、
(たまたまサークルの新歓にその人がいて話しかけられてそういう事になっただけで、ずっとストーカーしてたとかではないけど疑われたくないから本人に言ってない)

今の会社の面接の時、駅から会社のビルへ向かってる途中に、異常に今後もこの道を通る気がしたし、
(その会社までの道のりが好きで絶対に受かろうと気合いを入れた訳ではない)

最近解散(?)したバンドの最後のライブの帰り道にすごい嫌な予感がして、結果その後解散(?)したし
(俺が解散を提案したわけではない)

あと、「やっといて」と言われたものに対して、これはやらなきゃいけない気がする、これはやらなくていい気がするって頭のどっかで感じて、実際やらなくていい気がしたやつが「やっぱこれやらなくていいよ」と言われることが結構ある。

これは超能力でも何でもなくて、ただ勘のいい奴ってだけかもしれないけど、その俺が今月は何か起こる気がすると言っている。

そして今月の最初らへんに、
「猫をひきとってくれないか」みたいな提案があり、
「これか?!」
と思ったが違った。
猫はいません。

その数日後。
突然胸の痛みに襲われて人生初の救急車に乗った。
無理矢理寝ようと思っても痛くて眠れなくて、深夜に救急搬送。
運ばれた先の病院で多くの救急外来の人達に囲まれて、人生初の点滴もした。
時間が経っても痛みは治らず、
色々検査をしている途中、その人達がみんな少しずつ険しい顔になっていたため、
「まさか何か見つかるのか?!」
と怖くなってきた。
「もしかしてこの事なのか、、」
と思ったけど違った。
元気です。
何もありませんでした。

今日は10月の24日。
特になにもない。
今月は残り7日。
でも何か起こることに期待して、ここから日記を書こうと思います。
何か起こっても起こらなくても、多分これをnoteに投稿します。

少年と次元

10/25

10月25日火曜日。
朝メールが届いた。
お仕事の相談メールだった。
本業は会社員。
だけど最近ちょっとした副業、いや副業?
今のところまだ趣味の範囲でお小遣い稼ぎ、みたいなのを始めた。
簡単に言うと曲作ったりする仕事。
DTMっていうパソコンで音楽やるの始めたのと、シンガーソングライターの編曲を担当するようになったりしたから、やってみようかななんて思い、やり始めた。

と言ってもなかなかクライアントはつかず、ほぼ一人でDTMで遊んでる時間がほとんどだったが、今日ついに相談メールがきた。

と言っても1週間前にも1人メールがきたのだが、値段交渉中にブッチされた。こういう業界ではあるあるらしい。

しかし今回のは値段は提示済み、しっかり俺がこれまで作ってきた曲も聴いた上での相談だった。
相談というかこれミーティングだよね?ってくらい中身のある内容だったが、向こうも前向きに検討させてくださいとのこと。

もしや何か起こるとは、新規クライアントの発掘?!
あり得る。
まあ85%期待してないが、もしかしたら、かもしれん。

と思ったらこれを書いた1時間後に契約となりました。
これのこと、、?

10/26

部屋の模様替えをした。
作業部屋とベッドの位置を変えただけで、引っ越し初日の気分になった。
もしかしてこれのこと、、?

10/27

いつも通り働いて、いつも通り食べて、いつも通りマリオーカートをして、いつも通り寝た。

10/28

同棲している彼女の友達が2人家に遊びにきた。
夜まではそれぞれ各自の仕事をして、その後みんなでご飯を食べて、ゲームをして、映画を観た。
何か新しいことが起こった訳ではないけど、そんな事はどうでもよくなるくらい、こういう時間がずっと続けばいいと思った。

10/29

友達は始発くらいで帰って、俺は今日昼から予定があったのでそれまで少し寝た。
3〜4時間くらい寝て、まだまだ眠りたい中銀座に行き、顔面に穴を開けた。
(これ読んでる人はいきなり「?!」と思うかもですが、実はとある事情でこういう施術をもう5回くらい月1で受けてます。これについても気が向いたら書く)
その後帰って、少しDTMをしてからベッドで横になってたら寝てしまい、気づいたら23時になっていた。
という事で今日もいつも通り。
結局いつも通りが安心するわ。

10/30

競馬に行った。
いやまさかね、とは思ったけどやっぱり大負けした。
(ゆーて入場料と賭け金合わせて2000円)
人生初天皇賞、粗品も興奮してた歴史的大レースを見れました。

その帰りに友達と居酒屋に行って、少年らしく宇宙と次元の話をした。
友達の話によると11次元まではあると言われてるらしい。
4次元は、感情論みたいなもんで、感情の浮き沈みによって見てる世界が違う的なこと言ってた気がする。
まあ何はともあれ、俺もみんなもいつも通り元気そうでよかった。

10/31

友達の次元の話を聞いた時はオモローくらいだったけど、今二日酔いでこれを書いてる俺はもしかして4次元にいるのではないかと感じ始めている。
二日酔いの時なんて普段より気分沈んでるし、何せさっき食べたオクラ、まじでただのオクラ、いつも食べてるオクラが美味しすぎて感動してしまったのだ。

最初口に入れた時、本当にオクラを食べたのか確認したくらいだ。
あんなオクラは先にも後にも食べることはない。
その後に食べたミカンの缶詰。
もちろんミカンの缶詰が美味いことなんて知っているし、ドールだった気がする。そんなん美味い、そりゃ知ってる。
でもそれでも明らかにいつものそれとは一線を画していたのだ。

天皇の料理番の主人公が初めてタレカツを食べて、その感動のあまり料理人を目指した気持ちがすこしだけ分かった気がした。

何馬鹿なこと言ってんだ、それは二日酔いだからでしょって思うそれこそが4次元なのかもしれない。
そう考えると人は無意識のうちに11次元まで辿り着いているのだろうか。
宇宙生物が既に人間の目に見えていない状態で地球に生息している説のように、俺らが思い描いているキラキラしたものとかは、妄想の中でどんどん膨らんで大きくなってるだけで、実は日常の中に既にあるものなのかもしれない。
「何かが起こる」と期待で胸を膨らませていた俺が、結局「いつも通り」に安心していたように。

しかしその期待に応えるならば、「何か起こる」とは、別の次元に行くことだったのかもしれない。
そして俺のこの感受性の素直さは、少年のそれに値する。
そんな事を思いながら10月が終わり、冬の訪れを感じております。

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