見出し画像

シンプルな梅干し、甘い香りを閉じ込めた梅ピュレの作り方

画像1

今年もだいたい、梅仕事の目処がついて来てほっとしています
毎年行っていても毎年違う梅事情。

今年は良いものはとっても良かったけど、平均値として大変であったという感想です。
とはいえ、ここ最近の記録を振り返ってみると、そういう印象を持つ年が増えてきています。
今年は暖冬だったため、木熟する前にポロポロと落ちた梅も多かったです。落ちた梅にはすぐに虫がついてしまうので、梅農家さんもご苦労が多かったことと思います。毎年毎年、梅が我が家にやってくることに感謝です。
今年も会えた!待ってたよ!!と言う気分です。


梅干しの作り方

梅干しの作り方は、下記のリンクよりご覧ください。

梅干しは傷の少ない梅を使います。
しかし少し傷がついたり表面が茶色くなった梅でも、ほとんどの場合、中は綺麗に甘く熟しています。そんな梅があったら包丁で切りとり、加工していきましょう。

私のオススメはなんといっても梅ピュレです。
梅ピュレは梅の甘い果実を味わう、ジャムのようなソースのようなもの。完熟梅ってとっても良い匂い。もうむせかえるほどの。
その香りをぎゅっと閉じ込めます。

初めて口にした人は皆ぱあっと笑顔になる、魔法のような食べ物なのです。
極端な話、梅干しが20kgほど確保できたら、梅仕事の種類は梅ピュレだけでも良いくらい私は大好きで、無くてはならないものです。


梅ピュレの作り方

画像2


(材料)
橙色の完熟梅 1キロ(傷がある梅を使う場合は切り取った後の梅の総量で計算)
砂糖 600g〜800グラム
(お好きなお砂糖でどうぞ)

画像3



1,通常の梅の処理と同様に綺麗に洗い、竹串、爪楊枝などでへたを取ります。
傷んでる所は包丁で取り除きます。

2,琺瑯かステンレス鍋に、梅とかぶるくらいの水を入れ、沸騰したらザルにあげます。お湯を流したらザルの梅を鍋に戻し、再びかぶるくらいのお水を入れて沸騰させます。
これは茹でこぼしという作業です。3回茹でこぼします。これをすることで、アクが取れます。

3,鍋にざるにあけた梅だけを戻し、木べらなどで種が出るようくずします。
砂糖を入れ、味見し、かなり甘い味付けになるように調整します。お砂糖を入れた瞬間に梅のエキスが出ます。
(2022年追記:完熟梅だと甘みが強く出るので、300gくらいずつから試してみてください)

画像4

4,火をつけ混ぜながら弱火で熱し、白いアクが浮いたら丁寧にすくいます。(もうさほど出ないはずです)
軽く沸騰したら、すぐに火を止めます。
決して煮詰めないこと。最後に種をとりのぞきます(捨てないで取っておきます)。
かなりしゃぶしゃぶの状態ですがこれで大丈夫です。種を小さな茶こしで取り除いています。

画像5



5,種を取り除いたら、ハンディブレンダーやミキサーなどで滑らかにする。
ブレンダーやミキサーを使わない場合はザルで裏ごししても良いし、皮が気にならない場合は何もせずにそのまま瓶に保存しても良いです。

保存は煮沸消毒をした瓶に移し、冷蔵庫が安全です。

※取り除いた種からエキスが出るのでポットなどに入れておき、水を注ぎ混ぜると即席梅ジュースに。私は飴ちゃんがわりにしゃぶります。

※お醤油や味噌に漬けて、簡易調味料にするのもおすすめです。

梅ピュレの出来上がり。美しいでしょう。この美しさを見たいがために毎年追熟のタイミング、梅干しとの仕分けをいつも考えています。

画像6

氷とお水を入れて割ると、ネクターのように濃厚で香り高い。
これはアプリコットですか?と良く聞かれます。

夏場の夕方、元気が切れた時には、これをキュッと飲んでお夕飯を作っています。
これに梅酢を入れて、熱中症予防のドリンクにすることも。
ビールと割ると、危険な美味しいカクテルになります。

画像7

これは梅ピュレの種で甘みをつけた焼き豚。お砂糖だけの時よりフルーティな味わいで、かすかに酸味と苦味がつき、複雑な味わいになります。
甘みを変えるだけなのに正体不明な美味しいお料理ができる。

画像8

梅ピュレの素晴らしいところは3食の献立にすっと馴染んできてくれる事です。
それなのに、確実に驚くほど美味しさをプレゼントしてくれます。

朝ごはん。
黄金色に染み渡ったバタートーストに、さらにこの橙色を重ねます。
甘くて塩っぱくて、バターがじゅわりとして、酸味があるからさっぱりともする。そうすると止まらない、癖になります。朝起きるのが楽しみになるでしょう。

これはトマトに梅ピュレをかけるだけ。お塩もオイルもかけないで。
ただトマトにたっぷりと梅ピュレをのせる。これが夏にぴったりの一品です。これは、もう夏の一皿としか言いようがない。暑いうちに食べるものです。

画像9

傷物も、茶色くなった梅も、梅は梅。一粒一粒、無駄にしたくありません。
変色したところ、カビたところも、切り取って、梅ピュレ、醤油漬け、味噌つけ、塩麹漬け、らっきょう漬け、甘酢漬け、色んな楽しみ方があります。
むしろ、何もない完璧な梅では、勿体無いような加工食品をどんどん作ってみましょう。
一つ注意点は、傷んだ梅はとってもカビやすい事。包丁を入れたそばから切った断面は変色していきます。
醤油漬けも、味噌漬けも冷蔵庫でエキスを抽出していった方が安全です。もちろん保存容器も綺麗に消毒する事、小さじ1の焼酎を加えるだけで随分安心感が違うでしょう。



(追記)
もしたくさん出来上がった場合は冷凍保存がおすすめです。
ジップロック袋のようなものに薄く伸ばして入れて、凍らせます。
使うときに割って召し上がれると思います。
梅は梅干しと梅酒以外は、案外カビやすいです。冷凍保存が一番長持ちします。梅醤油、梅味噌なども常温ではなく冷蔵庫保存が安全です。


「新しいお月見」というプロジェクトに参加しています。 https://note.com/new_otsukimi みんながボランティアで運営しておりますので、もし良かったら上記アカウントにサポートいただければ、ありがたいです。 どうぞよろしくお願いいたします。